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信じること

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あなたは嘘を嘘と見抜けますか?

作:中級

2005/03/30(水) 13:21:49

とある町の一角に会話をしながら歩いている黄色と桃色の2人のAAがいる。
それは誰の目から見ても何の変哲もない、ごくありふれた風景だろう。
だがその風景も束の間でしかなかった。
突然「ビュウ!」と言う轟音と共に2人を突風が襲った。
「急に…何なんだ。」
すると桃色のAAがバランスを崩す。
それを見た黄色のAAは「しぃ!」と名前らしきものを叫び、そのしぃを抱き抱える。
だが体勢は直らずそのまま転倒し、身動きが取れなくなってしまう。

暫くするとその突風は何事もなかったかのように治まっていた。
それを感知したしぃは立ち上がり、黄色のAAに手を差し伸べながら礼を言う。
「ありがとうギコ。助かったよ。」
ギコと呼ばれたAAは照れくさそうにしているが、どこか辛そうな表情をしている。
よく見ると肘を怪我している。無論しぃを助けた時に付いたものだ。
そんなギコを見てしぃはハンカチを取り出してギコの肘に巻きつける。
そして2人は再び足を進め始めて行った。1つの胸騒ぎを残して…。
「一体今のは…何だったんだろう…。」


ここは大型匿名掲示板2ちゃんねる。
2ちゃんねるには様々な利点や可能性がある。
だが2ちゃんねるゆえに避けることの出来ない落とし穴もまたあってしまう…。


それから時が経ち、あたりはすっかり暗くなっていった。
しぃはギコと別れて家に帰っていたが、表情がどうも浮かない。
「はぁ…、また助けられた。」
実は今日ギコに助けられたことを気にしていたのだ。
しぃはいざと言う時にはいつもギコに助けられている。
しぃはそんな自分が情けなくて仕方がなかった。
そんな気持ちを胸に抑えたまま、しぃは寝床に付いた。

そんな日も過ぎ去り夜が明け朝が来た。
昨日の一件があった町の一角から少し離れた所にある公園にギコは居た。
ギコはブランコに座ってぼーっとしているが、どこか様子がおかしい。
体の色も黄色とはまるで逆の青になっている。
「おーいギコ。こんな所で何やってるんだ。」
どこからか声がする。しぃの声ではない。
そこへ現れたのは茶色く毛の長いAA、フサだった。
よく見ると一緒に赤くナイフを持ったAA、つーも居る。
フサはギコに近付いて行くが…。

それは突然だった。辺りに鈍い音が響き渡る。
ギコの拳は確かにフサの体に傷を負わせていた。
「ギコ…、お前どうして…。」
2人には今の状況が把握出来なった。
ただ1つはっきり分かったことは、自分達の身が危ないと言うことだけだった。
しかしギコはそれに留まらず剣を取り出し刃を2人へと向けてきた。
「どうやら只事じゃなさそうだ。」
フサはやむを得ず刀を取り出し構える。つーも持っている2本のナイフを構えた。
そして皮肉にも戦いの火蓋は切って落とされた。

その頃しぃは昨日ギコに助けられた場所に来て、何か考え事をしていた。
道の脇を流れる川を見ると曇った顔をしている自分が映る。
「あーもう、どうしていつもそうなんだ…。」
そう自分に言い聞かせる。
一時の沈黙が流れる。するとどこからかギコらしきAAの声が…。
しぃは声の聞こえた方角へと足を進める。
そしてしぃはギコの居る公園へとたどり着いた。

しかししぃがそこで見たものは、あまりに衝撃的なものであった。
なんとボロボロになったフサとつーに、今にもとどめを刺しそうなギコの姿がそこにはあった。
いつものギコだったらつーと1対1でも勝てない筈。明らかに異常だ。
それを見たしぃは咄嗟にギコの方へと走っていく…。
それに気付いた2人はしぃを呼び止めようとするが、聞こえてないのか止まる気配はない。
しぃを助けたいが思うように体が動かない。2人に最悪の結末が脳裏を過る。
だが2人の目に飛び込んできた光景はまるで意外なものだった。

「しぃ…、どうしてギコを。」
2人の見たものはなんとギコを剣で一突きにしたしぃの姿だった。
2人はもう何が何だか分からなくなっていた。
だがしぃはギコを見た瞬間に全てを把握していた。
「こいつは…ギコなんかじゃない。真っ赤な偽者よ。」
そう、ギコは気が狂った訳でも洗脳された訳でもない、偽者だったのだ。
「なぜ分かったんだ…。計算は完璧だった筈…。」
それを聞いたしぃは偽ギコに刺さっている剣を抜き、怒りを込めて振り下ろす。
すると偽ギコの体に亀裂が走り偽ギコは倒れた。
「君には分からないよ。心が闇に染まった君には…。」
しぃがそう言い終わると、偽ギコはあぼーんしていった。

「胸騒ぎが…消えた。」
それと同時にギコの胸騒ぎも消えて無くなった。
ギコははっとして歩いている足を止めた。
するとギコの立っている広い平地にそよ風が走った。
肘に巻かれているハンカチもゆらゆらと揺れている。
そしてギコは伸びをすると再び歩きだしていった。

「それで分かったのか。」
しぃはその頃どうして偽者と分かったのか2人に説明していた。
2人もその説明を聞いてようやく理解できた。
だがフサがふとこんな疑問を投げかける。
「けど…もしあのギコが本物だったら…。」
確かにそれだけで判断するのはリスクが大きいように思える。
だがそれに対して出したしぃの答えは…。
「私は…ギコを信じてるから。」
しぃは親指を立ててそう2人に言い張った。
それはギコのことを誰よりもよく知っているしぃだからこそ出せる答えだった。


嘘を嘘と見抜けない人は2ちゃんねるで生き抜くのは難しい。
だが恐れることはない。
何かを信じていればきっと嘘は見抜けるから。


夜も更けてきた頃、とある町の一角にある飲食店を後にする青いAA、モララーがいた。
そこから少し歩いた頃、あの突風がモララーを襲った。
「何なんだこの風は。」
モララーは突然のことに動揺するが、暫くすると突風は治まった。
体を払うモララーの背後には、黄色いモララーが夜の町へと立ち去ろうとしていた。


どんなに嘘を見抜いても嘘が無くなることはない。
次に嘘が訪れるのはあなたかもしれない…。

あなたは嘘を嘘と見抜けますか?

後書き 2005/03/30(水) 13:25:20

前作が駄作になってしまったのでそのお詫びに書きました。
テーマは最初は自作自演にしようと思ったけど、
書いてる内に嘘を嘘とになってしまいました。
話も書いている内に随分変わってしまいました。
まあしぃにもちゃんと出番を持たせられたし、
自分にしては良い出来になったのでどうかこれで…。
てか何か2重投稿になってしまった…。すいません…。

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