サブタイトル個別 ウルトラQ 第4話


マンモスフラワー
ジュラン(カラー)
ジュラン(モノクロ)

解説ブックレットより

●ウルトラQ第4話(製作No.1)1966年1月23日放映
●登場宇宙人・怪獣 巨大植物ジュラン
●この「マンモスフラワー」から全ては始まった。今なお続く「ウルトラシリーズ」の礎となる『ウルトラQ』は放送順こそ違えど、撮影自体はこの作品からである。当初は『ウルトラQ』ではなく『UNBALANCE』というタイトルであった。そう、自然界のバランスが崩れたらどうなるか?というミステリー色の強いものであったのである。日常にある花が都会の真ん中で自然界のバランスが崩れて巨大化してしまう、まさに「アンバランス」、30分間の不思議な世界への導きの始まりであった。
万丈目淳役/佐原健二氏

補足

●ダイジェスト
東京駅にほど近いオフィスビルで謎の地震が発生。皇居のお堀には植物の根のようなものが浮かぶ。やがてビルを割って巨大な植物が出現した。「マンモスフラワー」と名付けられたその植物は、大きな花を咲かせ、毒花粉をまき散らし、吸血根で人を襲った。
●古代植物ジュラン/身長100メートル・体重0.3万トン
東京丸の内のビルの下に眠っていた古代植物の球根が地殻変動により発芽した。
●大改修が行われ新幹線が走り始めた頃の東京駅。そこから流すカットの角度から想像して、ジュランの出現したビルは、今の丸の内センタービルや三菱UFJ、住友信託あたりでしょうか?
●巨大な花を咲かせるジュラン。彩色版では鮮やかな赤に。ま、やっぱり花っていうと赤ですよね。さて、実際に花を咲かせる植物(被子植物)が本格的に進化したのは、名前の由来と思われるジュラ紀よりも後の白亜紀。ジュランは更に昔の、石炭期に隆盛を誇ったシダの巨木を思わせます。むしろ、そこから被子植物とは別系統で進化したのかも。花や花粉と呼ばれるものも、形態的に酷似しているだけで、実はまったく違う器官なのかもしれません。
●管理人にとって、植物モノは意外と怖さのツボです。ジュランは、当時ジャイアントロボにも似たようなのがいて、それと記憶がごっちゃになり、かなり怖い話というイメージが子供の頃はありました。だから、グリーンモンスやケロニアもかなり苦手。ワイアール星人などは、再放送の時、見ようか見まいか悩んだほどです。
●ナメゴンのときはただの博士だった一の谷博士、その名称が初登場。しかし今回の主役はちょっとエキセントリックな源田博士。そりゃ専門家にしてみれば、古代生物の生きた標本、何が何でも保守保存したいと考えるのは無理ありません。ジュラン退治には、その源田博士考案の炭酸ガス固定剤が使用されます。そもそも植物が炭酸ガスを固定している存在ですが、それ以外だと珊瑚などが作る炭酸カルシウムでしょうか。ジュランの枯れる様子からして、この薬剤は植物の内部に入り込み、二酸化炭素と反応して急激に石化現象を引き起こすような作用があるのでしょう。とにかく、かなり物騒なシロモノ。こんなものを空からまいちゃって…下でのんびり見物している人達は大丈夫だったのでしょうか。少なくとも丸の内周辺の植物は全滅したと思われます。




最終更新:2009年03月02日 12:47