最近、二つばかりやってみたことがあるんだ。
結果から言えば一つは正解。二つ目はまだ結果が出ていないから保留としておきたい。
「おい佐々木」
「くく、なんだいキョン」
以前よりも。
「いや。多分気のせいだ。すまんな」
「そうかい?」
正確に言えば、九月、プールの最終日だったかな? その頃に発生したとあるアクシデント以降だね。
僕は少しだけあからさまになった。
少しだけ、あからさまに彼を見つめるようになった。
以前のようにそしらぬ顔で見るのではなく、かといって別に熱視線と言うほどではない。
ただ、キミを見ているという事を僕は隠さなくなった。
ただそれだけの話だ。
どうもね。僕はキミが視界にいるという事が思ったよりも心嬉しいらしい。
いつものように「笑顔を作っている」つもりが、気がついたら、ただ笑っている自分に気付くようになったんだ。
だから、それをあからさまにしてみた。
それだけの話さ。
それからしばらく。
キミの耳は少しだけ紅潮するようになった。
だから、……だからというには理論的ではないかもしれないけれど。
だから、僕は進路に「北高」と書いた。
これが二つ目のトライだ。
もう少しでいい。
キミが僕の視界に居てくれると嬉しい。
その事がキミに伝わるのが、キミの体温に影響を与えているのが、キミの思考の中に私がいるのが、ほんの少しだけ嬉しいように思えたから。
『佐々木、お前、その変な喋りを止めたらさぞモテるだろうに』
なんて言いながら、その変な喋りに付き合ってくれるキミが好ましいと思えたから。
だから進路に北高と書いた。
悪いね。それだけのお話なんだ。
)涼宮ハルヒの憂鬱に続かない。
最終更新:2012年12月31日 01:13