「おや橘さんに九曜さん、いったい何を読んでいるんだい?」
「こんにちは佐々木さん。今日は従姉妹のお姉さんからウェディングドレスのカタログを借りてきたのです」
「――素―――敵――――」
「お嫁さんは今も昔も女の子の夢なのです。私も頑張らないといけないのです」
「くっくっ、橘さんらしいね。だが、そういうことなら僕も結構頑張っていたりするんだよ?
料理ならそんじょそこらの女性には負けない自信があるし、掃除や洗濯、裁縫も一通りはこなせる。
お茶やお花もかじったし、最近は日本舞踊なんてものにも手を出しているんだ」
「―――!?」
「そ、そんな!?」
「くっくっ、まあ君たちも、そろそろ女を磨く努力というものを……」
「それだけやってもまるで無駄なんですか!?」
「――道―――は――――厳しい―――――」
「……二人とも、怒らないからちょっとこっち来ようか」
最終更新:2007年07月20日 21:10