しまった。どうしよう。
焦りに空回りする頭で必死に思考を巡らし
最善と思われる行動をとった。
うん、これで だいじょうぶ。
「ご、ごめんなさい……」
目には相手の不機嫌そうな表情が、耳には低く唸るモーター音。
不審者のようにどこかよそよそしい、そんな様子を見た相手が言う。
「冷静な判断もとれぬ君が打開できるわけなかろう。
さて、この状況を説明してもらおうか?」
パチン。 電灯のスイッチが押され、部屋は明るくなった。
そこには惨憺たる光景が広がっていた。
床にはジュースで汚れた衣類。その横には皿に入ったお菓子、コップと
それを倒した原因のミニカーが転がっていた。
その日、モナー家に説教をする声と泣き声が響いたという…。