池沢先生のありがたいお言葉

池沢春人先生のインタビュー集






『たまびNEWS』54号の「students’ file」



一番と漫画家 日本画3年池沢友秀(池沢春人)さん

「マンガ」は誰にとっても身近なのに、「漫画家」は遠い遠いファンタジーではないだろうか。
でも、池沢さんにとって「漫画家になる」ことは常に目の前の現実である。
勉強はがりがりしなくても幼少からできた。東大にごっそり進学する高校に入学。
法律の仕事をする父の影響で、将来は同じ仕事をすると思っていた。
が、しかし。高2の時勉強に遅れをとった。

「一番になりたい」
小さい頃、「マンガ」を描くことが得意だった。
いわゆる「お絵かき」ではなく、1枚の絵に、オリジナルキャラを描く。
文字にせずともその背景には必ず物語があった。
勉強で一番になれないとわかった時、漫画の道を進むと決めた。
自信があった。高3の夏「まんが甲子園」へ応募し大賞を獲得。
同世代の一番になり、「漫画家になる」という想いを確信に変えた。
「一番の漫画家になる。絵もうまくなければ話が人に伝わらない」
大賞獲得後、美大へ進路変更。
日本画を選択したのは、線を大切にする感覚が、漫画を描く感覚に似ていたから。

大学1年の9月には「ジャンプトレジャー新人漫画賞」で佳作、
少年誌No.1の「少年ジャンプ」にその月の「一番」と認められた。
大学2年になった現在、担当もつきデビューも目前だ。
「すごい」という声に、「自分にとっては当然」と応える。
自信過剰にとられるほどの自信かもしれない。でも現実主義者で理論派。だからこそ根拠はある。
3日後に〆切がある時。飯を食ったら眠くなるから、〆切をクリアできるまでは、食わずに思考と戦う。
ジャンプで一番をとってからは、週に1度のペースである打ち合わせに、ネタを振り絞り、
ストーリーを組み立て、ペンを走らせた。

「頑張った」という言葉が意味を持たない世界で、ボツの嵐。
半年で30本以上の作品、1500枚以上のネームを描いた。
ただひたすら自らの作品と向き合う。
人前では、苦労ではなく、その結果得た自信の方を見せる。

「こんなでも、実は影で結構辛いんす…」とこぼす。
人から見れば、思ったことを現実にできる恵まれた人。
ただ、高校時代の挫折、10代でデビューの目標を逃したこと。
ジャンプで受賞後もなかなか作品が掲載されないこと。
見込み違いにめげず、自分を信じ、軌道修正の道をつくっていく努力を欠かさない。
池沢さんはそういう人だ。
やりたいことを冷静に分析し、根拠をもって答えを出す。
「一番」にこだわるのも、男の本能。

では「漫画家」という職業にこだわるのは?
「小さいころから漫画が好きだったから」とのこと。
思い出の漫画に影響されたわけでも、身近に漫画が好きだった人がいたわけでもない。
理論派で現実主義者、池沢友秀の原点は、実はファンタジーなのだ。





週刊少年ジャンプ41号 手塚賞の募集ページ


池沢春人先生特別インタビュー!!
新連載『クロガネ』の池沢先生も手塚賞出身だ!!
とれたてのホットな情報、一字一句見逃すな!!

Q1:投稿のきっかけ、受賞までの道のりなど、2大賞の思い出があれば教えてください!
A:元々手塚賞という大きな新人賞に憧れがあり、
ちょうどネームが通らず苦戦していたときに、何かのきっかけになればと投稿しました。
結果的に受賞と『クロガネ』の読切掲載が同時に決まったので、思い出深い賞です。

Q2:受賞をきっかけに変化したことを教えてください!
A:とにかく、都内のホテルで行われる授賞式が、目玉飛び出るくらい豪華なので、
「自分のマンガが認めてもらえた!」という自信になったと思います。

Q3:魅力的なキャラを作る上で気をつけていること、コツなどがあれば教えてください!
A:人間くささを混ぜる、という点です。
記号的すぎると共感しづらいキャラクターになってしまうので、
自身や友達など本物の人間から何か一つ「リアル」を持ってくると全然違うと思います。

Q4:2大賞志望者の方々にメッセージをお願いします!
A:誰かに認められるまでは本当に孤独で辛い戦いだと思います。
でも諦めなければ新人賞の先に、本誌デビュー、そして連載が必ず待っていてくれます。
頑張ってください!!


手塚賞を受賞した時の講評

手塚賞 佳作 0.99-ダブルナイン- 池沢春人
  • 突出したものはないが総合的にまとまっている。これから楽しみ<浅田>
  • テンポよく構成しており読みやすい<佐々木>
  • 女の子が可愛くて良い<尾田>
  • もっと女の子のマイナスの部分を描ききり、彼女の変化を見せて欲しい<岸本>



週刊少年ジャンプ3・4号 「クロガネ」読み切り版作者紹介


作者紹介

誕生日 平成元年6月1日
出身地 栃木県
趣味・特技 剣道
好きな漫画 ワンピース、スラムダンク
意気込みを一言! 栃木の田舎で十年ほど剣道をやっていました。
本当はとてもカッコいいスポーツなので楽しんでもらえたら幸いです。



第14回「まんが甲子園ブックバージョン」大賞受賞コメント


大賞「ぼくのへや」 池沢 友秀


 真夜中、3時5分。針はそこで止まっていた。動かない秒針と、いつもより多く流れる時間。
飛び起きた僕の目の前には、毎朝目覚めるはずの部屋はなく、そこに昔からあったかのように、「ぼくのへや」があった。
ボクとラクガキのモノガタリ。膨大な量だった。右手が書き留めるその話を読んで、面白いと思った。
1時間、いや2時間はかけて入念に書き留めた。3時10分。僕は眠りについた。
 朝、6時30分。漫画甲子園のネタに困っていた僕は、目覚めてすぐ、机の上にメモを見つけた。
5分ほどで走り書きされたようなそのメモを読んで、これなら書ける、と思った。こんな話を誰が考えてくれたのだろうか。
見当はついている。おそらく、あの着物の少女だろう。僕は彼女に感謝しつつ、68ページも堂カットするか考えるため、6時35分、眠りについた。
‥泣く泣く詰め込んだ32枚の紙が、このような評価をいただいたことを、大変有難く、また嬉しく思います。
この喜びを誰よりも先に、ぼくのへやに住むあの子達へ。

  • ソース(死亡確認。生き返るまで待つか諦めるべし)



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最終更新:2011年10月10日 01:15
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