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催眠療法士になりたいのですが、どうすればいいですか?

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匿名ユーザー

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世には催眠療法を売りにしている,民間療法が沢山あります.その人たちは,自分のことを心理療法士や催眠療法士と名乗っているようです.もし,彼らのようになりたいのならば,大金を払って彼らの弟子になるのは一つの手かもしれません.

大金を払いたくないのなら,とりあえず催眠術を覚え,お金を払えば誰でもすぐに取得できる海外の催眠資格を取り,webページを開設すれば,あなたはその時から催眠療法士です.簡単ですね.

現在,日本には心理療法に関する公的な資格はありません.なので,名乗りさえすればいつでも心理療法士やカウンセラーになることが出来ます.

しかし,肩書きとして名乗れることと,実際に心理療法や催眠療法が出来ることとは大きな隔たりがあるのは,誰もが思うところでしょう.もし,あなたが良心を持って,しっかりとした心理療法士になりたいのならば,大学院にいって勉強をしてください.

そうではなくて,あなたが自分の自己満足のためと,お金儲けのために催眠を使った心理療法をやりたいのなら,先に書いた方法を使えば簡単です.

(浅井)


日本では、催眠に関しては医師その他のような国家資格はありません。
ですので名乗れば誰でも「催眠療法士」になれてしまいます。1日2日で取得できる催眠資格もたくさんあります。

しかし、あなたがもし、きちんとしたトレーニングを受けて、権威ある学会(日本学術会議に登録している学会。日本では日本催眠医学心理学会と日本臨床催眠学会の2つがそうです)から資格を得たいと考えているなら、それら学会が定める規定に従い、トレーニングその他の経験を積むことが必要です。

 日本催眠医学心理学会が出している資格である「催眠技能士」の場合、これを取得するには、まず日本催眠医学心理学会会員となり、1.学会在籍3年以上。2.学会研修3回以上。3.理論研修10時間以上、4.実習研修20時間以上。5.学会発表か原著論文を同学会で2回以上と、少なくともこの1.から5.までの全てを満たす必要があります。

 もうひとつの日本臨床催眠学会が出している「臨床催眠資格」の場合は、もちろん日本臨床催眠学会の会員となり、加えて1.同学会研修40時間以上 、2.学術大会、ケースカンファランスに各1回以上、合計で4回以上発表。3.催眠臨床経験2年以上を必要とします。こちらはアメリカ臨床催眠学会の資格のための単位互換契約があり、また年に数回、研修会が開かれるなど活発な活動が行われているので「催眠技能士」よりも単位が集めやすいかもしれません。

 しかし学会というのは大抵がそうなのですが、すでに会員になっている人の推薦がないと入ることができません。また、これらの権威ある催眠関係の学会は、入会条件にとして、「大学学部または大学院において心理学または医学・心理学隣接諸科学を専攻していること」という条件を課しています。つまり、まずは医学、心理学の専門家であることが入会条件のひとつなのです。

 そこであなたがこれら学会の会員になるには、正会員である研究者・臨床家がいる大学を探して(そこは医学・心理学隣接諸科学を専攻できる学科でなければなりません)入学試験をパスして進学し、その教員のゼミに入るなりする必要があるでしょう。いわばこの正会員に弟子入りするわけですが、師匠と弟子の関係は、一生涯つづくものなので(あなたがプロの臨床家になっても、ケース・カンファレンスなど、指導を受け続ける人になるのです)、いいかげんな探し方をせず、きちんと選ぶべきでしょう(大学教員にも、優れた学識と人格を兼ね備えた人から、両方を振り落としてきた人まで、いろんな人がいますので)。

 では、どうやって、意中の師匠を大学教員の中にさがすかですが、それには催眠関係の学会誌をチェックすることです。 日本催眠医学心理学会なら「催眠学研究」、なら 日本臨床催眠学会なら「臨床催眠学」ですね。

 大学の図書館には、これらの学術専門誌があるかもしれません(いや、それも催眠を研究している教員がいない大学では、まずだめです)、 あなたが大学に籍を置いておらず、大学に直接コンタクトできない場合は、
国立国会図書館の蔵書検索・申込システム
http://opac.ndl.go.jp/
で、検索すれば、1本の論文が数百円でコピーされ郵送されてきます。
 意中の先生を探すために、そうした先生が書いた論文を探しましょう。
 最初は訳が分からないかもしれませんが(また優れた論文を書く人がすぐれた師匠であるとは必ずしもいえませんが、ろくに論文を書いていない人はまともな師匠ではないとは言えるでしょう)、とにかく労を惜しまず、探す必要があるでしょう。

 なお、学会の研修会に参加できるのは、大抵は大学院生になってからです(学部生の場合は、特に推薦してもらう必要があります)。ですので、まずは医学・心理学隣接諸科学を専攻する学部・学科で、一生懸命勉強しましょう。

まとめると
(1)日本催眠医学心理学会または日本臨床催眠学会の正会員である教員がいる大学の、医学・心理学隣接諸科学を専攻する学部・学科に入学し、
(2)その教員の授業・ゼミをとってコネをつくり、
(3)(推薦してもらって)会員となり研修会などに参加し、
(4)単位を集め、研究発表など条件を満たしていく。
というのが順当な線でしょうか(その間にも、心理士や医者など臨床家になる通常のトレーニングを、こなさなくてはなりません)。
 詳しくは、学会に問い合わせたりHPなどをご覧いただくなど、情報収集に努めてください。

(くる)
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