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Nightmarecity -プロローグ- (おが)

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…8年前…
12月11日
New world laboratory内部

奥まった研究室の中で二人の男が話していた。
一人は部門長の一人らしく「夜勤」というキャップをかぶっている。
そして眼鏡をかけている若い研究者はその人にあるレポートを提出しているところだった。
「このレポートは…」
「私が自主的に製作したものです。」
レポートを見ていた男はつぶやいた。
「〝夢を共有する〟…いったいどういうことだね。」
「はっきりいっておきますよ。」
レポートを提出した男は自身ありげに言った。
「〝夢を共有する〟つまり別の人の夢を別の人に見させるわけですよ。」
「それだけか…」
夜勤という人は顔に皺を寄せた。
「うん。面白いよ。傑作だ。でも当研究所には金がない。一様、上には提出してみるけど、
 資金面で反対されるだろうな。まあいいけど。君の研究概要はなんかコストを気にして
いないな。だから上から反対されるんだよ。いいかい。」
眼鏡をかけたその人は気分を悪くしたらしくさっさと部屋から出て行った。

―その人の研究室にて―
「まったく。上の連中は何を考えているんだ。こんな斬新なプランを知らないなんて」
そのとき友人の若い研究者がやってきた。
「どうしたんだい。ネオ君」
そのネオという人は顔でこっちを見た。
「ああ。シーン。今はとても不機嫌なんだ。」
「どうしてだい?」
「せっかく提出したレポートがボツさ。かなりいいことなのに。」
「どういう感じ?」
シーンはそのレポートを眺めた。
「これはすごいな。」
「だろう。でも上の連中は…」
「だったら上の連中に通るように書き直してやろうじゃないか。この研究は
 実にすごいと思う。しかし使い道がなきゃ誰もやらない。」
「じゃあどういう使い道が…」
「僕が考えるには…」
シーンは語りだした
「たとえば、別の人の夢を見させるということは脳の夢を見る部分と直接交信することだ
から、それを別のところへやったとするよ。脳の中の人間の理性や行動それらを司る場
所につなげると、その脳からの「動かせ」という指令をコンピューターに直接繋ぎコン
ピューターがそれをバーチャル空間で行動させて、さらに感覚器官の整理を司る場所に
も繋げる。そうすることによりバーチャル空間で感じたことがすべて実際にその人が感
じたと思う。つまり・・・」
「バーチャル空間にもう一人の自分を作り出す。そういうことだろ。」
「そういうことだよ。」
「で、実際してみてどういう使い道があるの?」
「実践体感ゲームでだよ。コンピューターで自分をもう一人作り出せることが出来るわけ
。」
「それはすごい。」
ネオは驚嘆した。
ネオはそれを新しいレポート用紙に書き始めた。
そのとなりでシーンはある絵をノートに書きとめていた。
ネオは覗き見た。
「これは・・・」
シーンはそのページを切り離しネオに渡した。
「これも出すといいよ。」
そのページの落書きはすごいことを意味していた…

その後2月7日
新世界研究所はその研究に向けて一直線だった。
研究所の一室に新たな装置が組み込まれた。
二人はそれを眺めていた。
この数日で二人の研究場所は二つも偉くなった。
二人が眺めていると若所長ヒロルキが近づいてきた。
三十路をほんの少し過ぎたくらいの青年である
「この研究を報告した二人だね?」
「はい。」
「なかなか夢のある計画だったよ。夢の中で共有するか…面白いな。
 この計画には大いに参加させてもらうよ。」
 「ありがとうございます。」
そうしてヒロルキは過ぎ去っていった。
相変わらず二人は眺めていた。

この新世界研究所は今も昔もとても規模が大きくその中には
住居煉まであって研究者の家族も住めるようになっていた。
今日の仕事を終えた研究者たちがそこに帰ってくる。
仕事を終えたシーンはそこに帰還した。
妻は2年前に他界してしまったが二人の小さな子供たちがいた。
モラルドにいたってはまだ6歳だが何とか生活していた。
「ただいま。」
「おかえりなさ~い。」
6歳の息子と14歳の内気な娘の快活な声が聞こえる。
「今日はどうだった?」
「ああ。お父さんの研究はもうすごいところまでいったぞ。」
「すごいね。お父さん。」
「私も手伝いたいわ。何でもいいから。」
「そうか。そのときは本当に手伝わせてやろう。約束だぞ。」
「うん。わかった…」
2月12日研究所ではもう実験の準備さえ整っていた。
ネオとシーンはヒロユキに提唱した。
「早く実験を始めたほうが、いいです。」
「うん。じゃあ、一週間後に実験を開始しよう。」
ヒロルキはある紙をだした。
「これは実験認可書だ。この紙で実験が出来る。この紙を持っているものは
 その実験の責任者なのだ。責任を取るか?」
「どんなことがあってもとります。」
「よろしい。ではだそう。」

しかしネオにはある隠し事があった。それは実験台を決めていなかったことだ。
ネオは陰口でそのことをシーンに伝えた。シーンはあせった。
「一週間以内に決めなくては!」
二人は難しい計算をした結果夢や空想の多い5・6歳ぐらいの幼児がいいことがわかった。
「そういえば…」シーンはつぶやいた。
「うちのギコが6歳だったな…」
ネオは速攻で言った
「それがいい。それを実験台にしよう。」

住居地に帰ったシーンは二人の子供に言った。
「明日はお父さんの部門の実験がある。そこでだ。
 実験台として使わせてもらいたいんだ。」
「しかし、お父さん。ギコは熱を出して病理棟に行っているわよ。」
「しょうがないなー。今回はお前が出てくれないか?」
「いいけど…」
「そうか。ありがとう。」
「お父さん。大丈夫。この実験。」
(うっ)シーンはぎっくりした。
しかしこうもしてないので
「ああ。もちろん大丈夫さ。夢の中で遊べるんだぞ。」
「そう。じゃあ。」

そして2月19日
実験は始まった。
しかし、シーンの姿はいなかった。
東京という街のある研究所に出張してしまったからだ。
一人だけネオはある約束を抱えている。

前日の夜
出張の準備をするシーンの部屋にネオが駆け込んできた。
「シーン!」
ネオは少し驚きながら言った。
「上からの命令だ。仕方ない。」
「しかし何でこんなときに限って。」
「仕方ないさ。これは仕事何だもの。」
そしてシーンは表情を変えて言った。
「しかし。これはよく覚えておけ。」
シーンの顔には緊張がみなぎっていた。
「今回の実験はわざわざ年頃の俺の娘を出しているんだ。もし、
 それを傷つけるようなことをしたら…ただではおかないぞ…」
「わかってるって。」
「本気か?」
「本気だぜ。」
「じゃあ…俺は行く。」
そういってシーンは部屋を後にした。

午前8時実験は開始された。
シィは自動催眠装置DE-Xに入れられ眠っている。
ネオは全員に伝えた。
「実験開始!」

さまざまなボタンが光り始め実験はスタートされた。

しかし、それは破壊を呼び起こした。
少女は眠り続けることになり
少年にはある刻印が刻み込まれた。



午後6時
帰ってきたシーンに伝えられたのは悲劇だった。
少女は意識がないまま眠り続けていた。
所長の命令でその少女はある一室に置かれた。
「死んではいない…しかし植物状態なんだ。」
誰かがつぶやく。
「この研究は失敗しながらも続けていくしかないな。」
しかし、この時点でシーンは空虚だった。
ネオを見つけ出すとこういった。
「この研究から手を引かせてもらうよ。人を操ることはきっと出来ないんだ…」
その日からシーンの研究部門は移された。


この悲劇は8年後の悲劇へと続いていた。
悲劇は悪夢となって8年後そこを襲った
機械が人間に夢を見せることはできない
そうわかっていながら人間は愚かだった…

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