「しぃを・・・かえ・・して・・」 「さっきからこのセリフばっかだな・・」 「おっきい兄者!」 妹者がどたばたと上へ上がってくる。
「どうした、妹者。」 「お客さんなのじゃ」 「だれだ?」 「モナーと名乗っているのじゃ。」 「そうか。あがっていいぞといっておいてくれ。」 時刻は深夜2時。
――ギコの意識内。 「なんだこの塔・・・」 「ふははははははははは!あがってこいよ!」 「え!?」 「そうモナそうモナ!」 「あひゃひゃ!切り刻んでやるよ!」
「おれのFMVで貴様のデータは丸分かりだ。」 「流石兄者!」 「な・・・!モララー?モナーに・・つー・・!流石兄弟・・・!?」 ギコは恐怖した。
しかしほかに道はなさそうなので覚悟をきめて塔に入った。 中は大理石づくりのひろい部屋で宮殿のようだ。 「ひろいな・・」 「こっち・・・こっちモナ・・」
「アヒャヒャ!」 「モナーに・・つー!?なんなんだこの声は・・!」 現実世界――――。 「そのしぃの手紙見る限り・・ギコをこの町からだして、隣町のENTER
CITYに移すべきだな。」 兄者が提案する。 「そうだな。さすが兄じ・・」 「うああああああああああああ!!」 「なんだ!?」 ギコが突然悲鳴を上げる。
「やめろおおおおおおおおおおお!!モナー!!!」 「モナ!?モナなんか悪いことした!?」 バン!!扉が開く音。 「んなんだ?」 「ぬるぽ」
「アヒャ!誰の声?うるさいねぇ!」 「ギコの声よ!」 「ぼるじょあ、山崎につー、レモナさんだ!」 協力してギコを山崎の運送用トラックにのせる。
「山崎!ENTER CITYにゴー!」 ぼるじょあが怒鳴る。 「ぬるぽ」 エンジンがかかり荷台がゆれる。 「うああああああああああああああああああああ!」
トラックの荷台にギコの悲鳴が響き渡る。 「とばせえええええ!山崎ぃぃぃぃ!」 「ぬるぽ!」 トラックは猛スピードで町をあとにする。 深夜 4時30分。
ENTER CITYの4丁目にある山崎運送の休息場所――――。 「はぁ・・・はぁ・・・」 「すこしは治まった様ね。」 レモナがほっとする。」
「ったく、うるさい野郎だぜ。」 モララーがいう。 「兄者。」 「どうした弟者。」 「この町にゃウララーがいるらしいよ。」 「それがなにか?」
「いや・・その・・なんでもないや。」 「? へんなやつだな。 ハァハァ・・・。」 フサは心のなかで思った。
(ギコがこんな状態なのに変なHPみてハァハァしてるお前のが変な奴だ)と。 ギコは違う意味でハァハァしてる。まぁなんでもいいのか。 朝8時―――――。
「しぃーーーーーーーーーー!!!!」 がばっ!ギコはとつぜん起きた。 「びっくりした・・・いきなりすぎだぞ。」 「まったくだよ。」と兄者。 「オマエモナー。」
「なぜだ。」 「おまえ寝るときもハァハァいってめっさウザイからな。」 「ウザイっつーか氏んでほしかったな。」と弟者。 「んだと?なんか言ったか弟者。」
「空耳だ、兄者。」 「いや!確かに聞こえたぞ弟者ァァァァァ!!!」 「ギャース!」 「あああ!おっきい兄者もちっちゃい兄者もやめるのじゃー!」
「オレは・・・いったい・・?」 「路地できぜつしてたんだよ。それを俺らが見つけて、しぃの手紙どおり、ギコを違う町へ移動したってわけだ。」 「ここは・・・?」
「ENTER CITYの山崎運送の休憩場所だよ。」 「そうか・・・しぃ・・。」 続く
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