40-352「国佐々」

ショートカットの彼女。
みんなは変な女って言うけど僕はそんな彼女が好きだった。
女子の前だと普通に喋るのに男子の前だと口調が変わる。
ちょっと変わってたけど容姿端麗才色兼備って言葉がお似合いだった。
彼女に好意を抱く男も少なくなく、放課後はしょっちゅう呼び出されていた。
でも彼女は決まって
「恋愛は精神病の一種だから」
と言って全く相手にしなかった。

そんな彼女が変わったのはいつからだったかな。

彼が話しかけると頬を少し赤らめてはにかむ。

その笑顔も視線も全て彼に向けられたものだなんて分かってた。
僕に向けられたものじゃない。
でもそれでも可愛いなぁなんて思ってしまうんだ。

あぁ一度でいいから彼になって見てみたい聞いてみたい。
彼女の表情、声。
彼女を近くで感じたい。
彼女はどんな話をするんだろう。
話しかけたらはにかんでくれるだろうか。
微笑んでくれるだろうか。

僕だけを見てくれるだろうか。

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最終更新:2009年03月14日 22:59
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