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Clark L. Hull

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ハル,クラーク 1884-1952


アメリカの心理学者。1913年 Michigan大学を卒業し、Kentucky州の州立師範学校に就職するが、その後Wisconsin大学のJ. Jastrow教授の助手となる。のちに、この大学でのハルの催眠実験にミルトン・エリクソンは出会い、催眠を始めることになる。

1920年、論文『概念進化の量的側面』で博士号を取得。この論文の元になった実験では、被験者に漢字の分類課題と成否のフィードバックを繰り返し行い、意識的な(または言語化できる)規則の表象がなくても、経験だけで概念を学習できることを示した。

1928年 『適性検査』を発表後、1929年Yale大学付属心理学研究所の教授に就任、条件づけ原理に基づく新しい行動理論の研究に没頭する。1933年『催眠と被暗示性』では、ハルは弟子20名と実験チームを作り、世界で始めて正確な実験方法による催眠現象の検証が試みられた。

1935年にはアメリカ心理学会会長に就任。1940年に『機械的暗号学習の数理・演繹的理論』を発表。この書は心理学を、ユークリッドの幾何学やニュートンの「プリンキピア」に倣い、公準と法則からなる数学的公理系にまとめようとしたもので、ハルの仮説演繹的理論の特徴がよく出ている。この書では対象は機械的学習に限られていたが、後に1943年の『行動の原理』で一般的な心理学まで広げられた。これらの先駆的研究により彼の仕事は、のちの数理心理学の基礎となっている。
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