特異点

とくいてん

の世界観(神座万象シリーズ)における用語。

の支配、世界法則に属さない場所の総称。
どのにも属さない無色の世界。の影響から脱しているがゆえにそこでは法理は受けない。
例としてPARADISE LOSTなら堕天無慙楽土/堕天奈落Dies iraeなら永劫水銀回帰/永劫回帰神咒神威神楽なら波旬大欲界天狗道/大欲界天狗道黒白のアヴェスターなら善悪二元真我/二元論に属さない場所の事。

世界に穿たれた孔の中、事象へ影響を及ぼさない無色の空間。世界が耐えきれず破れた先。どこでもない場所。覇道の鬩ぎ合いが臨界を突破した先。踏み入った神格に対して何一つ、僅かとして影響を及ぼさない無窮の闇。万象のへ至るための(みち)
覇道太極とは、喩えるなら絵を描く行為に酷似している。みずからの理という色をもって、世界という画布に望む情景を描きあげること。ゆえに当然、絵という概念に付随する諸々が適応される。例えば、同じ箇所で何度も重ね塗りをしていると、筆圧によって画布に穴が空く。
覇道太極のぶつかり合い、異なる法と法の鬩ぎ合いが起こった場所では、世界がその圧に耐え切れず、穴を生じさせてしまう。
そうした場所を、特異点と言う。
覇道の衝突で既存の色を押し流して発生する無色透明な空。

特異点という「穴」があけば当然当事者は「落下」する。そして落下の果てにたどりつくもの、穴の底こそが当代の神のに他ならない。空を染め上げた天は、奈落の奥の奥にこそ存在している。つまり座に到達するためには特異点を生み出せる資格を持っている必要がある。
「穴」の深さはその代における神格の強さに応じたものとなり、水銀を握っていた時の深さは、せいぜい常人が呼吸を止めていられる時間で到達することが出来る深さだった。
それを踏まえて、第六天波旬に坐している今の深さは遥かな昔から落下し続けているにも拘らず到達し得ない深度。
何百年、何千年、いやもしかしたら、それ以上かけても辿り着けない超深奥に坐しているという事実は、それのみで波旬神格の強度を意味している。
無間蝦夷では天魔・夜刀が新生したことで過去最大規模の鬩ぎ合いが発生、落下速度は加速した。ということから強力な神格同士ほど座に到達するまでの時間は短くなっていく。

特異点は、あらゆる太極に属さない中立地帯ではあるが、同時に過去存在したあらゆる太極が混在する場所でもある。しかしそれらは既に擦り切れ潰されたモノの残滓でしか無い。
覇道の流出により代替わりし続ける在り方は、次代の世界が強大であるという構図でもある。敗者が勝者に従属するのは古今東西、一貫にして常に不変。よって歴代の覇道神の法則はそうした形として残り、新たな覇道神の扱う力、その一端へと堕ちる
故にこれら過去の太極を乗り越えねば今代の座に太刀打ちはできない。太古の太極の残滓が入った者を取り込もうとしてくるため、それらを凌駕する必要がある。

無色透明の空白地帯。踏み入ったものに対して何一つ、わずかとして影響を及ばさない無窮の闇。人間の考え付く「無」を体現しながら、同時に如何なる様にも発展する多様性すら有している。
果たして底があるのかすら疑わせる程どこまでも続く、薬にも毒にもならず、ただ有り続ける無色の太極。凡夫がここに足を踏み入れれば、その生半可な意志は拡散する。大陸を沈没させるほどの真水に向かい、砂糖を一粒落としてみるようなものだ。当然、砂糖は溶かされ、水に甘味もつかぬだろう。常人の精神構造であればこの透明さに耐えきれない。神格にのみ許された世界。
ある一線を超えた場合、この場はまさに新世界の芽へと転身する。現世界、丸ごと塗り潰すほどの波動を得た者に限り、この空にて活動を許され、また新たな理を生み出すことができる。即ち──太極の保有。されど色は一色のみ、求道者ならばいざ知らず、覇道を持つなら先住者を滅殺せねばならなくなる。

鬩ぎ合う覇道神が消えても特異点はしばらく残り続ける。神咒神威神楽では夜刀が消滅した後も特異点が残っており、波旬の座の薄皮一枚という近くまで落ちた状態のまま。

特異点で起きた事象は原則として、世界に影響を及ぼさないので当代の神が座で殺害されても世界の魂が道連れにならない。
例えばラインハルトがここで死んでも特異点の外にいるエインフェリアは道連れにはならない。
ただし座の神が自らの自滅因子に殺害された場合、座の神の自殺と見做され宇宙全てが一瞬で消滅する。

特異点に入った瞬間は強制的に覇道の流出は一度止まる。そして再び流出することでさらに深く落ちる。
一度ここに入った者は再度流出を行わなければ外に出ることは出来ない。あるいは魂が繋がっているなどして外から引き上げてもらう必要がある。

また、上記の覇道太極の激突によって生じる「穴」とは異なるが、求道神覇道神なども、座の支配下にはないことから、「移動する特異点」「歩く特異点」などと表現されることがある。

PARADISE LOST

セフィロトの樹は太極座という高次域への道行き。地脈(パス)として高次元に接続する。
ネロス・サタナイル科学技術によってセフィロトの頂点・王冠の座まで駆け上がった。

Dies irae

マリィ永劫回帰世界の特異点。彼女が囚われていた黄昏の浜辺がこの場所。フランス、ブルターニュのサン・マロのものを模している。

ラインハルト創造“城”も永久展開したことで世界から弾かれた特異点と化している。

マリィルートで藤井蓮ラインハルトが黄昏の浜辺で戦った。
入った瞬間流出は止まるが、ここから更に流出することで四代目の座に到達する。

メルクリウスはマリィルート後にマリィの世界で唯一抱擁を受けない「歩く特異点」として放逐された。

神咒神威神楽

夜行が天地の閾を掘削することで特異点の底に向けて潜航した。より巨大な存在に魂を同調することで奥底へと運ばせてそれを成した。彼がここに到達できたのは求道の太極かつ、覇道では無いため。
ここを掘削する際、夜行は歴代の太極に触れ呑まれそうになりながらも、それぞれのを見定め型に嵌めることでやり過ごしている。夜行は第三天・明けの明星から旧世界の法則に接触した。

上記のように、特異点は原則覇道の衝突によってのみ生じるが、神咒神威神楽では、求道神でありながら稀有な特性を持つ二つの太極の拮抗、全てを切り裂く剣無限に受け止められる蜃気楼にぶつけるという、求道の衝突で最後の穴をあけるという離れ業をやってのけた。夜行は最後の壁を破ることが出来なかったが、これによって波旬の座まで潜航することに成功する。

作中では覇吐と竜胆を微塵も消耗させてはならぬという夜行の考えから、歴代の座の理を克服し道筋を開く「天地掘削」、特異点の最後の壁を切り拓く「極点拡大」、新世界の理を流れ出す「覇道流出」、天狗道に亀裂を刻む「非業解脱」というそれぞれの役割を持って波旬を倒すまで至っている。

第六神座葦原中津国は、天魔・夜刀によって第六天波旬との覇道の鬩ぎ合いが起きており、国そのものが特異点と化している。余人は一切感じ取れなかったが、神州を基点として何千年と波旬の座を目指して次元の孔を掘り進めていた。
御門龍明が西へ流れても消えなかったのは神州まるごと「穴」になっていたから。無論、夜刀との縁が薄かったのもあり自由に東から西へ移動できたというのもある。
また穴が残留した影響で、夜刀が消えて天狗道が完成しても三、四ヶ月は神州は無事だった。

余談だが、忘我の境地により波旬と同化した龍水は夜行を思い浮かべ、それに縋って、縁にして自分を取り戻している。

黒白のアヴェスター

第一神座時代の用語については、特異点アンラ・マンユを参照。

覇道資格者が複数いることで鬩ぎ合いが発生し、世界の法に穴を穿つことが出来ると語られている。

マグサリオンは全てを殺戮し宇宙を荒野に変えることで事象を一点に収束。そうすることで座に無理矢理到達している。


  • 特異点ってぶつかり合ってる理が混ざってるんじゃないの? -- 名無しさん (2012-02-21 13:34:36)
  • 水銀→常人が息を止めていられる程度ならもっと弱いはずの堕天奈落や二元論はどの程度なのだろうか? -- 名無しさん (2012-03-01 13:37:26)
  • 常人の俺は2分ちょいなら息を止めれてられる。 -- 名無しさん (2012-03-01 13:45:40)
  • ニートの場合は練炭と獣殿二人分の流出だしなあ -- 名無しさん (2012-06-04 22:04:45)
  • 別に下までの距離に人数なんて関係ないだろ -- 名無しさん (2012-06-05 10:21:47)
  • ↑「落下速度」は鬩ぎ合いが激しいほど加速するよ? -- 名無しさん (2012-06-05 11:26:00)
  • ↑別に一人でもニートとの鬩ぎあいが起こるから関係ない -- 名無しさん (2012-06-05 12:11:08)
  • 夜刀が新生してパワーアップしたら、落下が加速したっぽい描写はされたが、流出人数が落下速度に関わるかどうかは分からないな -- 名無しさん (2012-06-05 17:21:07)
  • 人数増えれば筆圧が強くなるから落下が加速すると言えるが、足引っ張り合うからむしろ逆効果とも言える -- 名無しさん (2012-06-05 17:27:18)
  • 同じ箇所で何度も重ね塗りをするんだから当然、法則は混ざってる。混ざりながら鬩ぎ合ってるのよ -- 名無しさん (2012-06-25 05:29:24)
  • kkkで、もし夜刀が覇吐を盾にすれば波洵にも勝てる・・という話があるんだけど、この場合は特異点はどうやって突破するの?なんかkkkの終盤の陰陽師ペアルートで龍明が夜刀では特異点を突破できないみたいな事を言ってなかった? -- 名無しさん (2012-09-24 21:55:44)
  • ↑すまん、会話自体は覚えてないんだけど夜刀が座に行けないわけないはず。誰かと勘違いしてるんじゃ? -- 名無しさん (2012-09-24 22:00:25)
  • ↑「これは偏に強度の問題だ。夜刀では釣り合わない。そのために、波洵のもとまで到達するのは不可能なのだ」という発言を龍明がしてた。 -- 名無しさん (2012-09-24 22:13:02)
  • ↑ただ単に夜刀では勝てないって意味じゃ? もしくは既に敗北者の烙印を押された旧世界の住民じゃ勝者である波洵に対して弱体化するという意味か -- 名無しさん (2012-09-24 22:18:34)
  • ↑実際にそのシーンを見てみる方が良いかもね。具体的には夜行・龍水ペアルートの東征が終わった後で龍明が最後の復活をして龍水に話をするシーン。 -- 名無しさん (2012-09-24 22:30:18)
  • VFBで夜刀が座√は覇吐達巻き込んで波洵に殴り込みかけるとあるんだから新生のほうは普通に突破可能だろう。あの文はたぶん新生前だろうな。龍明は新生のこと知らんからあの台詞でも矛盾ないし -- 名無しさん (2012-09-25 00:14:11)
  • 上でも出てるが、覇道の挑戦者一人いれば(神とのせめぎ合いで)で穴は開くのにdiesで獣殿と練炭二人用意したのはなんでなんだろうな。 -- 名無しさん (2012-10-25 22:41:49)
  • 黄昏を覇道にするために2人必要だっただけだろ?敵役て相棒役が -- 名無しさん (2012-10-25 23:10:01)
  • ↑ニートの最終目的の為にはマリィが覇道流出する必要があるが、彼女一人じゃ変わらない→一緒に覇道流出まで付き合ってくれる代替を用意しよう→代替を高速レベルアップする為&さっさと穴空けてもらうためにいい感じの敵を用意しよう→やだ、いいオトコ……スピリチュアルな既知感がニートのカラダを 駆け巡った……。「・・・(カッコイイ・・・!!・・・これって運命……?)」 男は自滅因子だった。座までやってこられて戦争した。「またこの結末か」共倒れした。 「ガッシ!ボカッ!」ニートは死んだ。Dies(怒) と言うことだろう -- 名無しさん (2012-10-25 23:29:28)
  • ↑これを見るとメルクリウスにとって覇道神以外が所詮端役というのがよくわかるな -- 名無しさん (2012-10-25 23:52:25)
  • まあ、そもそも獣殿だけ来られてもマリィに座を譲れないからな。マリィを座につれてった後他の神格には退場してもらわんといけない。でも水銀自信が獣殿と戦うわけにはいかない。獣殿を倒す役が必要。 -- 名無しさん (2012-10-26 11:58:12)
  • 世界の外には無が広がっているのな。 -- 名無しさん (2013-01-21 07:33:42)
  • 獣殿はマリィを覇道型にするのに必要だった -- 名無しさん (2014-10-20 21:15:04)
  • 水銀が流出してないから覇道神が二人必要だった -- 名無しさん (2015-09-14 16:31:28)
  • ↑水銀ははじめから流出してんだが -- 名無しさん (2015-09-14 19:14:01)
  • 水銀が流出するのって最期の巻き戻しだけじゃなかったけ? -- 名無しさん (2015-11-18 15:25:21)
  • ニートは生まれた直後からすでに座に着いていたとか、マリィに抱きしめられるという至高の未知を求めていて、それがかなわず獣殿との相打ちで回帰を繰り返すというのがdiesの世界観のはずなのに、そもそも一番最初の流出はマリィにで出会う前のはずだろとか、もうおかしなところを説明しようとしてもうまく言葉にできないくらい意味が分からないやつで、卵が先か鶏が先かというか、まあ要するにニートが変態だからおかしいことになってると言えばいいかな -- 名無しさん (2015-11-19 02:46:49)
  • 変態の原点は座でも把握しきれないしね仕方ないね -- 名無しさん (2015-11-19 09:14:25)
  • ↑このwikiの何処かにある神座万象年代図を見るといい。水銀の奇妙さがよく分かるから。 -- 名無しさん (2015-11-19 21:19:07)
  • 曙光を滅ぼそうとする神格は座に着く直前に大欲界の理をくらうことになるのか -- 名無しさん (2017-07-30 09:28:23)
  • そういや曙光の座の深度ってどうなってんだろうな。一応、特異点は大欲界も含むわけでその深度は幾らか加算されるものなんだろうか? -- 名無しさん (2020-11-30 00:47:59)
  • あくまで当代の座の力量によるんだから波旬深度は関係ないでしょ、力量的にも黄昏と同じくらいの深度。次の神が喧嘩売りに来る時にそんなのいたのねと把握するくらいでしょ -- 名無しさん (2020-11-30 09:45:07)
  • 深度は累進制みたいだから、仮に波旬含む歴代が掘った深度が10とするなら曙光は深度10からスタートで、曙光が掘った深度が当代の潜水深度になるのでは -- 名無しさん (2023-04-15 13:09:54)
  • 普通に先代を上回る力で奪取したなら先代より深くもなろうが、曙光の場合状況が特殊過ぎるから何とも言えない。ただ力関係で言うなら水銀より浅い可能性の方が高い -- 名無しさん (2023-10-23 07:31:05)
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最終更新:2023年10月23日 07:31
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