モナー小説掲示板ログ保管庫@wiki(´∀`*)

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だれでも歓迎! 編集
<プロローグ1>

その日は8月だった。蒸し暑く、でも空は晴れていて、月は円く光っていた。


学校で仲の良い友達と自分。あわせて5人。今日は夏の恒例イベント



「肝試し」



が行われる。皆は、気分を盛り上げるため怪談を話していた。 …俺の部屋で。


ただでさえ暑苦しくムシムシしている狭い部屋に、5人がぎゅうぎゅうに入ってい


るのだから余計に暑い。とろけそうなくらい暑い。


「なんでお前ら俺ん家に来るんだよ! 」


と、ギコが怒鳴りつけた。


「だってギコが来るの遅いからいけないんだモナ。」


「ったく。15分も来ないから心配してきたのに…」


それに反論するモナーとモララー。


「ソレナノニタダノイネムリダッタトハ…シィニダメナトコロヲミセテシマッタナ。アーヒャヒャヒャ! 」


ギコにちょっかいを出すつー。


「ぅ…うるせぇっ! お前だってこの間授業中寝てたクセに!!! 」


「ナ…ナンデシッテル!? 」


「兄者情報。」


そのうち言い争いになる2人。


「まったく…なんでいっつも喧嘩になるのかしら。」


ため息をついて呆れているしぃ。


「良いじゃない。会場はここから近いんでしょ。モナー君。」


「そうモナ。」

 
その会場とは、ギコの家の前の道を100メートルほど進み、そこを左に曲がった


ところにある竹やぶである。


「む…しぃがそう言うなら…」


「シィガナニカイウトアッサリダナ。サスガシィノコトヲスキ…」


ギコがその言葉をストップさせた。 …回し蹴りで。


「どぉりゃああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


ものすごい勢いでギコが走ってきて、つーに回し蹴りを食らわした。


ゴスッ…


鈍い音がした。


ギコの足の甲がつーの頭にクリーンヒットし、つーは前にのめり込んだ。


つーの頭にはでっかいたんこぶができていた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<プロローグ2>

約1時間後……


気絶していたつーが目を覚ました。


「マッタク、ヒドイメニアッタゾ! 」


つーの頭にはいまだにたんこぶが付いている。


「誰のせいだよ! 」


モララーが2人の間に割って入った。


「まあ、良いじゃないか。早速あの…」


―――――闇の竹薮―――――


「へ行こうじゃないか。」


闇の竹薮とは、学校のクラスでついた名前。今回の会場になる竹薮のこと。


「そうそう。早く行くモナ! 」


「アーヒャヒャヒャ! タノシミダナ! 」


「でも私、怖いかも…」


としぃ。


「大丈夫だって、もし何かでてきたら…」


「ナイフデヤツザキニシテ、テツパイプデナグッテ、ゴミショリジョウニモッテク! 」


「そんなことするわけ無いだろ!!!

だから、俺が…」


ギコが言いかけた時、


「マモッテヤル! 」


「あーーーっ!!! もう! 俺のセリフを取るなぁぁっ! 」


「そこの2人、漫才してるヒマは無いんだ。さっさと行くぞ。」


モララーは少しイラついてる。怒ると怖いのでギコとつーもさっさと家を出た。


外に出た。やはり家の中も外も変わらず蒸し暑い。


しぃとモナーは先に行ってしまったらしい。


「ギコーーー。」


誰かがギコを呼んでいる。


「あ、母さん。」


「ギコ、気を付けて行って来るのよ。」


やっぱりお決まりのセリフ。母さんは何かと心配性なんだな~。


とギコは思った。


「わかってるって。8時までには帰るから。」


「………行ってらっしゃい。」


「いってきまーす」


ギコは元気に挨拶をし、皆の後を追った。


母の目からギコの姿は見えなくなった。


「…ふぅ。ホントに大丈夫かしら。」


ギコの母はカンが良い。そしてその母が


―――――何か悪い事が起きそう―――――


と思っている。やはり何かあるのか。


そしてしぃもそれを感じ取っていた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<第1話>


5人はその「闇の竹薮」の前に立っている。


「う~~~ん…」


何か悩んでいるモナー。


「とてもじゃないが…」


モナーに付け足すように言うギコ。


「ハイルノモタメラウヨウナ…」


あんなに強気だったつーも、不安そうに言う。


「何だこの昼との違いはっ!!! 」


何故か怒るモララー。


その竹薮は、昼でも少し怖いが、入るのなんてラクショー! といった感じ。


上からはかすかな光が届き、かわいらしい小鳥がさえずっていた。


しかーし。


今は昼とは裏腹に、竹薮の中に月の光は届かず、気持ち悪い謎の鳥の鳴き声(ってい


うかうめき声? )が轟き、竹の背も3倍くらい大きく見える。


「…私、こんな所入るのいや…」


しぃが顔を青ざめさせながら言う。


「俺も賛成。入りたくねぇ…;」


珍しくギコも怖がっている。


「カッ、カユイィィー!!! 」


集団で飛行する蚊にさされ、ボリボリと腕をかきむしるつー。


「無理モナ! 絶対無理モナ! モナは行かないモナぁ! 」


震えるモナー。もうすでに少しパニック状態。


「お前らそれでも男かぁ!? (しぃを除く。)まぁ、つーはよくわからないが。」


「オレノセイベツガワカラナイナンテ、モラモマダマダダナ! アーヒャヒャヒャwww」


(ムカッ! )


つーの高笑いにむかつくモララー。


「それなら…優勝者にはこれをやろう! この間新しく出た…


ゲームだっ…! 」


「よっしゃあ! その話、乗った!」


「ええっ!? ギ、ギコが行くならモナもいくモナ!」


「みんな行っちゃうの!? …それなら私も行く。」


「オレモイクゾ! アヒャヒャヒャ! 」


ということで肝試し続行が決定。これからどうなるのか…

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<第2話>


とりあえず竹薮の中に入るギコたち。


「あれっ…」


何かに気付くしぃ。


「これって…『危険 立ち入らないこと。』」


なんと立ち入り禁止の看板。


「なんかお約束(?)過ぎないか…? 」


ギコがストーリーの展開に気付いてしm…ではなくて。


「まあいいだろ。俺は立ち入り禁止の所に入って危険だったことは無い。」


本当か? モララー……


「……………」


やはりうつむいたままのしぃ。


「と、とにかく入るモナ! 」


5人はガサガサと背の低い草をよけながら、竹薮の暗い闇の中へ消えた。


「ぅっわぁ~…暗いモナ…」


竹薮の中は、かろうじて5メートル先が見えるくらいだった。


5人は1列になって歩いた。


「それにしても…」


モララーがつぶやいた。


それに続けてつーが


「サッキカラナンダカ…キリガデテキタ…」


周りをみると、確かに霧が出ていた。真っ白で、綺麗な霧だった。


まるでその綺麗な霧に吸い込まれそうだった。


しかし、その霧は、5人の視界を更に悪くした。


「うわ…もうほぼ先が見えない…」


しぃが言った。


「もう出よう。これ以上ここに居ると危ないぞ! 」


ギコが後ろのモナーたちに叫ぶようにして言った。


「そうだな。」


モララーが返した。


「もうモナも出たいモナ! 」


モナーが返した。


「そうしたほうが良いみたい。」


しぃが返した。


「モウデルノカ? ツマラナイナ! アーヒャヒャヒャ! 」


つーも返した。


そのうち、最初入ってきた場所に戻ってきた。


月の光が、より一層明るく感じられた。


「…モララーガイナイ…」


いち早く気付いたのはつーだった。


「!? 」


ギコとしぃの顔が青ざめた。


「モナー君もいない…」


しぃも、モララーとモナーがいない事に気付いた。


ギコたち3人は鼓動が早まり、息が詰まった。皆死にそうな顔をしていた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<第3話>


モララーとモナーがいなくなった日は眠れなかった。


そのことをすぐに母さんに知らせた。モナーとモララーの家に電話もかけた。


だけど、次の日も2人は帰って来なかった。


クラスで捜索活動もした。


でも2人は見つからなかった。


そして今日も捜索する。


「モナーーーーーーっ! 」


「モララーーーーーーーッ! 」


「モナー君! どこー? 」


皆、連日の捜索活動に疲れきっていた。


そして皆、絶望していた。


そんな時だった。


「!? …」


つーが何か発見した。


「つー!? どうした!? 」


近くにいたギコが駆け寄った。




モナーだった。



ほとんど動かない。顔に白い粉がわずかについている。


その後モナーは病院に搬送された。


奇跡的に一命は取りとめた。しかし、まだ意識不明のままだった。


無音の病室に心電図のピッ、ピッ、という音が響いていた。


「良かった。見つかって。」


ギコが独り言のように話す。


「モラモミツカルトイイナ…」


つーも寂しそうに話した。


その数日後、モララーも発見された。


竹薮のほぼ中心部で見つかった。


顔や体には白い粉が、モナーよりだいぶ多く付いていた。


そして、





死んでいた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<第4話>


今日はモララーの葬式。白黒の横断幕が会場に張り巡らされていた。


いつも元気でズボンばっかりはいてくる、どこのクラスにも1人はいる男勝りな


女子も、今日ばかりは黒いスカートをはいてきた。


皆泣いた。


皆悲しんだ。


皆寂しがっていた。


泣いた所を見たことが無いつーも、泣いていた。


あれだけモララーをバカにしていても、やはり友達なんだ………


しぃを含む何人かはショックで寝こんでいた。


それでも葬式だけには来ていた。


警察は事件性は無いと、捜査はしなかった。


皆そう思っていた。


3人を除いては。


葬式の帰り道――――――――


「…おかしい。これは事故とかそういうのじゃない。」


「ナ、ナンデダ? 」


「そっ…そうよぉ…どう見たって、私たちの責任。私たちのせいよ…」


みんな鼻声で、しぃはまだ半泣きだった。


「みんな見ただろ、あの白い粉。助かったモナーは少し。死んだモララーは…」


「タシカニ…」


「それに霧。あの白い綺麗な霧。あの霧と白い粉は同じ色だ。」


「それで…何なの? 」


「ぃゃ~…その先は…」


「ワカラナイ…ダロ。」


「ぐ、またしてもセリフをっ」


「こんな時にまで漫才しないで!!! 」


しぃが怒って言った。


「…ごめん。」


「とにかく、3日後また会いましょう。それまでに、何か調べておくから。」


「わかった。」


「ソレジャ、ギコノイエデナ! 」


3人は、それぞれ自分の家に帰っていった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<第5話>


そしてその約束の3日後……


一同は学校の教室に集まっていた。


「ちゃんと調べてきたわよ! 」


「俺もだ。」


「メズラシイナ…ギコガチャントヤッテクルナンテ…」


「うっせぇな(怒)」


3人は資料の本をぺらぺらとめくり始めた。


しぃはページが黄色がかった古い本を見ている。


「俺もちゃんと調べなくては…」


ギコもまた、白くて整っている、小さめの本を手にした。


紙が下の紙をはじく音。つまりページをめくる音がする。


………………………


特に目に付く記事は無かった。


ギコはその本を近くの、友達の机に置いた。


しぃの机、その隣の机に山積みにされた資料の、一番上から本を取った。


そのままでは届くはずがないので、机の上に乗った。


ギシ…ギィィィ…


机は本とギコの重さで、悲鳴を上げていた。




ガッコーン!




机の両脇にある止め具のボルトが外れ、ギコは本と共に教室の床に落ちた。


…しぃとつーも巻き込んで。


「いったー…もう…何やってんのよ! 」


しぃが怒鳴った。


「イテェジャネーカ! コロスゾ! 」


つーは暴言を口走る。


ギコは、顔の上にかなり大きい、しかも年代物の本がかぶさっていて、


とてもじゃないが喋れなかった。


「ぅーっ…」


ギコの口からうめき声が漏れた。


「ぶはっ! 」


ギコはやっとの思いで重い本を顔からどかした。


「…!? ……………」


ギコは、はっとしてその本の内容を読んだ。


「これは……」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<第6話>


物語だった。題名は


「霧姫」


読んだことは無いのだけれど、どこか懐かしい。


何故か目を引き付ける、不思議なお話――――


昔、誰も知らないような山の奥に、1つの小さい村があった。


その村でも更に村の端の寂しい場所に、


「霧」


と言う女の子が、お母さんと2人で暮らしていた。


霧は、あまり笑わない子だった。しかし、笑ったときの笑顔は、


まさに天使のようだった。


霧が12、13歳位のとき、突然 霧は竹薮に行ったっきり帰って来なかった。


それっきり、その竹薮に足を踏み入れた者は


顔や体に白い粉を付けて死んだ。


それが、「霧の呪い」である。


唯一1人助かった霧のお母さんは、竹薮の中に、


自然現象の霧を操る子を見たという。


人間の霧は、死んで、自然の霧を操る


「霧姫」


になったのであった。


―――――――――――――――――――――――――――終わり。


「ナンカ、ソックリダナ。モラガシンダノト。」


つーが口を開いた。


「やっぱり、顔に白い粉付けてたってあたりが特に。」


やはり白い粉が気になるギコ。


「き…霧姫の呪い…?」


おびえるしぃ。


「…謎を謎のままで終わらせるのはつまらないからな。」


ギコが言った。


「絶対その謎を解く。それから霧姫を成仏させたる! 」


「ジョウブツハイラントオモウガ…ギコニサンセイ! 」


「ええ~~っ!? 私たちまで呪われるよ! やめようよ…」


「だめだ。これだけは許せん。とにかく明日俺ん家集合! 」


「大丈夫かな…」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<第7話>


3人はギコの家に集合していた。


「で、どうする?」


しぃが言った。


「まず最初に…」


しぃに答えるように言うギコ。


「最初に?」


また問うしぃ。


「イショデモカクカ。 」


もはや夢も希望も無いつー。死ぬのは覚悟しているらしい。


「そ…そうだな……遺書でも書くか…」


あれだけ元気があったギコも青菜に塩状態。


ペンを持つしぃとつー。


(@-@)しばしお待ち下さい。(・γ・)/


「さらさらさら~っと。書けた。」


ペンを走らせおわったしぃ。


「アハハ、俺たち何やってんだろwww」


3人の見事な落ち込みっぷり、絶望っぷりに、部屋は


加齢臭(つまりはオッサンの臭い)がしてくるほどだった。


(※3人はぴっちぴちの12歳です。)


「トリアエズ、アシタニデモモ、ナノオミマイニイッテクルカ。」


その嫌な空気の中、つーが口を開いた。


「賛成! 」


とりあえず3人は、モナーのお見舞いに行くことに。


(最後になるかもしれないし。)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<第8話>


真っ白な病室。


ここは、モナーが入院している部屋だ。


やっぱり暑い。病院だから空調はしっかりしているものの、


むしむしとした嫌な感じがする。


「よっ! モナー! 」


意識は戻っていないのだが、何故か声をかけてしまうギコ。


モナーの寝ているベッドの隣にある、低い丸いすに腰掛けた。


「まってろ、今すぐ霧姫を…」





キリヒメ…?



ワタシノコト?



ワタシハネェ…






「キリ」ッテイウンダヨ






ワタシヲドウスルノ?



ワタシニハムカウナンテデキナイヨ。



―――――コロスヨ。―――――



どこからか聞こえてくる声。


ああ、なんと気持ち悪いんだろう。


血の波に揺られているような感覚。



はっと我に返る3人。


「…!? 」


モナーの体が霧の色に染まっていく。


それにつれてモナーの息は荒くなっていった。


……………………………………………………………………………


がくっ


モナーの首が傾く。





モナーは死んだ。


呪いで死んだんだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<第9話>


モナーが死んだ。


その瞬間、窓が外側に思いっきり開き、強風が吹きつけた。


部屋の内から外へ。


霧姫がモナーの魂をつれていくようだった。


レースのカーテンが揺れる。


外はまだ明るかった。雲一つ無い青空。それでいて蒸し暑い。


あの日の晩のように。


「フフ…」


にやけるつー。


一歩で窓のふちに飛び乗った。


「な、何を…! 」


つーの突然の行動に声を張り上げるギコ。


「ジャアナ」


つーの体が宙を切り裂いて落ちていく。


どしゃ。


嫌な音だ。


何が起こったんだ。


死んだ?


死んだ?


死んだ…?


死んだ…


死んだ


死んだ。


死んだ。


死んだ。


死んだ。


死んだ。


死んだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<第10話>


「……」


呆然と立ち尽くすしぃとギコ。



しぃはギコのうなじをつかんだ。


「いい加減にしろやアホォ…(怒)」


ギコの心の内↓


いや、何!? しぃ!? 君、ホントのホントにしぃ!? 


ちょ、ま、やめて? 苦しいんだけど。


ていうか俺のせい!? 何故に!? 


あ、もう、まじで。首しめないで。死ぬ。ギチギチいってるって。


はっ、と我にかえるしぃ。


「あっ、ゴメーン! ショックのあまり首しめちゃったwww」


と、しぃの手の中から開放されたギコ。


「(とうとう壊れたか…)」


その前に…



つーの心配はしませんか…?



「……………………」


はッ!


「つーッ!!!!!! 」


窓の下を覗きこむと、ちょっとした人だかりができていた。


「やばいよ! シリアスなストーリーにあるまじき事だよ! 」


…………………………………………………………


結局つーは死んだ。


その時も突風が吹き、その風は例の竹薮の方へ。


また霧姫にもっていかれたんだな……

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