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召喚物語―終焉曲― ((・∀・))

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匿名ユーザー

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「夜勤さん…どうするんですか?」

この暗闇の中に2人の学者がいる。
この暗闇の部屋にはアルコールのにおいが充満しており、
まず、人は入らないだろう。

「どうするって…もう駄目です。放しましょう」
夜勤と呼ばれる学者は、
PCのキーボードのようなスイッチを押す。
「だからって!そんな事したら、世界はッ!」
「滅ぶ、だろうね」
夜勤が冷静に答えると、
学者の理性は切れた。
「貴様ぁっ!」
学者が夜勤を殴ろうとした瞬間、学者は倒れた。

「あなたが私を殺すなら、私はあなたを殺しましょう」
学者の後ろに存在する影にそう呟くと、夜勤は倒れた。
「あなたは、消えるッ」

この日、山奥にある研究施設のひとつが、謎の爆発を起こした。


煙が覆う研究施設の中から、ひとつの影が飛び出す。
その影を追うようにもうひとつの影が飛び出した。



1.
その研究所からそれほど離れていない村には不思議な言い伝えがある。

『闇から召喚されし二つの獣はまた闇にかえされる』
こんな言い伝え、信じるわけないだろう。
村人のほとんどは信じていなく、だんだん忘れていった。    
この池で釣りをしている少年『アル』もその一人で、
うさんくさいものを全て信じない。
この村に住んで100年という占い爺さんによく怒られている。
なぜ怒られているか…誰も知らない。
「あーあ。つまんねぇなぁ」
この少年はすべてをつまらないという事で有名だ。
そう言っていると、突然、釣竿が重くなった。
「大物かっ!?」
釣竿にかかっているものは動こうとしないので、簡単に釣ってしまい、
「はぁー。くだらねぇ」とアルは呟く。
釣られた小さい魚は、ビチビチっと動くだけだった。

「なんか、こう、グンっとくるイベントないかなぁ」
     『叶えてやろうか?その願い…』
どこかから、そんな声がする。
「だ、誰だよ?」
     『叶えてやる、と言っているんだ』
「だから、誰だって、聞いているんだ」
     『そんな事、どうでもいい。はやく、YESか?NOか?』
「よーし。何でも叶えてくれるんだな?なら凄い事を起こしてくれ!」
返事はない。いや、返事のかわりに遠くから、声が聞こえる。
       「獣が!獣が人を殺したぞー!」
「!!」
アルはびっくりする。獣?なぜ獣がこの村に?
この池は村からかなり離れており、アルは急いで村へ行く。

「なんなんだよ…?これ…」
アルが村に着いたときには、もう人がいなかった。
家はぼろぼろ。いたるところに血らしき赤いものが…。
だが人の死体はなかった。
「これが…俺の望んだ事なのかよ!」




池に行くと、小魚は死んでいる。
青い大空に向って、俺は叫んだ。
「元に戻してくれー!!」
3秒ぐらいあとに、あの声が聞こえた。
       『お前の望んだ事だ。私には…関係ない』
「何だとぉっ!」
       『私を殺したければ、旅に出ろ』
「今、ここで勝負をしろ!」
   返事をなかった。

そして、俺は村の門にいる。
絶対に奴を倒す。それが、この旅の目的。

そして俺の旅が始まった。

2.
旅立ってから、3日。
今、アルは大陸一の科学都市『ミライ』にたどり着いたところだ。
「ここが『ミライ』かー…面白そうなものがあるなぁー」
アルが歩いている人達に話しかけると、その人達は親切にこの都市について教えてくれた。ただ、その人達はかならずある事を言った。その事とは…
「南には行かないほうがいい」と、注意するのだ。
だがアルはそういう感じの所が大好きで、もう行こうとしている。
「君、南に行くのかい?」
突然話しかけられびっくりすると、アルは話しかけられた方を見る。
話しかけた人は茶色っぽい体で、毛がフサフサしていた。
「み…南に行くけど…」
「じゃあ、俺も行っていいかい?」
「いいけど…君は?」
「俺の名はフサ。ちょっと南の方に用があってね。でも、あそこらへんは奴等がいるんだよ」
「奴等…?」
「行けばわかるよ…って、来たッ」
フサが突然叫ぶと、あたりの人達が逃げていく。
フサの指向けた方向には、バイクに乗った者がこちらに向ってくる!
ビュンっととばすバイクは、明らかにこちらをひこうとしている!
「あいつ…俺を殺す気かよっ!」
アルがバイクに叫ぶと、奴は「シネェッ」と言って来た。
アルは激怒し、懐に入れておいた石をミラーに投げる。
しかし投げた石は、ミラーでなく奴のヘルメットにあたり、
バイクは急停止した。
「ナニスンダッ!チクショウッ!」
奴はヘルメットをはずし、こちらにやってくる。
すると
「あ」
フサがポカンとする。フサを見た奴も
「ア」と声を出す。
「つー!お前、族に入ったのかッ!?」
フサは、つーという赤い奴を怒鳴りつけた。

3.
「…で?お前は族をやめたのか?」
今、アルは警察署の一室にいる。
「石投げただけで、警察署行きかよ…だがフサが警部だとは驚いたなぁ」
実はフサが警部なのも驚いたが、つーがフサの妹という事にも驚いた。
フサの妹であるつーの前には美味しそうな火星丼が置かれている。
しかし、つーは火星丼を食べようとしない。
「…妹であるお前を疑うわけじゃないが…。
お前の入った族は様々な悪事をして、もう『取り締まる』だけじゃすまされないんだぞ!そもそも、お前、族のリーダーらしいじゃないか!」
フサはつーを問い詰める。
ついに我慢の限界に達した つーは、ついに反論する。
「ソンナノ、勝手ダロ!兄貴ニハ関係ナイネ!」
「俺は『警部』としてお前と話しているんだッ!はやく言えよ!お前は族をやめたのか?やめたんだな?」
つーは、黙っている。
「いい事、教えてやろうか?お前ら暴走族のアジトにな、3日後…特殊警察官部隊が乗り込む事になってるんだ。よかったな。お前は助かったんだぞ?」
つーは、火星丼を後ろに放り投げた。
「ナンダト?ソレハ本当カ!?ソンナ事、ヤラセルカヨ!」
つーは、この部屋を警備していた警察官3人を拳でふっとばし、
そのまま…行ってしまった。
後ろに投げられた火星丼は見事アルに当たり、アルは
「うわぁ…」と嘆いている。
「…ったく世話の焼ける妹だ…」


「しっかし、今日はいろんな事が起きたなぁ」
アルは旅館の一室で、そう思った。
一応、旅立つ前に村にあるありったけのお金を集めておいたので、
並以上の旅館には泊まれる。
もう外は夜になっており、もう外は静かだ。
「結構、旅立ってよかったかもな」

資金を集めるためにアルはバイトを見つけたようで、
「明日は仕事かぁ。ドキドキするなぁ」と胸を躍らせている。

「さて寝るか」
こうして科学都市の一日目は終わった。

4.
「ふぅ。終わった終わった」
アルはコンビニの中から出た。
実はアルの見つけた仕事というのは、コンビニのレジ係なのだ。
もう時間は夕方になっており、アルは旅館に急ぐ。
何故なら、旅館の夕食時間が過ぎてしまうからだ。
そこの旅館は夕食を決められた時間に出す、というのが決まっており、
1分でも遅れたら、夕食はないのだ。もちろんお金は返されない。
それもコンビニから旅館まで距離があり、急がなくては間に合わない。
(何でこんなに遠いんだ…!?)とアルは疑問に思いながらも、
もう人気のない商店街を突っ切る…と思ったら、
何だかすごい悪そうな自分と同年齢の奴が話しかけてきた。
「なぁ。あんた、俺と同じ年齢だろ?俺を助けると思って金貸してくんない?
俺さぁ、今、金が無くて困ってるんだよ…」
「な、ないよ。今、金がない」
「嘘つけ。ポケットからはみ出してるじゃねぇか」
アルがポケットを見ると、給料のお札が封筒からはみ出してるじゃないか。
(間に合わないよ…夕食…)アルがお腹をおさえると、
       グゥ…
と音が鳴り響いた。
(腹がぁ…)


5.
(腹がぁ…)
アルの腹はもう限界で、少しでも動いたら気絶してしまいそうである。
二人とも、無言が続く(といってもアルは空腹で喋る気力がないのだが)。
この沈黙を破ったのは不良の言葉だった。
「さて…早く、貸してくんないかなぁ?カ・ネ」
(貸すのは、たやすい。でも…何もしないでやるのは、プライドに傷がつく)
「早く」
(どうする?)
「もしかして…俺のこと、なめてんの?」
(そういう訳じゃないが…しかたない、あそこの鉄の棒で気絶させるか)
アルは、腹をおさえながらも、肉屋の前に置かれた鉄の棒を素早く取る。

本当の空腹になるには、あと3分。
ここから旅館に戻るのは、走って2分かかる。
ということは、1分で片付けなければならない。

「…ふーん。ヤルみたいだな?ま、殺さない程度にしてやるよ」
不良が襲い掛かってくる。奴は武器を持っていない。
勝てる、とアルは一瞬、そう思った。

「…っく」
不良の拳がアルの腹に命中する。腹がへっているので、余計に痛く感じる。
「『空想空手 波動』結構、痛いだろ?」
奴の言う空想空手はスキがない。
鉄の棒をフッと振り払い、腹にめがけて拳を当ててきた。
それは、たった1秒のことである。
さらに、よく考えてみると拳は直接、腹に当たってなかった。
波動…のような物があった、としか考えられない。
(コイツ…タダもんじゃねーな)
アルは鉄の棒を恐る恐る構えた。
「…空想空手!」
不良が叫びながら、拳を前にして突進する。
(…クッ)アルはパッと目をつぶった。
・・・・・・・。
攻撃がこない。アルは鉄の棒を握り締めながら目をあける。
倒れているのは、不良だ。
それも、不良の背中が当たっている店のシェルターが壊れていた。

(な、何が起こったんだ!?)アルがパニックに陥っていると、
勝手に不良が起き上がり解説する。
「いやぁ…アンタの『カウンター』凄いねぇ。俺のレベルじゃ勝てないよ。
先程は失礼いたしました。この『空想空手 極の書』をあげますから、
許してくださいぃぃ!!」
不良は返事も聞かずに逃げていった。本を残して。
(…しかし、カウンターが何故、出来たのだろうか?目をつぶったからか?)
アルは疑問に思いながらも、旅館へ急いだ。


6.
「買っちゃった」
アルが書店の出入り口から本を持って出てきた。
本には『これを読めばサイキョー』という帯がついてある。
本の名前は『空想空手 空の書』。

「おもしろいからなぁー、これ」

数十分前
「あぁ…間に合わない」アルは最凶の空腹で走れない状況に陥っていた。
しかし、神はアルを見放しはしなかった。
「…ん…?」
近くからとてもおいしそうな匂いがくる。
「食べ物かッ!?」
曲がり角をぐっと回るとそこには、ラーメンの屋台があり、
すぐにアルはラーメン屋の席につく。
「らっしゃいっ」大将が笑顔でアルをむかえた。
「何にします?」
「…醤油…2杯」

数分後、アルの前にだされたラーメンは少しだが輝いているように見えた。
ツルツルツルっと、麺を食べると、アルの胃袋にしみこんでいく。
「うまいっ!うまいっすよ、大将!」
「いやぁ、よろこんでいただいて、嬉しいですよ」
「よしっ!スペシャル醤油を1杯!」
アルはスペシャル醤油といわれるラーメンを注文すると、大将が、
「これは、ちょっと時間がかかるんですよね」
「あ、いいよいいよ。OK」
屋台から出て行った。
「んー、待っている間が暇だなぁ」
アルがぼぉーっとしていると、不良からもらった空想空手の本を思い出す。
「読んでみるかぁ」
空想空手の本を読み始めた。








「あぁ、買っちゃった」と、アルは空想空手にはまってしまったわけである。

手を犬に向けて、「波動!」と叫んだら、犬が気絶してしまったというのは、
内緒だが。



7.
旅館へ帰る途中、細い裏道でアルは変な奴らに会った。
一人はまじめなようだが不真面目で、もう一人はツッコミを絵に描いたようなやつだ。
なんでこいつらに会ったか?それは運命というやつ。
「あんたも、空想空手をやってんのか?」とPCを持っているやつが。
「兄者も偉くなったな。妄想が空手になるなんて」
「ふははは、弟者よ。兄をしたうがいい」とPCを持つ兄者が自慢げに話す。
(正直、ついていけん…)アルはそう思いながら、二人の会話をきく。

「とりあえず!空想空手をつかうやつを今、必要なんだッ!ついて来い!」
兄者がアルの腕をつかみ、走り出す。アルはただ走る事しか出来なかったのだ。

「あのぉ…なんなんでしょうか」弟者が、アルの疑問を解説する。
「…驚いてるのはわかる…俺らのコードネームはSASUGA兄弟。流石とでも呼んでくれ。
ちなみに、こいつは俺の兄者。空想空手をつくった馬鹿だ」
「おいおい、馬鹿はないだろ」
「スマンスマン。で、俺らの仕事は世の中の悪を殲滅する仕事なのだが…相手が凶悪でな。
人手を必要としている」
かなり電波のはいった事をスラスラと話す弟者にも驚いたが、兄者が空想空手をつくった事にも驚いた。
「その凶悪な奴らって?」アルはノリで質問する。
「暴走族だ、リーダーが抜けたらしい。警察のフサ警部からの依頼で、奴らを捕まえようとしているのだが、
なんと、我らの妹が捕まってしまった…!俺らは手出しできないからほかの奴にやってもらおうと思って」
(たしか2日後のはず…この事をつーは知らないハズだ)

気づくとアルは、廃墟のビルの前にたどり着いていた。そこらへんの立て札に汚い字で
『夜露死苦 こちら偉大なる暴走人の城 笑』と書かれている。つまり暴走族の本拠地。
「で、俺にどうしろと」アルは涙目で、聞き返す。そりゃそうだ、暴走族と戦うのだから。
「んー、新しいリーダーを倒すついでに妹を助け出してくれ。あー、援軍は来ないと思ってくれ。
極秘だからなぁ」
(あとでコイツラも殺すっ!)アルには復讐の心が芽生えようとしていた。

――――ん、本部か?こちらフサ。これから廃墟のビルに乗り込む。特殊部隊を送ってくれ。



8.
ビルの中に入ってから何分経っただろうか?
暴走族の下っぱが何人もアルに襲い掛かったが、アルの『波動』には勝てなかったようである。だが、虫のように下っぱが何度も出てくる。

「えーいッ!波動、波動、波動、波動ぅッ!」
計4回の波動が下っぱの腹に直撃し、言うまでも無く下っぱは気絶した。

8方向から敵が襲い掛かっても、
「虫のようにぃッ!」アルがしゃがんで足を出しながら1周すると、あっという間に8人は倒れていく。下は流石に防御できないのだから。

今度は上からの襲撃だ。だが、相手が着地するタイミングに合わせて、
拳をつきだせば簡単に気絶した。
「ったく、多すぎて前へ進めない!」アルは走り出す。
だが、アルはミスを犯していたのである。
走っていると前だけに集中してしまい、後ろからの攻撃に気づかないのだ。
これに気がついた下っぱは、早速、後ろから追いかける。
アルは気づいていない。

(ざまあみろ!)下っぱが勝利を確信し拳を構えた瞬間、
突如下っぱは横から攻撃され、壁に押し付けられる。
一瞬赤い影のように見えた姿。
「弱イママダゼ。俺ガ抜ケタラモット弱クナッテンジャネェノ?」それは、元族頭のつーの攻撃であった。
「つーさん!」下っぱがつーに、叫ぶ。

「つーさん、俺たちを置いてやめないでくださいよぉ!アイツが、リーダーになってから、他の奴らは変になっちまって…俺もついさっきまでは…」
「アァ。大丈夫ダ。事情ハ聞イテル。ダカラ・・・」
つーの後ろから、ぞろぞろとさっき倒した下っぱ達がつーを中心にして並び始めた。

「ツイサッキ、仲間ニシタ所ダ」
つーの言葉に返事するように、下っぱ達が大きな声で一言叫ぶ。
      「オッス!」と

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