詩歌藩国 @ wiki

ドラゴンシンパシー

最終更新:

raiilu

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L:ドラゴンシンパシー(職業) = {
 t:名称 = ドラゴンシンパシー(職業)
 t:要点 = 手、目をつぶる、思いを伝える
 t:周辺環境=竜
 t:評価 = 体格2,筋力2,耐久力1,外見1,敏捷3,器用3,感覚6,知識3,幸運0
 t:特殊 = {
  *ドラゴンシンパシーの職業カテゴリ = 派生職業アイドレスとして扱う。
  *ドラゴンシンパシーは遠隔地にある龍の声を送り、あるいは龍の声を聞くことが出来る。この行為は感覚で判定する。
 }
 t:→次のアイドレス = 龍の乗り手(職業),サファイアラグーンの発掘(イベント),龍の使い(職業),白眼視(強制イベント)

ドラゴン。古くは神の化身とされ、あるいは悪の権化とされる。
それは幻想の象徴そのものであり、人は時代を超えてその姿に夢を託す。


空を仰げば短い夏を嘆くように太陽は雲に隠れ灰色の空。
幼い日に見た竜の姿を幻に見て私は憧憬とも哀愁とも取れぬ溜息をついた。

──フレデア・レイキャビク


ドラゴン:

ドラゴンシンパシーについて説明するならば、まずドラゴンについて述べなくてはならない。
あなたがドラゴンと聞いて思い浮かべるのは、いかなる存在だろうか?
私にとってのそれは、翼が生えて口から火を吐くトカゲの親分となる。

古今東西、ドラゴンとその仲間とされる存在は神話に民話、御伽噺から現代の創作にまで幅広く姿を見せている。

火の精霊と同じ名を持つ竜──サラマンダー。
前足が翼と一体化し、尻尾に毒の針を持つ竜──ワイバーン。
手も足もなく、翼の生えた蛇のごとき姿の竜──ワーム。

東に目を向ければ大河の化身とされる龍が名を残し、西においては幾多の英雄が挑んだ恐るべき怪物。
その意味するところの多様さが、人がドラゴンに託した複雑な思いを示している。
人はドラゴンを恐れ、敬い、嫌悪し、けれど憧れてきたのだ。

その爪は数多の魔獣を引き裂き、その吐息は岩をも焦がし。
その翼は何ものにも縛られず、その寝床には莫大な富を蓄え。
いわく、竜の血を浴びたものは不死の体を得るとも、無限の知識を得るとも言う。
人知を超えた獣。伝説の中の存在、それがドラゴンである──だった。


手を重ね胸を押さえて目を閉じれば蒼穹の広がる天の海。
思い伝えれば雲の波立ち日の光浴びて竜が飛ぶ。


竜と人:

ドラゴンが伝説の霧の中から姿を顕した時、人の反応は様々に分かれた。
ドラゴンシンパシー、それはドラゴンと共に歩む事を選んだ人を言う。
ドラゴンと共に暮らし、笑い、泣き、喜び、悲しみ、生きて死ぬ。
人同士でさえ困難な偉業、人と竜が分かり合える事を夢に見て、そのために一生を費やす道を選んだ者。
空を飛ぶこと叶わず脆く儚い人の身で、ただ心だけは。
その想いだけは竜と共にあると、己に誓ったものを言う。


これは言い換えれば、ドラゴンとの十分な信頼関係が無ければ、本機を思い通りに動かすことは到底不可能ということを示している。そのため、本機の乗り手となる者は、素体となるドラゴンが幼いうちからまめに面倒を見てやったり、共に訓練を重ねたりするなどして互いの絆を深めておくことが求められる。

──アルトドラゴン設定資料より


物語る国の竜:

詩歌藩国のドラゴンと言えばドラゴンデパートからやってきたメタルライフのコウタさんであり、そのコピーとしてのアルトドラゴンを言う。
機械の体を持つこのドラゴンはそれゆえに高度な知性と理路整然たる思考形態を備え、(高度すぎて)長らく本当の意味での意思疎通は成し遂げられなかった。
パイロットも整備員もドラゴンを大事に扱ったが、その胸の内までは知る由もなかったのである。

この国ではドラゴンは大切な隣人であった。
最初のドラゴンを迎えた時、感動の余り狂乱状態になった技師がいた。
ドラゴンと人が対立せずに済むよう、たくさんの人間が尽力した。
なのに、心だけは通じていない。

そんな事は悲しすぎる、と誰かが言った。
ドラゴンは優しい、と言った少年がいた。
人の姿を持つ竜になると誓ったものがいた。

人は竜の心を知りたいと願った。
竜はどうだっただろうか。
──ああ、それこそを知りたいのだ!


それはとても簡単な事なのになぜ伝わらないのだろうと不思議に思う。
けれどあるいはそれで誰もが苦労しているのか言葉とは余りにも不自由に過ぎる。


物語る国の共感者:

かくして、竜の心を識るものが現れた。
それは国の中から、あるいは国の外から、自然と生まれてきた。
竜の心を知りたいと、そのために一生を捧げた者がいたゆえの必然に。

人の身でありながら竜と心を通わせる。
竜と共に生まれ、竜と共に歩み、竜と共に死ぬ、それは人の姿をした竜。
それがドラゴンシンパシー。

だが残念な事に、人はドラゴンシンパシーの心を理解するにいたっていない。

とはいえ、落胆する必要はないだろう。彼らはその溝を飛び越えたのだから。
いずれは人と人の心も通じ合うと信じ、日々邁進するのみだ。
人と竜の共生は、まだ始まったばかりである……。

文:九音・詩歌
絵:駒地真子、経
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