サブタイトル個別 ウルトラQ 第26話


燃えろ栄光
ピーター(カラー)
ピーター(モノクロ)

解説ブックレットより

●ウルトラQ第26話(製作No.19)1966年6月26日放映
●登場宇宙人・怪獣:深海怪獣ピーター
●「ピーター」と呼ばれるこの怪獣は、ボクサーであった主人公ジョーの試合の勝敗を予言し常にジョーに頼られる存在であった。しかし、その怪獣自体が本当に存在するものであったのか、それとも勝負師によくある自己暗示の創造物であったかは謎のままである。この作品の監督は後のウルトラセブン等でのメイン監督となる満田かずほ氏である。
『ウルトラQ』において彼は助監督から監督へといわゆる出世をしたのである。ずっと仲間としてやってきた彼がシリーズの中で監督になった事は非常にうれしいことであり、スタッフだけでなく、我々出演者、特に西城康彦、桜井浩子そして私も普段にまして気合いを入れて演技をした思い出がある。作品だけでなく、スタッフ、そして出演者の皆がウルトラシリーズの原点なのである。
万丈目淳役/佐原健二氏

補足

●ダイジェスト
KOラウンドを予告し連戦連勝。日本ボクシング界期待の星・ダイナマイト・ジョーの世界タイトルマッチが決定した。しかし、ジョーは突然行方をくらませてしまう。万城目は、ホテルのショーでピエロに扮装しているジョーを偶然発見。問いただす万城目にジョーは語った。ジョーのこれまでの勝利は、ジョーの飼っているピーターがテレパシーで予言したものだった。そのピーターが言った。「ジョー、可哀相に。KOされる番だぜ」と。
●深海怪獣ピーター・身長20センチ〜30メートル・体重500g〜1.5万トン
学名アリゲトータス。日本海溝でも採取されたこともある超深海生物。「ピーター」はダイナマイト・ジョーの付けた愛称。かつてジョーがフィリピン沖で釣り上げた。特殊リンパ液を持っているため、周囲の温度によって身体の大きさが変化する。常温常圧下の空気中では人間大になる模様。山火事で巨大化したが、ジョーに導かれ、おそらく海へ帰っていったものと推測される。テレパシーで勝敗の予言をしたとジョーは信じているが、一般的には、これはジョーの自己暗示と解釈されている。


●Qシクレの中では人気的に若干微妙なピーター。基本4つ足なのに人間ぽいアンバランスなスタイルや、彩色版の色・手触り感が、なんかキモイと巷では言われているようで。色素の欠落したような体色は、深海生物というより、洞窟の生物みたいな感じがします。もっとも、深海でも熱水噴に依存した生物群は、ユノハナガニのように真っ白けなのも多いですね。そんな場所にピーターが行ったら(水中ではあまり温度の影響を受けないようですが)それでもすぐに巨大化してしまいそうです。とは言え、深海では水が300℃でも沸騰しない相当な水圧がかかっているので、やはり陸上の時ほど大きくはなれませんか。火にもひるまず、発生しているであろう有毒ガスにも耐性を示したピーター。硫化水素に満ちたこの海域も、エサが豊富なので以外とテリトリーにしているのかもしれません。
●深海のことや、質量保存の法則が…なんてことは、他のエピソードでも書いたので、あまりここでするようなネタが残ってませんが; ピーターとダイナマイト・ジョー、「いい奴だな〜」という感想がまず頭に浮かびます。ドラマ部分はどちらかと言えばベタなストーリー展開。口笛やドラムの効果音。ジョーのキャラクターにも意外性はありませんが、逆に期待通り・これだよなって感じで…別に管理人は日活アクション映画で青春を過ごした世代ってわけでもないんですが…ピーターは正直、何も考えてなさそう。カネゴンのように強い主張がないので、気がつくとアレッ?と感じる奇妙な感覚。特撮やSFの側面はやや弱いかもしれませんが、何か変な生物が人の世界に当たり前のように溶け込んでいるQワールドが良く出ている作品だと思います。だから、名鑑の人気は微妙でも、私はこの「燃えろ栄光」というエピソードは、Qの中でかなり気に入ってる部類に入ります。
●マリンファンタムショウのビル大山。特にどうというわけでもないですが、劇中何度も連呼されたので勝手に覚えてしまいました。この人も、いい奴ですね。

パノラマファイトのピーター





最終更新:2009年05月31日 13:45