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無限の道

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歩けば歩くほど道は切り開かれていく…。

作:中級

2005/08/11(木) 14:26:53

世界には終わりがある。人生にも終わりがある。
だけど道には終わりがない。
歩いても歩いても終わりそうで終わらない。


とある森の奥深くに小さな村がぽつんとあった。
いや、村と言うにも程遠い。まるで廃墟だ。
そこに住んでいる者達は今日も争いをしている。
争いと言っても重みも理由も何もない下らない争いだ。
そんな森のとある場所でしぃ族とモララー族が争っていた。
その様子を今にも壊れそうなボロ家の屋上から眺めている1人のAAが居た。
桃色をしている。おそらくしぃ族なのであろうが何かが違う。
「はぁ…。どうしてこの世界はこんなに下らないんだろう…。」
するとそのしぃの後ろから声が聞こえる。
「ああ確かにここは下らない。」
しぃはとっさに後ろを振り向く。
青い体にこの笑顔。モララー族だった。
そしてそのモララーは続けて言う。
「だけどこの世には無限の可能性がある。違うかな?」
そんなモララーを見たしぃはあなたは何者なのかと問う。
しかし返ってくるのは素気のない返事だけ。
だが勿論しぃにはモララーが只者とは到底思えなかった。
しかしそんな思いを抱えたまま突然モララーがこの場を離れ出す。
しぃは止めようと声を掛けるがモララーは背を向けたまま手を振るのみ。
そしてモララーは最後にこう一言。
「にしても驚いたな。まだこんな所にまともなAAが居たなんて。」

モララーは去って行った…。
しぃは1人取り残された。
いや、取り残されたような気がしたと言った方が正しいだろう。
それから暫く考えた。自分はどうすればいいのかを。
そして出た答え、「自分で道を切り開こう!」。
そしてしぃは歩き出した。無限の道を…。


歩けばきっと何かが見付かる。
数え切れない程の何かがきっとあるだろう。
だからこそ道は切り開かれていく。


しぃは歩き、そして森を抜けた。
するとそこには見たこともないような世界がしぃの目に飛び込んできた。
一面に広がる青空。そよ風と共にドミノのように揺れる草原。
全てがしぃには斬新だった。
1歩1歩歩いていくごとに何かが変わっていく。
そして空も青空から夜空へと変わろうとしている。
肌寒い、そう感じた。今まで味わったことのない寒さだ。
けれど寒いばかりではない。暖かいものもあった。

「そんな所に居ると風邪ひくぞ。」
ギコ族のAAが居た。とても優しかった。
AA達も変わってきていた。
ギコはしぃをテントに入れて火に当てさせた。
「ギコ族にこんなに優しくしてもらったの初めてだな。」
しぃがそう言うとギコの顔が少し赤くなった。
しぃも嬉しそうな顔をした。
辺りは静けさに包まれている。穏やかな静けさだ。
そんな静けさをギコが断ち切る。
「俺も同じだったよ、君と。」
ギコは淡々と自分の事を話し始めた。
ギコが言うにはしぃと同じく昔は荒れ果てた何の希望もない所に住んでいたそうだ。
けれどそんな場所から意を決して抜け出したら沢山の希望に満ち溢れたと言う。
「君もきっと希望に満ち溢れる日が来るさ。」
ギコは最後にそう言い話を終えた。

気が付いたら朝になっていた。
余程心地良かったのかしぃはぐっすり眠ってしまっていたようだ。
そして再びしぃは歩き出した。
途中でギコと別れることになった。
「ここでお別れだ。じゃあな。」
それぞれ道は違うものだ。
ギコは去って行った。また会う約束を交わして…。

しぃは更に歩き続ける。
一体どの位歩いたのだろう。見当も付かない。
そして小高い丘を登った時しぃは驚いた。
そこには確かに街があった。今まで見たこともないような立派な街が。
それを見たしぃの足は少しずつ速度を増す。
疲れているのかぎこちないがそれでも必死で走る。
そしてしぃは漸く街へ辿り付いた。
そこには光り輝く綺麗な街、そして目の輝いているAA達で満ち溢れていた。
そしてその中にはあのAAも…。
「やあ。やっぱり君も来たんだね。」
そこに居たのは間違いなくあのモララーだった。


何かを見付けたその時こそきっと希望に満ち溢れる。
けれどそこで道は終わらない。
なぜなら歩けば歩くほど道は切り開かれるから。
無限の道が…。

後書き 2005/08/11(木) 14:29:43

実に4ヶ月振りの投下となりました。かなり間がありますが…。
テーマは最初はパソコンを始めてから2chに来るまでを
書こうと思ったんですが、前作と同様違う方に行ってしまいました。
本当はギコを登場させる予定はなかったんですが、
なぜか書くことになりいざ書いてみると個人的に結構良い感じに…。
意外とシンプルで王道な作品になった気がします。

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