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an anthology -こんすけ詩集- (こんすけ)

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
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☆はじめに
作者こんすけが暇なときに考える詩を、何作かピックアップします。詩ではなく、短編小説みたいなのもありますので、ご了承ください。
また、作品の最後に、一応登場人物を入れておきます。
あくまで、『暇なときに考える』なので、更新スピードなどと言うものはないです。

持知氏と微妙に似ている罠。こっちは詩集、あっちは音楽短編集だよ。
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#1 雪



 外は一面銀世界だった

 無邪気に遊んでいる子ども達の声までもが聞こえてくる

 だけど この家は

 しんしんと 聞こえないはずの音まで聞こえてくるかのように

 静まり返っているんだ

 聞こえてくるのは 乾いた声で咳き込んでいる 親父の声 

 ほら また

 その声だけが 聞こえてくる


 いつもはパソコンを弄くっているだけの俺

 親の言うことも聞かず ただ自分のことだけを考えている俺

 もう 働きにいって 老いた親を支えなければならない俺

 なのに

 俺は あんたの傍についていることしか出来ない

 ただ 黙って 俯いて 消えかけた灯火のあんたを 見ているだけ

 隣にいるのは 泣きじゃくる妹と 無言で看病する弟と姉と母


 力を振り絞り 妹の背中を 撫でてやるあんた

 薬品を身体全体につけてもらい 笑顔でお礼を言うあんた

 そして

 優しい笑顔で俺を見つめるあんた


 もうやめてくれ

 俺は 雪みたいにか弱く 儚く 脆く 情けないんだ

 そんな瞳で見られると 怖くて 潰れそうで 溶けてしまうような

 気持ちになってしまう


「ありがとな……親父」


 それだけしか言えない 自分が憎い

 雪みたいにか弱く 儚く 脆く 情けない俺を見て

 あんたは 嬉しそうに瞼を閉じた



 雪みたいにか弱く 儚く 脆く 情けない

 それでも 俺は歩き続けたい

 冷たい雪の先には 暖かなあんたがいると信じて





~#1 雪~

 流石家(兄者 父者 母者 弟者 姉者 妹者)

~#2 ?~

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