「食べてもいいよ」
ねぇ どうしてこんなことに?
たべてもいい
僕はモララー しぃが好きだ
でもしぃはギコが好きだ
ひとつになりたいと言えば首を横に振られ
なんでもいい君の一部になりたいと訴えれば
「わたしはもうあの人のものだから」と言った
でも「心はあげられないけれどこの身体なら捧げても構わない」と
「この身体を切り裂いて肉片を食べ血を飲み干せばわたしとあなたは誰よりも深く
繋がることが出来るよ」と綺麗な笑みを零して云った
僕はしぃが欲しかった
その欲求を満たす為なら、なんだってする覚悟だった
だからその魅惑的な意見を受け入れ躊躇なく刃を振りかざした
クチャリ クチャグチャ ズル グチャリ
肉は酸味が強く 赤い液体は癖があり なんだか喉に生臭さが残るようだった
こんなことをして僕は君を手に入れられたのか
わからない わからないよ
細かに小さな赤いものは 君であった物体
泪がこぼれているにも関わらず
赤黒い海で無心にそれを口にした
ただ理解していることは今この瞬間僕達の血肉は世界中の誰よりも深く深く繋がっているのだということ
それ だ け