4-501「実は佐々木はキョンのことが大嫌い」

「ああ、キョン、何も最初から君のことが嫌いだったわけではないよ。最初の頃は
かなりの好意があったのさ、君のそのガツガツしないところにね。キョン、僕はね、男
というもののあの必死さが大嫌いなんだよ。それが本能に即した生物として正し
い行動であっても、人間という理性によってここまでの文明世界を築いた存在に
しては、あれは下品すぎると言えるよ。もちろん、それが生物として社会としての
活力のひとつになってることまでは否定しないがね、滑稽すぎる」
「しかし君は逆に、あまりにもそちらの方面が希薄すぎる。僕が、あの1年の間に何度
婉曲なアプローチをしたと思っているのかい?最初の頃はすばらしいとさえ思えた
君の紳士ぶりも、いつしか憎しみの対象になってしまうほど、君は淡泊すぎた」
「しかし、それは若さというより幼さのせいでもあると、僕は自分を納得させたよ。
君も僕も、これから長い未来がある。多少の回り道でも、そう高校が別になろう
とも、僕に相応しいのは君だけだし、君の良さが分かるのも僕ぐらいだから、きっと
再会することができると。そのために、漠然とした計画とも言えない計画を考えて
いたのさ。僕はそれだけを楽しみに、高校生活を送っていたんだよ」
「そんな僕の耳に、なにが入って来たと思う?そう、涼宮ハルヒの噂さ。そこには
必ず彼女のパートナーとして、君の名前がもれなく付いていたよ。特に、東中時代
の彼女を知る人にとってはね、君の存在は奇蹟のようなものだと。彼女の変化は
間違いなく、君の影響だとそれはそれは高い評価だった。そして僕はね、自分でも
嫌になるほどの嫉妬を感じた。くっくっ、表面上はいつものように振る舞っていたけど、
僕は自分の精神がおかしくなるんじゃないかと思ったよ。だから、そんなときに僕の
前に現れた橘さんたちを見て、こんなはっきりとした妄想をするなんてと自殺しかけ
たほどさ」
「色々と説明を受けたが、僕にとってもっとも重要だったのは、涼宮ハルヒのパートナー
は君だということだよ。神とかそこに宿る力とか未来人や宇宙人なんてものは、実際
にはどうでもいいことだった。僕が欲しいのは、君だけだったんだよ、キョン。だから、僕
は彼女たちと手を組んだ。橘さんは神の力を涼宮ハルヒから奪うこと、そして僕は
涼宮ハルヒから君を奪うことを目標としてね」
「そして、実際にこうやって神の力は奪うことはできた。でもね、君を、君の心を彼女
から奪うことはできなかった。うん、実に勝手だとは思うがね、キョン、僕のモノに、
僕のパートナーになってくれない君なんて、そしてそんな君がいるこの世界なんて、
僕は大嫌いだよ!」
という佐々木の宣言の後、世界は消滅した。
そう、無になった。
ハルヒが世界を創る創造神だったわけだが、それと対になる存在だった佐々木が、実は
破壊神だったなんて、なんてベタなオチだよ。
やれやれ。

という夢を見たんだが、どう思う古泉?
ああ、佐々木の長口上は長門に頼んで書き起こしてもらったんだ。
「ライトノベルの読み過ぎです。そして」
そして?なんだ?
「死んでください、このフラグクラッシャー」
チャンチャン♪

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最終更新:2007年10月11日 21:48
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