サブタイトル個別 ウルトラマン 第15話


恐怖の宇宙線
ガヴァドンA
ガヴァドンB対ウルトラマン

解説ブックレットより

(ウルトラマン編1〜3はブックレットが付属していません)
●ウルトラマン第15話(制作No.14)1966年10月23日放映
●登場宇宙人・怪獣:二次元怪獣ガヴァドンA、B
●ガヴァドンB(ファイナルCE)
少年ムシバが最初に描いたガヴァドンは、世間の常識からかけ離れた怪獣だった。まるで、深海の得体の知れない生物か、蚕か毛虫の化物といった感じで、色もなく、つかみどころもなく、光の届かない彼方からの使者のようであった。ひどく、世間的常識から遠いものだった。それは、何にも囚われない自由な発想の産物で、どう処遇したものか、世間を戸惑わせた。ところが、宇宙線がふりそそぎ、その無垢なフォルムが世間に知られると、仲間の少年たちも加わり、奔放無垢な発想は消えてゆく。いわゆつ、怪獣らしさとか、世俗的な概念や言論が少年たちの発想に枷をはめてくる。いわば、彼等は大人への関門をくぐってしまったのである。従ってガヴァドンのBタイプには、もう奔放な精神は宿らない。これが、佐々木守の言いたかった、「宇宙線の恐怖」のひとつのテーマである。“らしさ”とか、“うまさ”とか、“あるべきかたち”といった類の世間的な手垢のついた怪獣のイメージが、少年の発想を駆逐する。書にせよ、絵画にせよ、幼い頃の自由さは二度と大人には戻って来ない。暴れず、眠るだけ、というところにBタイプの怪獣はかすかに少年の心を残しているだけなのである。
ウルトラマン監督/実相寺昭雄氏

補足

●別角度画像




最終更新:2008年06月19日 00:12