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覚悟 2 (月面エステ)

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匿名ユーザー

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覚悟 2
「私はモララーです。早速で悪いのですが、貴女は自分の命が不要になった、と言う事でいいですね?」



ここはとあるレストランの1席、目の前にはスーツを着込んだモララー種の男が座っている。


あの時、私は死んでいるはずだった。


でも、死ねなかった。あの時、目の前の男が私の手を引いた。
なんとなく、窓の外を見る。
店内の照明を浴びて、琥珀色に染まったガラス、それを通して見る琥珀色に染まった世界。
その全てが私を必要としない、たぶん私が居なくなっても誰も悲しまないだろう。
外を通る全ての人が私の悪口を言っているような錯覚に襲われる。


「……もしも~し、聞いてますか~?」

突然掛けられた声にびくっと体が反応した。……心臓がバクバクいっている。
「あ、やっぱ聞いていなかった」
一体何を聞くというのだろうか、このおせっかいは。人が死のうとしているのに、何故無責任に止めるの。
そう、視線で訴える。それを知ってか知らずかモララーは再び質問する。

「貴女は命を捨てようとした。つまり、その命貰っちゃっていいですね?」

「へ?」
我ながら素っ頓狂な声を上げてしまった。何を変な事を聞くのだろうか。
命を貰う?殺すってコト?……まあいいわ、どうせ死ぬつもりだったし。
「いいわよ、別に」
そんな言葉が口から飛び出したとき、私は自分が本当に生への執着が無いことを自覚し、少しだけ驚く……が、すぐに自分に言い聞かせる。自分には死ぬ事しかないのだ、と。
「では、この写真を見てください」
こちらの絶望的な思考に対し、営業スマイルと陽気な声で対応するモララー。
言われるがままに、ガナーは写真を見る。
そこに映っていたのはモナー種の男、顔は中の上といったところか。
「で、この男がどうしたの?」
素朴な疑問をぶつける。すると、モララーは眼を輝かせ、まってましたとばかりに答える。

「その男と、お付き合いをして貰います」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

沈黙が、流れる。
モララーは答えを待ち、ガナーは答えを考える。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

更に沈黙。その沈黙を破るべく、ガナーは口を開いた。

「な、なんでそんな……」

うろたえながらの答えは声が震えていた。
「どうして?と聞かれましても……本人に会って直接聞いて頂かなくては」
困ったように答えるモララー。顔には苦笑を浮かべていた。
「絶対に嫌。なんで好きでもない男と」
動揺を隠すように声を荒げながら話すガナー。
「う~ん、気持ちは分かりますよ。そりゃあ誰だってコイツと結婚しろなんて言われても嫌がりますよね……私も嫌ですよ。ですが、こちらも商売ですからね。客のニーズに答えなくてはこちらも商売上がったりでして」
ため息をつきながらの説明。一言で表すのなら「諦めろ」
同じくため息のガナー。こちらも彼の言わんとしている事は察したらしい。
「……で、私はどこへ行けばいいの?」


「ま、何しろ会社が非合法ですから……未来に行って頂きます」

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