26-600「据膳は黄泉の味」

良く言うだろう「据膳食わぬは男の恥」と。でも、いつも無料で食えると思ったら大間違いだ。それどころか・・・

いつの頃からか、俺は気付いていた。俺の回りの何人かの女は、俺が好きなんだと。そして、求めれば、体を許してくれそうだと。特に、佐々木はガチだ。
というか、何度か、向こうから誘惑してきた節があった。
というわけで、俺は自分の欲望を満たすため、佐々木をデートに誘い、そして、ホテルのベットで楽しい夜を。
「君が僕を選んでくれてうれしいよ、本当に。くつくつ」
佐々木はうれし泣きをしていた。
これが、第二の欲求を満たすということか。とても、良いです。今度はハルヒで試してみるか。うん
(君が何を考えているか、お見通しだよ。残念ながら、そうはいかない。当初の計画を実行に移すからね。くつくつ)

次の月曜日
「よう、ハルヒ」
「気安く声をかけないでよ」
なんだろ、あの日か?ハルヒを落とすのはまたの機会にするか。
ハルヒにばれないように気をつけて、朝倉あたりにアタックするかな。

その日席替えがあり、ハルヒと俺は離れ離れになり、6月頃に復活した朝倉が隣りに。
俺は隣りの朝倉に話しかける。最初は世間話だったが。
「なあ、朝倉。一緒に旅行でも行かない?」
「とう行った風の吹き回し?」
「旅行、楽しいと思うぞ」
「そうね。行ってみても良いわね」
うん、やっぱり朝倉もヤレそうだ。

昼休み。朝倉はハルヒに呼ばれた。しばらく話していたが、やがて朝倉が俺のところにやって来て。
ガフ 朝倉のナイフが俺の机に刺さる。笑顔を絶やさないが、殺気をビンビンに感じる。
「危うく騙されるところだったわ」
えーと、えーと

バーン
「少年っ、年貢を納めるんだってねっ」
ハルヒの次に声のでかい女がやって来た。
「キョンくん。結婚おめでとうございます」
マイエンジェル朝比奈さんも。え?結婚?

「解説は僕がしましょう」
おう古泉。どういうことだ、説明してくれ。
「あなたと佐々木さんの結婚式の招待状が配られてます。僕の所には先程着きました。
先日、佐々木さんと一つになられたそうですね。責任取って結婚してあげて下さい」

「キョンくんったら酷いのよ。さっきまで、あたしにモーションかけていたのよ。危うく騙されるところだったわ」
「あたしの所には招待状来ていたけれど、朝倉の所はまだだったのよ」
「浮気は良くないのね」
「キョンくん。酷いです」
「お仕置だっね」
「キョン。あんたは佐々木さんと一生添い遂げるのよ。今度浮気したら、団長自らあの世に送ってあげるわ」
「キョンくんを刺すのは、わたしの役目よ」
「・・私も手伝う」
長門、いたのか。お前まで俺を殺すのか
「揉み消しは鶴屋さんに任せるにょろ」
「まあまあ、今回は執行猶予で、次回からは早い者勝ちということで」

お前ら、そんなに俺を殺したいか。
確か、冥界で食事したら、現世に帰れなくなるんだったな。佐々木の据膳は、結婚という人生の墓場に連れて行くものだった。
俺は、冥界の神様の所に嫁に行った、女神様の名前が何であったかを、必死で思い出そうとしていた。
(終わり)

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2007年12月29日 00:12
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。