サブタイトル個別 ウルトラセブン 第48話・第49話


史上最大の侵略(前編・後編)
セブン上司
セブン上司/クリア
プレミアムED版
ゴース星人
パンドン
改造パンドン
セブンラストシーン

解説ブックレットより

(名鑑には前編・後編の表記はありません)
●ウルトラセブン第48話(製作No.48)1968年9月1日放映
●ウルトラセブン第49話(製作No.49)1968年9月8日放映
●登場宇宙人・怪獣:幽霊怪人ゴース星人 双頭怪獣パンドン セブン上司
●セブン上司
…「M78星雲に帰る時が来たのだ!」傷ついたダンにメッセージを伝える上司。しかしダンは、自らを犠牲にしてでも地球を守る道を選んだ。…
上司というのは後からつけたネーミングですね。かなり後です。このドラマの頃は台本でも全部M78星雲人なんですよね。わりと上司っぽい口調で「やめろ!」よか言ってるから、まさか部下ではないだろうと。部下だったら「やめてください」とかっていうはずですよね。あるいは同僚かもしれないですしね。誰かが「上司っぽいやつが出てきたでしょう」なんて言ってるうちに上司になったんでしょう。
ドラマの場面は私が撮ったんですが、実際にしていますけど一種のホログラムみたいなことですよね。前後編合わせて3回出てきてるんですけど、ダンの部屋のところでM78星雲人が出てきて、一応変身しちゃダメって警告を発しているわけです。今の言葉で言うとイエローカードですね。だから前後編でイエローカード3枚切られているわけです、モロボシダンとしては。「ウルトラマン」のときはゾフィーなんかちょっとウルトラマンに加工してボタンを貼ったんですけど、このときはまったく加工しないでやっちゃったんですよね。こういう人たちがいっぱいいるであろうっていうことで。340号ってつけたのもこのときです。
ウルトラセブン監督 満田かずほ氏
●ゴース星人
ゴース星人は私も新人監督じゃなくなってきたから5人まで作らせてもらいました。だから同時に5人登場しているはずなんですよ。真ん中に親分っぽいのが座って、あと両脇に2人ずつ。ゴース星人のゴースはゴーストから取りました。
モロボシダンが裸で寝ているカットでは、撮影直前になって虫に食われてしまいましてね。よりによってアップで撮ろうとしているところを蚊にさされてしまって。一生懸命ごまかすのに何か塗ったりしましたね。あと企画書の段階からダンとアンヌの淡いラブロマンスかなにかをストーリーに組み込もうなんて話しがあったあんですけれど、ずーっと使わないままきてしまったので、「ノンマルトの使者」あたりからもう最終回やるってわかっていたので、少しずつ匂わせました。
ウルトラセブン監督 満田かずほ氏
●パンドン
最終回は、怪獣は双頭っていうか、顔が2つってのがずっとなかったのでやりたかったんですよね。それも首が離れてるんじゃなくて、いわゆる顔面だけ2カ所の方が簡単だろうっていうことで。2つに離れていると別々の動きしたくなるでしょ。操作的に大変になってしまうので、顔が2つだけだったら1人入って向きだけ変えてやればいい。ミニチュア・セットって言っても、建物とかない荒野での戦いになるから、踏みつぶしたって面白くない。ただ地面を踏みならしているだけだから、なんか火を吐かせたいなと思いましてね。そうすると、火の海っていうのもできるので、火は吐かせたかったんです。
ウルトラセブン監督 満田かずほ氏
●改造パンドン
改造パンドンはもう少し改造したかったんですけどね。もう少しはっきり判るように。もう最終回だし、経済的にこのへんがリミットでしたよね。手と足とね。星人がやったことだから人工的って言っていいかわからないですけど、金属に置き換えられています。だから2千トンぐらい重量が重くなっているんじゃないですかね? 1万5千トンが1万7千トンぐらいになっていると思うんですよね。改造した結果、2千トン重くなってる。腕と足ですからね。ゴース星人も一応、パンドンを引き取って行く時に、改造するために、手足を現場に残していってるんですよね。手足も引き取っていけばいいのに。(笑)
最終的に首が取れるって設定は、セブンはエネルギーがなくなって、光線発射ができないわけですよね。したがってアイスラッガーに頼らざるをえない。斬るってことに。だから全部、アイスラッガーしか飛ばしてないんですね。これはセブンが弱ってなくても苦戦した相手なんでしょうね。顔も2つあるし、岩石持ち上げたり、力もあるっていうことで。
ウルトラセブン監督 満田かずほ氏
●ラストシーン
…ゴース星人との死闘を終え、M78星雲に帰るときがきたセブン。西の空に、明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へと飛んでいった…
史上最大の侵略で2度変身したんですけれど、2度ともモロボシダンがセブンに変身する理由としては地球を救うためなんて大げさなことではなくれ、2回とも友情なんですよね。1回目は隊員たちのためで、これは大変だってことで変身するし、最後はアマギ隊員を救うために。まさに隊員を救うためのことなんですよ。つまり、『史上最大の侵略』ってサブタイトルはでかいけど、地球を救うためとか、なんとかのためとか、大上段に構えてない。
これ凄くハートフルっていうか、小さいじゃないかって言われればそれまでなんですけど、そういうところに自己犠牲をはらって敢えて変身した。イエローカード3枚ももらっているのに。着ぐるみ自体ももう、ボロボロなんですよね。もう傷ついてたって最後だから新調するわけにはいかないんですよね。もうこれ以上使わないんですから。
ウルトラセブン監督 満田かずほ氏

補足

名鑑セブン編3〜史上最大の侵略の中で、コスト調整要員な感じのゴース星人。今見ると、僕イケメンの人のようです。半透明になるので、これこそプレミアムEDで出すべきだったのでは。セブン上司の方は、ベットがずれないような凹凸がついたくらいで、あまり変わり映えしてないのですから。
できれば、ゴース星人は椅子に座った親分と、側近の1〜2人くらいはつけたジオラマで出て欲しかったです(ゴース星人の言葉をスロー再生すると、「親分殴り込みですぜ」とか「地球人め、なめくさりおって」とか、本当にガラの悪い関西弁で話しているそうですね)。
ラストシーンのセブンのジオラマは、第一印象だと小汚いな〜って感じですが、じっくり見ていると、セブンのボロボロ具合が本編の映像・ドラマと重なってきて、やはりジワジワと来るものがあります。

パンドンは強いのか? けっこうネタにされます。セブンが弱っていたことは自明ですが、ここでは改造パンドンもかなり怪しい状態だったことを、と〜っても大ざっぱに検証してみました。
改造で体重が1万5千トン→1万7千トンに増えたパンドン。それが実際どんなもんなのか、家庭用バネ量りにて検証。ちょうど手足が外れるので、HGのパンドンの重さを量ってみます(名鑑だと小さいし)。
約30g。(これが改造されたら、上の比率でいくと約34gになる想定)。で、片手片足を外すと約26gなので、片手片足を合わせた重さは約4g。ちょうど、改造による増加予想分4gと同じくらいだと判りました。
つまり、改造によって片手片足だけが今までの倍の重さになってしまったわけです。
なんとバランスの悪い仕様。さすがゴース星人、怪獣愛護精神なんてありません。しかもリハビリもなしに、目が覚めたらイキナリ戦闘です。びっこもひくし、アイスラッガーもわざわざ生身の方の手で受け止めるわけです。セブンも衰弱していましたが、改造パンドンはさらに弱くなっていたようです。






最終更新:2008年07月13日 17:45