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Killer doll (さくま)

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匿名ユーザー

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 ・・・ろ

みみなりがする 
だれ? だれ? だれ?
やだ、やめてください ぼくはこわい

 ・・・は・・・・・きろ

え? きこえない 
ききたくない やめて、やめてくれ――――・・・・!!!

「はやく起きろっっってんだよ!!!」

バコッ!

「いったぁああ」

起きた瞬間にギコの拳が脳天に激突した。
正直痛い。 凄く痛い。
頭にコブが出来ていないか確認してから、
不機嫌そうに顔を歪めたギコを見た。

うわぁ

コブが出来ている上にギコの顔は不機嫌を通り越して、
殺気を持った顔になっていた。

「・・・ご、ごめんなさい」

――5時20分
なぜかギコはいつもの10分前に僕を起こしに来た。 
まだまだ眠いが、次のギコを叫びでそんなものは何処かに
吹っ飛んでいってしまった。

「てめぇは何時も起きんのが遅すぎなんだよおおおお!!」

充血した目、額に浮く血管、殺気に満ちた顔。
常人なら軽く失禁しているだろう
込みあがる怒りを僕のお気に入りの椅子にぶつけるギコを
横目にして、さっきの夢を必死の思い出そうとした。

おま・・・・は・・・い・・・・ろ?

「・・・・っ」
・・・頭痛がする。
やめておこう。 無理に思い出すのもよくないですしね。

怒りが収まったのかギコはいつもの冷静さを取り戻していた。
その代わり、大事な椅子が犠牲となったが。

あーあ、高かったのになぁ。

まぁ、半殺しにされるよりはマシですね、と自分を慰めながら
何か言いたげな顔をするギコを無視した。

どうせ依頼内容の事でしょう。
昼にも一杯時間はあるのに、起きてすぐは流石にちょっとヤですね。

「・・・タカラ」

・・・うわっ、せっかく無視したのに気づけよ。

心の中で毒づきながら僕はお得意の笑顔をギコに向ける。
なんとか話を逸らしてやろう。
せめて朝食をとった後にでも・・!!

「ギコ、僕は今凄くお腹が減っているんです。
話す時間が勿体無い程お腹が減っているんです。
今から依頼の話をしたらぶち切れますよ。
次に会話する時は朝食の後です」

息継ぎもしないで一気にこれだけ言うと僕はギコから
逃げるようにベットから降りた。

―――やった!!

小さくガッツポーズを取っていた時、ギコはいきなり後ろから僕の左肩を掴んだ。 
いきなり強い力で肩を掴まれたので、
驚いた僕は反射的にギコの方に振り向いた。

「・・・・ぎ、ギコ?」

顔を俯かせているギコの顔からは表情が読めず、
何か深刻な問題があるのだろうと頭の悪い僕にも理解できた。

なに? 恋愛相談? 冗談じゃない。 僕がして欲しい。

まぁ、兎に角この痛い程握り締めている肩を開放させていただきたい。

「あのぉ、そろそろ手ぇ離して貰えませんか?
貴方の馬鹿力で掴まれたら、僕の肩は・・・・・っ!!」

―――・・・・・え?誰コイツ

さっき僕の肩を掴んでいたのは確かにギコであったし、
ギコが瞬きする間こんな美女に変身する訳がない。
更にギコは僕の仲間であったし、
いきなり鳩尾に脳が揺れる程の強さで殴る訳がない。
悔しいからワザと美女の方に倒れて抱きしめてやろう。

・・・・ドサッ

・・・美女を抱きしめるのは失敗した。
見えたのは真っ白の床。
僕は綺麗に床と口付けをした。
胸いっぱいに悔しさを抱きながら、僕はゆっくりと意識を手放した。






 ――






「ねぇ?本当にこの子なの?」

妙齢の美女が俺に問う。
彼女が不思議がるのも仕方のない事であろう。
大犯罪組織が、こんな奴を必要としているからだ。
しかも誘拐という、かなり強引な方法で。

「こんな貧弱な優男くんじゃなくても、もっと人柱はあったはずよ?」

呆れた目で睨んでくる彼女の視線を無視し、鳩尾を殴られ気絶している
『貧弱な優男くん』を抱きかかえた。
                        
「お前は何も分かっちゃいないな。 コイツがあの噂の『殺人道具』だぜ。」

「―――っ?!」

「俺も信じられないが、コイツがモナーのお気に入りの人形さ。」

ゆっくりと、はっきりとそう告げても彼女は信じられない、という顔をした。
そして、その綺麗な顔を不愉快そうに歪ませながらこう言った。

「じゃあ、コイツが私の弟達を殺したわけ?こんな男が?」

呆れた、とため息をしながら彼女は顔を背けた。
きっとプライドの高い彼女の事だから、泣きそうな顔を見られたくないんだろう。
ずっと殺してやりたかった相手が目の前にいるのだ。
だが、コイツはあの御方が必要としている。
殺す訳にはいかない。

俺だって、こいつが憎いよ・・・

本当は自分だってコイツを殺してやりたい。
多分コイツを憎んでいる奴は多いだろう。



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