霧の向こうに繋がる世界
Collaborated Single
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Weiß ~幻想への誘い~
小鳥達の歌 窓に映る木洩れ日 今日という日の始まり
森と水に囲まれ寄り添って生きる小さな村の日常
朝露に靴を濡らしながら 少女は森の奥へ進む…
静かに霧に包まれし湖には
忌むべき呪いの伝承(つたえ)
「水汲み(しごと)が済んだらまっすぐにお帰り」と
叔母(はは)はいつも繰り返す……
急にたら(とじ)こめた深い霧に 少女は振り向き息をのむ…
向こう岸に霞んで佇む人影
遠き日に亡くしたはずの父親(じじ)の姿
手を伸ばして届くならもう一度会いたい
またあの頃のように優しく名を呼んで…
宵闇の中ひとり森へと向かうは
幻影(まぼろし)に囚われた無垢な白い花
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Schwarz ~そして少女は森の中~
蒼く月映す水面に漕ぎ出した
白い小さな手は不器用に櫂を手繰り
昏く森を閉ざすように纏う霧は深くなる……
辿りつきたる岸辺に咲ける花は──
鮮やかに腐す程に仄甘く──
「追憶ノ鎖ニ繋ガレタママ父親(ニゲルモノ)ヲ追イ駈ケ彷徨ウガイイ……」
少女惑ワス森ノ声ハ奥ヘト誘イ込ム
死と月明かりにくちづけ踊る蝶は──
鮮やかに舞う程に仄紅く──
「追憶ノ搖リ籠ニ搖ラレナガラ望ム幻想(ユメ)ニ抱カレ朽チ果テルガイイ……」
──薄すれゆく意識が見せた懐かしい幼き日の幻影(まぼろし) →
【散らばった歪な木片(かけら)を崩さないように積み上げる遊戯】
← 何度も上手く積もうとしたんだ──
そうだ…泣かないよ…『約束(ゆびきり)』したから……
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schwarzweiß ~霧の向こうに繋がる世界~
光が欲しくて暗闇に手を伸ばす
目醒めを待っていたのは見知らぬ世界
──そして胸に揺らめく誰かの笑顔を
抱いたままに彷徨いながらも
進む男は行く手を遮る霧を
薙ぎ払う絆憶い(おもい)出す……
家路の幻像(ゆめ)を描き空を越える物語
黒い宵(ナイト)…白い息(ブレス)…彼は詩う
無垢な蕾の愛娘(アリス)へと……
思いを込めても言葉は時に無力で
行動した者だけが真実を掴む
──やがて胸に煌めく少女の决意は
櫂を手繰り彼方へ漕ぎ出し
虚像を映し相手を惑わす霧を
振り払う強さ手に入れる……
迷いの幻夢(ゆめ)を抜ける扉(ドア)を探す物語
黒い蟲(ワーム)…白い霧(ミスト)…彼女は挑む
無慈悲な森の悪意(マリス)へと……
出会いの数だけ…繋がる冒険譚(ストーリー)…
一陣の風(ガスト)に乗って…箱庭(アトリエ)に届くだろう…
出会えるよ何時か…嗚呼…孤独(ひとり)じゃないから…
困難な途でも…今日が最低でも…笑うならきっと……
──やがて胸に旗めく冒険者達(かれら)の願いは
翼を広げて 世界を廻り
散らばる希望を集め 全てを隔てる霧を
吹き払う光 解き放つ……
白夜の幻想(ゆめ)のような永遠(とわ)を紡ぐ物語
黒い刃(エッジ)…白い灰(アッシュ)…運命(ぽく)は還える
女神(きみ)の瞳の虹彩(イリス)へと……
最終更新:2008年05月03日 01:45