サブタイトル個別 帰ってきたウルトラマン 第32話


落日の決闘
キングマイマイ(成虫)

解説ブックレットより

●帰ってきたウルトラマン第32話(製作No.32)1971年11月12日放映
●登場宇宙人・怪獣:変幻怪獣キングマイマイ(成虫)(幼虫)
●開通寸前のトンネル掘削落盤事故で、幼くして父親を失った太郎少年と、仲間の遺児として太郎を引き取り今日まで育ててきた義父の人情物語が、地底冷凍怪獣キングマイマイとの戦いにからんで、ゆったりと語られるローカル味豊かな一篇である。少年の歯切れのいいせりふ回しと、継父のとぼけたやり取りが、ほのぼのと心地よい情感を醸し出しているが、なんと言っても浜村純さん演じる村の駐在さんがユニークで、随所で味のある笑いを提供してくれるのが楽しい。「少年と駐在さん」という組み合わせは、千束北男お得意のコンビネーションで、ウルトラシリーズにもしばしば登場するのだが、なかでもこの一作は、そのコンビネーションが、生き生きとして活躍している。
お尻から火炎の塊を放出したり、見事な変態振りを見せたり、大木淳監督の才気あふれる怪獣演出が絶好調で、真っ赤な落日をからめた怪獣キングマイマイ対帰ってきたウルトラマンの決闘も、シリーズ中でも特筆されるべき名シーンに仕上がっている。こういう作品にしてもらった時は、脚本を書いた身として、ほんとうに小躍りしたくなるほど嬉しいものである。
脚本 千束北男氏

補足


普通はマイマイ→かたつむりと連想しますが、こいつは昆虫系。カシワマイマイとかウチジロマイマイなど、マイマイ蛾から命名されています。実際、マイマイ蛾の幼虫(毛虫)のルックスは、いかにも毒がありますよ〜って感じで、なかなかゾクゾクくるものがあります。
ぶっとんだ造型の連中を除けば、帰マン怪獣の中で、これでも派手さを誇るキングマイマイ(成虫)。名鑑でも光沢が渋く美しいジオラマで再現されました。なんとなくサナギマン→イナズマンを彷彿とさせますが、はて、どっちの初出が先だったんでしょうか?





最終更新:2008年08月01日 00:34