4-788「僕のおっぱい」

『僕のおっぱい』
僕のおっぱいはえーカップ。発展途上国のように夢と希望がたくさん詰まっている、そんなおっぱい。
僕の理想はでぃーカップ。先進国のように周りから羨望の眼差しで見られる、そんなおっぱい。
「とりあえず夏までにはせめてしーカップには…なるかな?」
鏡に映る自分の水着姿を見てそんな言葉が漏れた。だ、だだだだって今年はキョンくんと海に行くんだもん!
キョンくんと海…キョンくんと海…ヤバい、鼻血出ちゃったよ!こうなったら妄想に浸るしかないよね!
ホワホワホワ~ン
キョンく~ん!お待たせ!WOW!なかなか良い肉体してるじゃ~ん!
キョンくんの胸板…キョンくんの胸板…
ハアハア…
キョンくんの腹筋…キョンくんの腹筋…
ハアハア…
キョンくんの海パン…キョンくんの海パン…
ハアハア…ブホッ!
ん?鼻血出てるって?あ、ほんとだ。え、ハンカチ使っていいの?ありがと!
キョンくんのスメル…キョンくんのスメル…
ハアハア…ブボボボボッ!
あ、ごめんねキョンくん。ちょっと貧血みたい。でもとっさに抱きとめてくれるなんて紳士だね!
え?なに?『佐々木はちっちゃいな』だって?
イヤァァァァァアアアアaaaaaa!
だめ!妄想だめ!一刻も早くおっぱいを大きくするための策を練らないと…
とりあえず牛乳?
ゴクゴクゴク…
ちょっと揉んでみたり?
モミモミモミ…
本命はやっぱりバストアップ体操だよね!
まず胸の前で手を合わせて…腕とかに力を入れながら左右に腰を捻って…

俺がその扉を開けて後悔したのは1秒後だった。そして直後に閉めた。まさか佐々木が水着であの体操をしてるとは思いもしなかった。いや、妹はよくやってるんだけどな。
「い、いやぁぁぁぁあああっ!」
なんて叫びが聞こえてきたのは佐々木の部屋の扉を閉めた10秒後だ。佐々木なりに何か思うところがあったのだろう。佐々木らしからぬ叫びを聞きながら「俺はお呼ばれしていたはずだよな?」等と自己を正当化すべく論述を展開していた。
「に、入室を許可しよう」
言われるまま俺は扉を開け佐々木の部屋に入る。佐々木は既に私服へと変化を遂げており目が真っ赤な事だけが気になった。
「すまん」
とりあえず謝る。
「本当にすまない。いや、ごめん」
もう、土下座すらも厭わない覚悟だ。
「顔を上げてくれ。キミを呼んだ事を忘れてあんな事をしていた僕が悪いんだ…」
ははは…
佐々木は最後に普段なら絶対にしないであろう、渇いた声を零した。視線は定まっておらず、あっちへ行ったりこっちに行ったり…
あまりにも崩れてしまいそうな佐々木に、俺は本心を打ち明ける事にしたんだ。


「佐々木聞いてくれ」
「なんだい?」
「俺、実はえーカップ萌えなんだ」
「えっと…どういう事だい?」
「いつぞやの…というより毎日の2人乗りの時に押し付けられるお前のおっぱいはそりゃぁ完璧なまでに俺好みの大きさだったぞ」
「そ、それって…」
「佐々木!おっぱい云々関係無しに愛してるぞ!」
「僕もだよ、キョン。こんな僕で良ければ是非とも幸せになろうじゃないか」

カラ~ン…カラ~ン…
こたえ~はいつもぼ~くのむね(おっぱい)に…♪

その年の7月、彼女の胸は彼の手によって凄まじい変化を遂げる。後の7月革命である。

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[[5-222「僕のおっぱい:後日談」]] へ、続く?

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最終更新:2011年11月04日 02:15
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