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この地がある限り (モルラ)

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匿名ユーザー

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最近この世界が馬鹿らしくなってきた。
なんて言うか・・・「なんで人って生きてるのか」っていうのか・・・。
別に生きてても、どうせいつかは死ぬんだしさ・・・。
・・・何鬱になってんだ、俺。

あーあ、今日も同じ「時」を過ごすんだろうなぁ。





とある街の一匹猫、ギコという少年が独り言を言った。
とはいえ、これが彼の口癖だ。
「はぁ・・・俺も早く死んだ方がいいかもな・・・」
やりたい事なんてないし、良いことだってないし。
「でも、痛い事ってやだよな・・・って、何言ってるんだ俺!痛い事がヤダなんて、ガキかよ!俺は15だぜ!」
そんな自分勝手な一日が過ぎようとしていた・・・。

・・・こ・・る?
「ん・・・?」
誰か・・・聞こえる・・・?
「え・・・何だ!?」
かすかな声がギコの頭に響く。
私の声が聞こえる・・・?誰か・・・っ!
「お、おいっ!お前こそ誰だっ!?」
ギコは誰もいない壁に向かって言った。
あ・・・聞こえたのね・・・。
声はホッとしたような穏やかな声になった。
私は・・・しぃ。助けて・・・!
「え、しぃ?でも助けてって・・・!?」
すると、目の前がいきなり暗くなった。
「何!?」
いきなり現れた一筋の光から、誰かが飛んでくるのをギコは見た。
「あれは・・・しぃ?」
助けて・・・っ!殺される・・・!
「え、あっおい!待てよ!」
しぃと思われる少女は、ギコの前を通過し、どこかへ消えてしまった。
ギコは少女を追いかける。
「くそっ、これどこまで行くんだよ・・・!」
カァッ!!
いきなり光り出したしぃに、思わずギコは腕で顔を覆った。
「うわぁっっ!!」



「ここは・・・?」
ギコの目に、緑色の大地が見えた。
しかし、ギコ自信はなぜか高い岩山に座っていた。
「何だ、ここは・・・」

「・・・そうか、もしかして俺、未知の世界に来たとか?」
冷静になってギコがそんな事を吐く。
「でも、どうしよう。あのしぃとか言う子、殺されるみてぇだし・・・」
しばらくそんな事を考えていた。

・・・コツン。
「・・・ん」
「あっ・・・」
ギコが見た人物。
背が高く、目が閉じきっており、薄い灰色の服の青年。
おまけに剣と長いふろしきを担いでいる。
彼自身も驚いている様子だ。
なんせこの岩山に、青いTシャツにオレンジで大きく「2」とかかれた服にジーパン姿の少年が座っているのだ。
これはただ事ではない。そう確信したのだろう。
「・・・キミ、どうしてここに?」
「え、あぁいや、別に怪しい者じゃないんだ・・・」
「あっ大丈夫、何もしないよ。聞きたいだけだから」
それを聞きホッとしたのか、ギコは今まであったことを青年に全て言った。

「・・・やっぱり、予想が当たってたよ」
「え、どういう事だよ?」
「うん、言おうか。僕もここにいる理由」
「おう・・・」

しぃは僕と同じ村で育った、たった一人の巫女。
ある日、この村出身のウララーって言うのが、何かしらあって、悪の帝王になってしまったんだ。
この世界を消そうと企んでいるんだよ!
ウララーを封印するには、その村の巫女の力が必要なんだ。
だから、昔から仲が良かった僕がしぃと一緒に、旅をしていたんだ。

「・・・で、そのしぃが・・・ウララーにさらわれたって事か?」
「そう、迂闊だった。しぃが殺されたら、世界がどうなるか分からない」
「・・・そうか」
「まぁ、これで、キミがここにいる訳が分かったよ」
「え、なんで?」

・・・しぃには、好きな人がいたんだ。
その人だけ、しぃのテレパシーが聞こえた。
僕から見ても、二人はすごく仲が良かったよ。
・・・でもその人は、もういない人なんだ。
ウララーに挑んで、殺された。
でも、しぃは彼が生きている事を信じて、ずっとテレパシーを誰かに送っていたみたいなんだ・・・。

「・・・それが聞こえたキミは、多分彼の生まれ変わりだ」
「そ、そうなのか・・・」
ギコが顔を赤くしたのを見て、青年は笑った。
「そういえば、キミの名前聞いてなかったね」
「俺?ギコっていうんだ」
「ギコか・・・。僕はモナー」
「ふーん」
「よろしく」
「あぁ、よろし・・・」
よろしく・・・?
「(・・・そっか、俺も戦わないと、なのか・・・)」
「あぁ、君戦った事ないんだ」
「え、まぁ・・・!? 何で分かったんだ!?」
「あーゴメン。僕、目が見えない代わりに超能力で全部分かっちゃうから」
「なるほど・・・。驚いてばっかでゴメンな」
それがおかしかったのか、モナーは笑った。
「ははっ、別にいいよ。あ、そうだ。君の武器、コレでいいかな?」
「どれ?・・・おっ、槍だぁ!!」
細長い布で覆われた物は、綺麗に磨かれた銀色に、先に赤い水晶が埋め込まれた、ギコには丁度いい長さの槍だった。
「どう?気に入った?」
「いいのかモナー?こんなすごそうな槍」
「うん。だって元々は君の物みたいな感じだしねぇ」
「なぁ、やっぱりコレ、名前とかあるのか?」
「うん、一応ね。『キーアイズスピア』」
知らない世界でギコとモナーは、運命的な出会いを果たしたのだった・・・。


「ウララー!もう・・・やめてくれ!一体どうしたんだよ!!」
「・・・弟のくせに口出しする気か?モララー」
空は闇に覆われ、見渡す限り荒れ地が続く。
塔の最上階からウララーは外を眺める。
どこまでも続くぐらい高く、立派な塔だ。
モララーは兄に手が出せなかった。
ウララーがそれほどの強大な力を手に入れてしまったからだ。
「元の兄貴に戻ってほしいんだな・・・」
そう言い、後ろを見る。
巨大なクリスタルが光輝いていた。
その中に少女が一人。
その少女こそ、しぃだった。
モララーはウララーに聞こえないほどの小声でそっとしぃに言った。
「大丈夫。必ず、必ずウララーから助けてあげるからな・・・!」


「な、何この空!ウララーの仕業なの!?」


「この雲行きは・・・俺達の出番じゃないか?」
「どうやらそうらしいな・・・」
「こ、怖いのじゃ・・・」


「風が変わった・・・ウララーが動き始めたか・・・?」


「アヒャ~、トウトウケイカクジッコウカ!?ウララーサマ!」


「あの噂は本当だったのか・・・ま、良いんじゃネーノ?」


「アルェー?空がおかしくないKA?」
「えぇ、風も変わってきました。何か不吉な予感がしますね・・・」


人々は世界の異変に気づき始めた。
また、戦士達もこの予感を察知し、動き始めていた。


とある崖の上。
「・・・モナー・・・」
黒い人影が一つ。ローブをかぶって顔がよく見えない。
ただ、口が笑っている事だけが分かる。
「俺は・・・お前に会う日を・・・楽しみに待っているぞ・・・」
すると、影は一瞬にして消え、風の音だけがむなしく響いていた・・・。

 続く

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