橘「換気ですか」
佐々木「そう、空気を入れ替えないといけないね」
九曜「―――存在が……空気―――」
藤原「そうだな、あんたはたまに空気みたいに存在感がなくなるなw」
佐々木「ふむ、存在感か。活字の世界で表現される我々にとっては、存在感を出せるかどうかという点に
自己の存在そのものがかかっているともいえるわけだね」
橘「わぁーっ佐々木さん、さらっとメタなこと言わないでくださいっ!
わたしたちにとってわたしたちは虚構でなく現実なのです」
九曜「―――虚構……たん―――」
佐々木「しかしだよ、我々の「現実」が虚構であるかどうかを我々は確認する事ができない以上は」
橘「確認できないのなら、現実ということでいいじゃないですかー」
佐々木「そう、それだよ橘さん。我々はこうして発言して存在感を残していくしか、自己の存在を保証する
すべがないのだね。いわゆる「地の文」に関しては、我々が干渉できることではないのだからね。
おっと、橘さん、みんなが見ている前でそんな恥かしいところをまさぐるのはよくないよ」
九曜「―――カ・イ・……カ・ン?――」
橘「!? まっ、まさぐってませーんっっ!!いきなりなんてこと言い出すんですか!!
それに周防さんも誤解を深めること言わないで。ていうか古いです。薬師丸版知ってるの?」
佐々木「ほら、こういうことだよ。我々の存在を虚構として上位世界から俯瞰している存在から見れば
橘さんがあわてて否定しない限り、僕の言ったことの方が現実ととられかねないわけなんだ」
橘「でも、涼宮さんの力を受け継いだ今の佐々木さんがそういう考え方を持っていると、
この現実を虚構に変えてしまうかもしれないじゃないですか」
九曜「―――ホントが……嘘に――かわる……世界で―――」
佐々木「なるほど、そういう面でも僕は虚構を現実に変える涼宮さんとは逆なのだな。やはり僕が涼宮さんの
能力を持つのは良くないことのような気がするな」
橘「そそそそんなことはありませんっ!能力戻さないで下さいよ苦労したんだから!
それに今周防さんが歌ってたじゃないですか。ホントが嘘に変わる方がアニメの曲ともあっていますっ(周防さんナイス)」
佐々木「くっくっ、橘さん、今きみは現実と虚構の境界をふみこえたよ」
橘「えっ?あ、わかった!またさっきみたいに嘘を言って、否定しないと既成事実になるってやつでしょう」
国木田「えーと、こういう事じゃないかな。アニメというのは僕たちが出てくる世界のことだから、
アニメの曲について話すということは、そのアニメを見ている、僕たちの世界より一つ上の階層の立場での
発言ということになるってこと」
橘「あ、なるほど。うかつでした」
佐々木「それがたまたま橘さんの過失なのか、僕が涼宮さんの能力を行使してしまってすでに世界の枠組みがかわったせいなのか
世界の中にいる僕達には知るすべはないんだけれどね」
国木田「あの、ちょっといいかな。佐々木さんだよね、久しぶり。ところで僕はなんでこんなところにいるんだろう、おかしいなあ」
橘「あれっ、あの未来人さんは?さっきから存在感が感じられなかったと思ったら」
佐々木「どうやら彼に入れ替わっていたようだね。国木田、君も飄々としすぎてて、黙っている君のことに気付かなくて失礼したよ。
ところでいつ頃からいたのかい?」
九曜「――空気の……入れ替え――」
最終更新:2008年05月19日 09:55