poca felicita

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GUNSLINGER GIRL Image Album

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La ragazza col fucile ~少女と銃~


果てしない闇の中でもがいている… その苦しみの中でもがいている…
絶え間ない雨の中でもがいている… その悲しみの中でもがいている…

終端のない闇の中でもがいている… その痛みの中でもがいている…
終焉のない雨の中でもがいている… その哀しみの中でもがいている…

無垢な天使も生まれた以上 確実に地に堕ちる……

無限の闇の中でもがいている… その苦痛の中でもがいている…
無限の雨の中でもがいている… その悲哀の中でもがいている…

無垢な天使も堕ちた以上 その白い翼を紅く染める……

千の言葉より一発の銃弾 運命を従わせるのは力
──鋼鉄の意志 時に激しい暴力 生命の焔

銃を持った少女は 哀しみの雨の中を駈けてゆく
嗚呼…彼女が明日天に召されるとしても その空は変わらないだろう……

銃を持った少女は 哀しみの雨の中を駈けてゆく
嗚呼…彼女が明日天に召されるとしても その空は変わらないだろう……

銃を持った少女は 哀しみの雨の中を駈けてゆく
嗚呼…彼女が明日天に召されるとしても その空は変わらないだろう……

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Lui si chiama... ~私の大切な人…彼の名は…~


(Lui si chiama... Gioseffo... Gioseffo... il mio caro...)

「ジョゼさんは何でも知っている」

「仕事をするにはたくさんのことを覚えなくてはいけない
良い仕事は全て単純な作業の堅実な積み重ね」

嗚呼…ライフルスコープで見上げた青空に
ぼんやり輝く《金星》

「星を観るのは初めて」と小さな胸を高鳴らし
哀しい女神の物語 優しい声で聴いていた

嗚呼…天体望遠鏡(Telescope)で見上げた星空に
眩ゆく煌めく《狩人》(Orion)

ルルル~♪ ジョゼさんにもらった大切な日記帳
忘れやすい日々の『小さな幸せ』を集めて綴ろう……

「ある冬の日、エルザは愛を貫いて逝った。
エルザの愛はきっと私とは違う。
でも私は、彼女の生き方を否定出来なかった……」

教えて下さい ジョゼさん… ジョゼさん… ジョゼさん…
愛して下さい ジョゼさん… ジョゼさん… ジョゼさん…

「体が機械の女の子って普通ですか?」

凄い力持ちで 素手で人を殺せるんです
赤い血は出るけれど すぐに痛みなんて消えちゃうんです
義体の私が ジョゼさんの お役に立つには 普通の
──嗚呼…普通の女の子じゃ駄目なんですよ……

ねぇジョゼさん 私は貴方の可愛い妹になれますか?
──どんなに想っても……
ねぇジョゼさん 誰かの代わりでも貴方の特別になれますか?
──どんなに願っても……

ララ♪ 私は知ってるんです
頭を撫でてくれる手の温もりを
ララ♪ 私は待ってるんです
優しく微笑みかけてくれる眼差しを

嗚呼…愛って何ですか?
嗚呼…愛って何ですか?

摇らめく『焔』は色を変えながら
最期に向かって 嗚呼…燃え続ける……

──彼の名は…(Lui si chiama...)

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La principessa del regno del sole ~無邪気なお姫様~


「生まれつき四肢に障害のあった私のせいで
喧嘩ばかりしていたババとママは、
お医者さんの薦めに従って契約書にサインした。
こうして、生まれてから一度も外へ出なかった私は、
病室で迎えた十一歳の誕生日に、
初めて自由に動く自分の体を手に入れたのだ。
私は『公社での生活』をとても気に入っている……」

《私のお気に入り》(La mia cosa favorita) → 朝の静謐な空気
《私のお気に入り》(La mia cosa favorita) → 洗剤の香り
《私のお気に入り》(La mia cosa favorita) → 空と雲と太陽と
《私のお気に入り》(La mia cosa favorita) → 自由な体

嗚呼…それら全ては 病室のベッドの上に
嗚呼…無かったものばかりだ──《私は幸せだ》(Sono felice)

「私たちには、それぞれ公社の大人の人が担当についている。
訓練でも仕事でもいつも一緒なので、
二人まとめてフラテッロと名付けられた。
『フラテッロ』…それは"兄弟"という意味だ……」

政治家の暗殺 現場の下見
逃走経路の確認 それも仕事の內

裏口で出会った 少年は名乗った
彼の名はエミリオ とてもよくしゃべる

私は嘘を吐いてはいないけど 彼を騙しているのだろうか
アマーティの《ヴァイオリン》(Violino)だと彼が勘違いしたのは《銃》(Fucile)
──それが私の仕事道具だ……

「もし仕事中誰かに姿を見られたら…必ず殺せ」
──とジャンさんは言った……
仕事が終わり 部屋を出たところで エミリオに出会った
「ええと…こんな時何て言うんだっけな…ああそうか…ごめんね」

「朝目が覚める度、いちばん気になることがある。
それは、今日も自分の体がちゃんと存在するかということ……」

良かった ← 動く → 『自由な体』 → 素晴らしいことだ
四肢を失う夢を見て 泣きながら起きる この恐怖が解りますか?

沉みながらも見上げた水面から 差し込む陽の光 泡沫の《幻想》(ゆめ)
浮びながらも見上げた水面より 遥かなる高みに 輝ける《理想》(ゆめ)
《太陽の国のお姫様》(La principessa del regno del sole) 黃昏に染まる海辺を走る……

「自由な体。優しい人達。楽しい每日。
社会福祉公社、私はここでの生活をとても気に入っている…」

──太陽の国のお姫様(La principessa del regno del sole)

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Biancaneve bruno ~白雪姫と八人の小人~


《聖夜》(Christmas)を迎える度に 一人ずつ小人が增えてゆく
それは私が公社で過ごした 歳月を数えるように
──ある一度の例外を除いて……

(Dopey, Grumpy, Sneezy, Sleepy, Happy, Bashful, Doc, Augusto...)

少女は走る 仮初めの現在を
少女は走る 不条理な世界を

泣いたり走ったりして成長することも
あるのだろうと──念じて走った……

少女は笑う 束の間の現在を
少女は笑う 無慈悲な世界を

紅茶とケーキには幸せの魔法が
かかっていると──信じて笑った……

嗚呼…《義体》(わたし)は戦う為 生かされているのだ
嗚呼…如何なる理由であれ 《敗北》(負る事)は《許容》(ゆる)されない

瞳を背けようとすればする程 その《恐怖》(やり)は広がる
《脆弱い》(弱い)自分に負けぬよう もっと強くなりたい

「私はどうすれば良い?」 ぬいぐるみに語りかけても
声色を変えた返事を待っても 答えを出すのはいつも自分だ
──『褐色の白雪姫』は戦うお姫様……

「答えはもう決まっているのだ(です)」

「あれは、モンタルチーノで奪われた私の銃。
よくも私を撃ったな。
ヒルシャーさんのくれた大切な銃で。
──許さない……絶対に許さない!」

私は勝った 敵を倒して大切なものを守った
私は知った 凍える世界を溶かす《光》(Good Morning)を

《兄妹》(Fratello)で愛を語らう言葉は持たない 優しさは時に鋭い刃物
不器用な者が触れ合えば 傷つけ合うこともあるけど
大切な人は両手で抱きしめよう……

(Dopey, Grumpy, Sneezy, Sleepy, Happy, Bashful, Doc, Augusto...)

「あれは何時だったのだろう?
優しい夢を見た。眼鏡と香水の香り。
『お母さん』の夢。私をさっと抱きしめてくれた。
気のせいかも知れないが、そんな気がしたのだ……」

「大丈夫、私は今日も頑張るよ!」

──褐色の白雪姫(Biancaneve bruno)

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Claes tranquillo ~眼鏡と一つの約束~


「料理をするのも、絵を描くことも、楽器を弾くことも楽しいし、
ここには読みきれないほどの本がある……」

そしてなにより私は 無為に時を過ごす喜びを知っている
それは遠い昔《お父さん》(パパ)か誰かに教えてもらったもの
──そんな気がするのだ……

「7(Sette)ヤードで必中できるようになるまで帰ってくるな」
──と《少女の担当官》(ラバロ)は言った…
少女が奏でる夜と朝の《輪舞曲》(Rondo)弾丸は雨の中踊り続けた……

命令には服従──『条件付け』とは『鉄の《掟》』かい…
《お嬢ちゃん…お嬢ちゃん…》(クラエス…クラエス…)

「教養や好奇心のない奴は良い兵士になれないからな」
──と《無愛想な担当官》(ラバロ)は言った…
少女の《写真》(Fotografia)とても大事そうに 本を抱えて微笑んでいた……

記憶の書き換え──『条件付け』とは『鉄の《檻》(Gabbia)』かい…
《お嬢ちゃん…お嬢ちゃん…》(クラエス…クラエス…)

「射撃の練習はしばらく中止となり、
翌日、私達は朝から出かせることとなった……」

「──それから、私たちは何度か湖に足を運んだ。
ロンバルディア、ヴェネト、ピエモンテ……。
公社での私たちはいつも無口で、
お互い教官と教え子の役割を忠実にこなしたが、
何故かいつも湖では会話が進んだ。
それが二人の暗黙のルールだったのだ……」

【正当防衛以外では抜いてはならない】
地下鉄に湧くチンピラ相手のちょっとした実地訓練
煌めく《刃物》(Knife)が突き刺さる瞬間の衝撃
【射撃の腕より抜くタイミング】
重要だと教わってたのに……

嗚呼…刃物(Knife)の間合いに入ってから 銃を使うと決めても
嗚呼…相手の間合いに入ってから 引き金を引いても遅いんだ
──今度撃つ時は決して躊躇わない……

公社の射撃訓練場 → ジャムった少女のSIG →
素早く詰め寄るラバロ → 拳で弾け飛んだヘンリエッタ →
弧を描きジョゼを張り飛ばす →
その背後には立ち上がったヘンリエッタ →
持ち上げた凶器を構えて → ラバロに照準を合わせた →
それを見た私は引き金を引いた → 今度は躊躇わなかった……

「私が退院して間もなくラバロさんは公社を去った。
宿舎の鍵と古びた眼鏡、数えきれない想い出を遺して。
私が彼の姿を見たのはそれが最後だった……」

【この眼鏡をかけてる間はおとなしいクラエス】
書き換え可能な『命令』じゃない… 血の通った『約束』

「わかりました。」("Si, ho capito.")

そしてなにより私は 無為に時を過ごす喜びを知っている
それは遠い昔《お父さん》(パパ)か誰かに教えてもらったもの
──そんな気がするのだ……

──クラエスの平穏(Claes tranquillo)

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La principessa del regno della pasta ~可哀想なお姫様~


「あの頃してやった事、全てが無駄とは思いたくないが、
彼女はもう、あの物語を覚えてはいない……」

《女の子…天使のような女の子…》(アンジェリナ…アンジェリナ…) 可愛いお姫様
《女の子…天使のような女の子…》(アンジェリナ…アンジェリナ…) 可哀想なお姫様

《従者》(ペロ)を連れて 《城下町》(Mercato)へ《お忍び》(おつかい) 姫を狙う 蒼い影の《馬車》(Macchina)
《空》(Cielo)を抱いて 《大地》(La terra)へ《接吻》(くちづけ) 姫を攫う 黒い影の《死神》(Orcus)

彼女を殺そうとしたのは 多額保険金を掛けていた
倒産寸前の町工廠の 経営者たる彼女の父親 ──実の両親だった……

「──そして、《天使》(アンジェル)の名を持った《少女》(アンジェリナ)は《義体》(アンジェリカ)として生まれ変わった……」

『パスタの国の王子様 ~Il principe del regno della pasta~』

──昔々あるところに パスタの国がありました
その国にはパスタの大好きな 王子様がおりました

一人ぼっちの王子は大好きなパスタを 一緒に食べる友達が欲しくて
友達を探す旅に出たのでした……

「アンジェリカはよほど俺の作り話を気に入ったらしく、
会う度にその続きをせがんだ……」

風渡る草原 → 荒ら狂う海原 →
凍てついた雪原 → 冒険の旅は続く…

邪悪な《火竜》(Drago)と 囚われの《お姫様》(Principessa)
呪われし頂を 火の山を目指した……

迫り上がる岩壁を → 両手で捩じ伏せて
燃え上がる火海を → 一足で跳び越えて
迫り来る腐の風に → 触れても億さずに
見え来たる頂きに → 遂に手を掛けた…

──岩に刺さった伝説のフォークを引き抜いたら
その時 天空より巨大な影が舞い降りた……

囚われの姫を 助けた王子の 冒険を綴った絵本それは
──茨の塔で眠り続ける 《可哀想なお姫様》(アンジェリカ)の夢……

「アンジェリカは
一番最初に義体の能力を示したが、
最も初期に義体化された検体だけに、
『薬』の副作用を最初に示したのも彼女だっだ……」

《お姫様…お姫様…》(アンジェリカ…アンジェリカ…) 楽しいあの歌も
《お姫様…お姫様…》(アンジェリカ…アンジェリカ…) 優しいあの人も
《お姫様…お姫様…》(アンジェリカ…アンジェリカ…) 愛しいあの日々も
《お姫様…お姫様…》(アンジェリカ…アンジェリカ…) 何れは『忘れ去る』

「──そして、今では、
あの子に物語を聞かせることもなくなった。
あの頃してやった事、全てが無駄とは思いたくないが、
彼女はもう、あの物語を覚えてはいない……」

──パスタの国のお姫様(La principessa del regno della pasta)

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Io mi chiamo... ~貴方だけの義体…私の名は…~


「私はラウーロさんが一番大事。
私の時間は、全てラウーロさんの為に使うわ。
ラウーロさんを想いながら、
ラウーロさんの為にライフルを磨くの……」

──短過ぎる蝋燭
貴方の為だけに灯そうと思ったから
消す時もまた貴方の為だけに……

貴方が付けてくれた名前…《私の名はエルザ・デ・シーカ》(Mi chiamo Elsa De Sica)
貴方を愛し屠る義体…《私の名はエルザ・デ・シーカ》(Mi chiamo Elsa De Sica)

真夜中に無言で辿る あの日と同じ舖道
凍てついた銀色の月 早鐘を打つ鼓動

すれ違い続ける心 歪な色の瑪瑙
空回り虚ろう言葉 決断に摇れる焔

嗚呼…過ぎし日は檻の中 殻を破れぬ蛹は
嗚呼…蝶に成れず死んでゆく 空の夢を抱いたまま……

「ラウーロさ──ん!」

貴方が付けてくれた名前…《私の名はエルザ・デ・シーカ》(Mi chiamo Elsa De Sica)
貴方を愛し屠る義体…《私の名はエルザ・デ・シーカ》(Mi chiamo Elsa De Sica)

貴方は何も覚えてはいない 覚えてたのは私だけ…
貴方は誰も愛してはいない 愛してたのは私だけ…
終わりの場所は 始まりの場所 愛が生まれたこの場所で……

貴方が付けてくれた名前…《私の名はエルザ・デ・シーカ》(Mi chiamo Elsa De Sica)
貴方を愛し屠る義体…《私の名はエルザ・デ・シーカ》(Mi chiamo Elsa De Sica)

私が望む最後の願い…《ラウーロと小さな幸せ》(Lauro e poca felicita)
私を焦がす最期の焔…《ラウーロと小さな幸せ》(Lauro e poca felicita)

──《ラウーロと…『小さな幸せ』》(Lauro e... "poca felicita")

──私の名は…(Io mi chiamo...)

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La ragazza col fucile e poca felicita ~少女と銃と小さな幸せ~


空は啜り泣いている
──人はそれを唯の雨と呼ぶのだろうが
それは誰かの代わりに泣いているのだ
この物語には不幸が多過ぎる……

少女は啜り泣いている
──人はそれを唯の虚弱さと呼ぶのだろうが
彼女は誰かの為にひとりで泣いているのだ
この世界には地獄が多過ぎる……

銃を持った少女は 哀しみの雨の中を駈けてゆく
嗚呼…彼女が明日天に召されるとしても その空は変わらないだろう……

銃を持った少女は 哀しみの雨の中を駈けてゆく
嗚呼…彼女が明日天に召されるとしても その空は変わらないだろう……

銃を持った少女は 哀しみの雨の中を駈けてゆく
嗚呼…この過酷な人生で 彼女達が『小さな幸せ』を見つけられますように……
最終更新:2008年05月03日 01:43
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