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*華笑*

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匿名ユーザー

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作:**はな**

2005/07/21(木) 15:37:44

今、僕の隣でキラキラ笑う少女は僕の彼女。
―でも僕は、半年ほど前まで同じクラスで有りながら
彼女の存在さえしらなかった―
半年程前にさかのぼる。
彼女はいつも教室の隅で静かに本を読んでいて、誰にも気付かれないくらい存在の薄いコだった。もちろん僕も、あのトキのコトがなかったら彼女の存在を忘れて高校を卒業していたヵもしれなかった。

ある日の放課後のことだった。
僕等男子群は、放課後の教室に入り浸って「好きなコ」の話で盛り上がっていた。
「やっぱ、可愛くなぃとなぁ!?」
「だよ。顔は命だろぉww」
「オレは笑顔重視だなっっ」
「ぁー!!!ソレも重要だよな!!!」
なんてくだらない話をしていたときだった。
教室のドアがガラリと開いた。
みんなの目はそっちへ注目した。
入ってきたのは、彼女だった。彼女はいつもの様に下だけを見つめながら自分の机へ向かってあるいた。忘れ物でもしたのだろう。机から何かをとりだして、また静かに教室を出ていった。その間、誰も口を開かなかった。更に静かだった。
「…やっぱなぁ、あーゆーのはパスだろ普通に」
「だよな。オレもパスだよ。つヵ、、あれ、名前なんだっけ!?」
「えっと。。」
友達の一人が名簿と席を照らし合わせた。
「山口、、華笑」
『華笑』…かぁ。華やかな笑み…。ふと思った。僕は、彼女の笑顔をみたことがないな。別に気にすることでもないのに、なにかにひかれるようにそのことが頭から離れなくなってしまっていた。
彼女の笑顔、卒業までに見てみたいな。そんな気持ちに駆られた。
いつからか僕は、彼女を笑わせるタメだけに学校に通うような形になっていた。
ナゼか、ナゼかわからないけれど、僕は彼女を笑わせるために生まれてきたんじゃないか?そんな気にさせられていた。
必死で、必死で。

ある時だった。ふふっ、て彼女は笑ったんだ。
僕の隣で笑ったんだ。

彼女は―…すごく、ものすごく、、キレイだった。
僕は今、天使を見ているんじゃないか?夢をみているんじゃないか?なんども何度も頬をつねって確かめた。
―…夢じゃない…―

      『華やかな笑み』

やっと分かった。やっと会えた。本当の彼女に。僕はうれしくて、うれしくて
ずっと彼女の隣にいたかった。
僕は彼女に言った。ずっとずっと、僕の隣でそんな風に笑っていてほしい。
彼女は僕に言った。…うん。

そして今に至る。今でも彼女の輝きは衰えることなく、眩しいほど光ってる。
そして、その隣に僕はいる。


彼女は将来、世界中の人々に笑顔を分けられる仕事に就きたい、と言っている。

あぁ。君ならできるよ。
だって…君の笑顔はすでに、僕の生きる糧にさえなっているんだから。
                        …END

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