サブタイトル個別 帰ってきたウルトラマン 第35話


残酷!光怪獣プリズ魔
帰ってきたウルトラマン対プリズ魔

解説ブックレットより

●帰ってきたウルトラマン第35話(製作No.35)1971年12月3日放映
●登場宇宙人・怪獣:光怪獣プリズ魔
●この作品の脚本家「朱川審さん」は個性豊かな俳優でもある岸田森さんであった。ある時、撮影所の中(東宝ビルト)で光をテーマにした怪獣作品を書いている話しが出、ストーリー展開で盛り上がりました。岸田森さんと話していく中で強力な光の中にも優しさが欲しい、プリズ魔が発射する光エネルギー(光源)も柔らかさがあれば光をテーマとした発想が成功と考えていました。60年代後半〜70年代の頃はフィルムに直接光源そのものを撮ることは不可能に近かったが、挑戦する事に意味があると感じました。南極観測船、南氷洋の漁船やマゼラン岬の灯台、野球場ライト群消滅の撮影現場合成技術のお話をしましょう。
光そのものを輝かせるには合成ではなく現場の撮影時(オリジナルフィルム上に再現)に合成することを考えました。カメラレンズ前に特殊ハーフミラーを45度の角度に置き、正面に被写体。45度の所に光の元を作りその元に被写体のマスクを作成、透過する光に対して強弱をつけ、灯台や野球場ライト群が消滅して行く映像ができます。難点なことは1日、2カットしか撮れませんでした。このプリズ魔の光に対するイメージは反響を呼びました。
特殊技術 佐川和夫氏

補足


美しくも怪しげな映像と、異質な存在感が際立っていたプリズ魔。勝手の違う相手にウルトラマンもかなり苦戦しました。あの映像の感じを、このサイズで、発光ギミックもなく表現するのは困難だったでしょう。単純なクリア成形だけでなく、軽く白を吹いている箇所と吹かない箇所を塗り分け、透過光や反射光の効果に苦心してることが伝わってきます。流氷を押しのけて進む海面の造型・彩色も丁寧。じっくり眺めるほど、良さを感じるジオラマです。





最終更新:2008年08月01日 00:41