34-440「副団長の恋愛」

土曜日僕は、SOS団の不思議探索で、彼=キョンさんと二人きりでした。
彼は何かを探すようにキョロキョロしていました。最近そんな怪しい行動が目立ちますね。
「何を探しているのですか?」
「別に。俺のことは一々気にするな。古泉」
「隠してもわかりますよ。愛しの佐々木さんを探しているのでしょう」
「別に佐々木が愛しいわけじゃない。ツインテールや僕っ子やコンブがストーカーしているんじゃないのか心配なんだ。
奴等が不意に現れると心臓が止まる。出るなら出るで早く出てくれないかな。そうじゃないとこちらの気が休まらない」
「現時点で彼等が危害を与えることはありませんよ」
そういや、藤原さんはどうしたのでしょうか?
「それはそうだろうが、ウザいというか迷惑というか」

「やあ、キョン」
「待ってました。じゃなくて今日は何の用だ佐々木。電話じゃ駄目なのか?」
「今日は僕じゃなくて僕の友人が古泉君に用があるんだ」
ばったり会ったのは、佐々木さんとその友人(女)です。
「キョン、そして古泉君。会えて良かったよ。くつくつ」
「もしかして俺をストーカーしてたのか?佐々木」
キョンさん。本当に嫌がってるのですか?すごく嬉しそうです。涼宮さんがやきもちをやくのも当然です。
それに、佐々木さんから陰謀の匂いを感じるのは気のせいでしょうか?
「この人は僕の中学からの友人で〇〇さん(オリキャラ注意)と言うのだよ」
「おう、〇〇か、久しぶり」
その友人は彼の元クラスメートでもある女子で、佐々木さんと同じ高校に行っていました。
「初めまして、〇〇さん。よろしくお願いします」

彼女は言う。
「古泉君。私はあなたを先日一目見た時から好きになりました。付き合ってくれたら嬉しいな、なんて。あはは」

佐々木さんの友人は感じの良い人でした。こういう人とはもっと親密になりたいです。
集合時間ギリギリまで4人で楽しみ、次の日曜日に佐々木さんと彼を交えたダブルデートすることになりました。

そして、月曜日
「いやー、久しぶりに青春を楽しみました。佐々木さんの友達は感じの良い女性ですし、また話をしたいですね」
「そのことなんだが『今度また佐々木と俺も入れて4人で会おう』という話があるんだが、どうだ?」
「良いですね。は?後ろに殺気が……」

「古泉くーん。昨日はお楽しみだったらしいね―。副団長としての心構えがあるのかしら?」ビキビキ
団長殿がご立腹です。
「いえ、あの」(あなた、涼宮さんを怒らせること何かしたのですか?)ヒソヒソ
(別に)ヒソヒソ
(閉鎖空間発生してなかったので油断してました。涼宮さんの精神は既に沸騰点超えてます)ヒソヒソ
「何、団長に隠れてコソコソ内緒話しているの?」ビキビキ
「いえ、別に」

「副団長が女の子と付き合い出したら、誰とは言わないけど、平部員に示しがつかないじゃないのよ。そこを判っているの?」
どうやって情報を手に入れたのでしょうか?疑問です。
「僕と彼女は出会って間が無いですし。まだ正式にはおつき合いしていないストイックな……」
そういえば、恋愛禁止なんてルールありましたね。すっかり忘れてました。

バン
「誰とは言わないけど、エロい団員がいて、そいつが何でもありになるのが目に見えているじゃないのよ。SOS団から強姦魔を出すつもり?」
涼宮さん。彼のことを全く信用してないですね
「すいません、浮かれてました」
最近、機関の一員にして超能力者という僕の立場を忘れてました。
「谷口のことか?その谷口が佐々木に手を出そうとした時にはお前、『恋を応援してやろう』と言ってたよな」
「エロキョンは黙ってなさい」

「えーと、佐々木との用事があるから早退する。じゃあな」(怖いから逃げよう)
「ちょっと待ちなさい、エロキョン」
「え?キョンくん。それはあんまりですよ」
逃げましたね。わざわざ火に油を注いだ後で。朝比奈さんはオロオロするだけで、こんな時に鶴屋さんがいれば……
そういえば、長門さんは?

「古泉君には、副団長としての心構えを、たーっぷり植え付ける必要があるわね」

トルルル
「あ?バイトですかね?もしもし」これで逃げれます
『バイトには来なくて良い。涼宮さんに変われ、古泉』
「森さんですね。涼宮さんに代われ?」
「貸しなさい古泉君。森さんですか。もしもし、はい。判りました」

「森さんが古泉くんの精神を鍛え直して欲しいって。というわけで罰ゲームいくわよ」
怖いです。彼が恋人にするのを躊躇するのも理解できます。
「そう言えば、長門さんがいませんね」
「古泉くん。誤魔化しても無駄よ」
その頃、彼と長門さんは下校中。(以下、工作員報告)

「長門。お前も早退か?」
「……佐々木と……会うの?」
「いや、ただの口実で、別に会う約束してない。そうだ、一緒に本屋にでも行くか?」
「……行く」

その日のことが涼宮さんや佐々木さんにバレれば、さらに厄介なことになるのは必至です。
ちなみに、佐々木さんには橘さんの組織を通じて丸バレでした。

「やあキョン。今日は長門さんとデートかな?くつくつ」ビキビキ
「そういうわけじゃないが」(佐々木怒っているぞ)ガクガク
長門さんは彼の袖をつかむ。
「参考書買いたいので一緒に選んでくれないか?佐々木は忙しそうだから誘わなかったが、佐々木がいてくれれば百人力だ」
クイクイと彼の袖を引っ張る長門さん。
「もちろん長門がいてくれたら百人力。合わせて二百人力だな。うん」
ビシビシと火花を散らす佐々木さんと長門さん。後に藤原さんは『それが見れなくて残念』と言ってました。

「---オンブ----」
「オンブって、急に現れて乗っかるな九曜」
「何デレデレしているのかな?キョン」
「……不潔」
いやー、彼がうらやましい。できれば代わって欲しいです。
(終わり)

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最終更新:2008年07月08日 20:34
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