佐々木VS長門
ふとしたきっかけで佐々木を伴って、長門宅での食事に招かれたのだが・・・・・・。
俺は今、長門の部屋のコタツで独り、台所に立つ二人をぼんやりと眺めていた。
「わたしがやる」
無表情な長門の声にはどこか、強い意思が含まれているようだった。
「いえ、私も手伝います。手持ち無沙汰にコタツに入っているだけだと、どうも悪い気がしちゃって」
笑顔で長門に対峙する佐々木の声からは、対女子用の柔らかい女の子口調だったが、何となく硬質な
毅然とした印象を受ける。
「気にしなくていい」
「ううん。そっちこそ気を遣わなくていいのよ?私、こう見えて結構料理得意なんだから。」
一歩も譲らない二人。かれこれ三十分になる。俺の腹の虫も、大概鳴き疲れてきた。
全く、なんなんだろうね。この妙に意固地な二人は。
「ねぇキョン。僕のコックとしての腕前が中々のものなのは、君もよく知っているだろう」
なぜ俺に話を振る
「・・・・・・」
そして長門、なぜ俺を見つめる。心なしか瞳の奥に冷たい光を感じるのだが、気のせいか。
最終更新:2008年01月29日 20:44