サブタイトル個別 ウルトラQ 第15話


カネゴンの繭
カネゴン(カラー)
カネゴン(モノクロ)

解説ブックレットより

●ウルトラQ第15話(製作No.21)1966年4月10日放映
●登場宇宙人・怪獣:コイン怪獣カネゴン
●シリーズ28作の中で私(万丈目)が唯一出演していない作品である。「主役が出演しない作品などあるのか!?」というのが当時の私の正直な感想であった。しかも当時、私は東宝からいわゆるレンタルという形で「約半年間」という契約でこのシリーズを撮っていた。しかし全てが手探りの状態であったために、思った以上に撮影時間がかかり、結局のところ約1年間という月日が費やされたのだった。
この「カネゴンの繭」の時は、ただでさえ10日で2本撮るはずの撮影が押しにおしていたのだが、東宝の演技課から台本を取りに行くと「次の話は1回休み」と言われ“そういうこともあるんだろう”くらいの気持ちでいたのだが、そのまま約1ヶ月近くもこの1本の撮影が長びくことになった。いつ次の作品に入るかわからないので1ヶ月間、旅行に出られるわけでもなく、沸々とした何もしない休みになってしまった事を今でもはっきり覚えている。
俺の主役の座を奪ったその怪獣はどんな奴だ!そう思ってゴジラみたいなごっつい奴を想像していたが、後に彼と対面する機会があった。あの目、あの口、あの姿。その瞬間に私は全てを許したのだった…。
万丈目淳役/佐原健二氏

補足

●ダイジェスト
金男少年はお金を集めることが大好き。仲間のバザールごっこのガラクタから、振るとお金の音のする不思議な繭を手に入れる。夜が更け、部屋いっぱいに大きくなった繭に小躍りする金男少年。いくらに増えたかなと繭の中を覗き込んだところ、そのまま繭に飲み込まれしまう。奇妙な夢のような時間が過ぎ、朝を迎えた金男少年。目が覚めると、前夜に両親が話していたお金を食べる怪物、カネゴンに変身していた。
●コイン怪獣カネゴン/身長2メートル・体重200kg
「人の落としたお金を黙って拾うとカネゴンになる。頭は金入れ、身体は火星人、目はお金の方へ向いてピョコーンと2本飛び出し、口は財布のジッパーなら、身体は銅貨の銅みたく赤光りする怪物で、ゴジラみたいな尻尾には○○までついてるんだぞ」(金男父談・○○の部分だけどうにも聞き取れません)。お金を食べるとレジスターのような音を立てて胸のカウンターの数字が増え、お腹が空くと減っていく。「こいつはお金がご飯になっちゃったんだ。ここ(カウンター)が0になってみろ、飢え死にしちゃうんだぜ」(友人談)。「カネゴンの願い(人間に戻る)は、ヒゲ親父が逆立ちしたとき、叶えられるぞよ」(祈祷師談)。


●銀行(BANK OB JONAN)を襲って(?)しまったカネゴン。コイン怪獣の通り名らしく、お札にはまったく興味が無いようです。友人の持っていた外国硬貨を、違った味とかなんとか言って食べてました。金貨や小判など、すんごいご馳走に見えるのでしょうか。
●「××なら○円」なんて会話が飛び交うこの話数。この当時、子供が買うようなお菓子やアイス、パンなど、大体10円〜20円でしたね。30円するのは高級品wってイメージでした。オイルショックの頃、このあたりの商品が倍くらいに値上がりして、子供心に経済というものを感じたものです。
●「カネゴンの繭」はファンタジー性が強く、明るいコメディな内容で、Qの中ではどちらかと言えば異色の部類に入りますが、世間一般で最もメジャーなQ作品・怪獣というと、やはりこの「カネゴンの繭」と「カネゴン」ということになるのでしょう。カネゴンはもちろんですが、友人の子供たちや両親・ヒゲ親父など、皆キャラがたっていて、やはり何度見ても楽しい作品です。特に子供時代がこの話に近い自分は、この頃は学年の違う子供が何人もこうやって集まって、毎日のように遊んでいたんだようなぁと懐かしく感じます。






最終更新:2009年05月11日 13:54