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観念運動

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匿名ユーザー

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先ずは観念運動について説明しましょう.観念運動とは,ある言葉を発したり,頭の中で考えることによりその言葉や言葉のイメージが,実際に行動として現れてくることを言います.例えば,有名なもので振り子があります.振り子は,5円玉と糸があればすぐに作れるので,ぜひ自分で作りこの観念運動を体験してください.やり方は,5円玉に20~30センチの糸をつけ振り子を作ります.そして,親指と人差し指で糸の端を持ち,5円玉をぶら下げます.このとき,持っている腕の肘を机についたりしないでください.そうしたら,5円玉を見つめながら,頭の中で5円玉が左右に揺れると繰り返してください.実際に声に出してもかまいません.何度も繰り返すことと,動くことを待つのがポイントです.これは,催眠誘導にも言えることで,暗示は繰り返すと,より強力に働きます.また,反応の現れ方は個人差があるので,反応が現れるまで待つことが大事です.

ほとんどの人がこの振り子の実験で,振り子が揺れてくると思います.この他にも催眠につかう観念運動はいくつかあります.例えば,足をそろえて立って目を閉じ,後ろに倒れてくるとイメージすると,後ろに倒れてしまうものとか,前習えのように手を出し,その手に重たいものが乗っているとイメージすることによって,腕が下がってくるなどがあります.これらはすべてそのまま催眠誘導としてつかえます.

観念運動は,催眠誘導の基礎となるもので,催眠の基本的な要素が入っています.それは,言葉を刺激として行動が起きるというところです.催眠と観念運動が違うのは,催眠は催眠者の暗示という言葉によって行動が起きるのですが,観念運動は本来的には自分の言葉やイメージによって行動が起きるのです.しかし,良く考えてみれば,催眠者の言葉が被催眠者のイメージを喚起することができれば,観念運動はそのまま催眠に変わることができます.これから説明する,条件付けを基礎とした催眠誘導でも,観念運動は重要な部分を占めます.なので,さっきの振り子の実験を実際に体験してみることをお勧めします.
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