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無意識はあるか

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匿名ユーザー

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 その無意識に暗示をいれるという説のどこがおかしいのか考えて見たいと思います.そもそも,無意識という言葉が心理学ではほとんど使われません.なぜなら,無意識を仮定するとどんな現象でも説明できてしまうからです.例えば,何気ない仕草や何気なく言った言葉を解釈して,相手にレッテルを貼っても,そのレッテルを貼られた相手がどんなに反論しようとも,無意識という言葉を使えばそのレッテルをはずす事はできません.このような理論は反証不可能な理論と呼ばれていて,科学のようだが科学ではない似非科学で使われています.つまり,無意識を使った催眠の説明は,心理学のようで心理学ではない似非心理学なのです.

こういう話をすると,フロイトの精神分析は心理学ではないのかと聞かれます.多くの人が心理学の代表だと思っているフロイトの理論は,実のところ似非科学的な部分を持っています.フロイトが心理学に与えた影響はあるし,全てを否定するわけではありません.また,精神分析の理論はその後様々に議論されてきて,きちんと反証できる形で学問として成立しています.しかし,心理学の主流ではないでのです.

このように,無意識で説明された催眠の理論は,似非心理学でありそれがずっと催眠の理論のスタンダードでした.それでも,とりあえず催眠はできるようにはなるのですが,心理学の催眠理論は,その仕組みを理解すれば催眠だけではなく他のことにも応用できます.もし,心理学の催眠に興味はなくて,無意識の理論が好きな人がいれば,この先は読まずにこの本を閉じて,他の催眠書籍を読んでください.もし,心理学的な催眠に興味のある人は,最後までおつきあい下さい.決して損はさせません.
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