メタファー - 催眠標準テキスト@Wiki

メタファーとは比喩のことです．つまり，「女は港だ」と言ったとき，港は女の比喩であり，その女の名前が「港」であるとかその女の顔が港に似ているとかではない訳です．

エリクソンは，メタファーを良く使いました．良く使いすぎて，どこまでがメタファーで，どこからがメタファーで無いかが分からないくらいでした．

エリクソンのメタファーで良く例に出されるのが，トマトの苗木の話です．痛みに苦しむ人に対して，トマトの苗木の話をしただけで痛みが無くなったという話です．痛みが消えたことが，メタファーだけで起きたかは議論の余地があるでしょうが，メタファーの効果は強いようです．

では，なんでもかんでも比喩にして話せば良いのか，といえばそうではなくて，良いメタファーと悪いメタファーがあると思います．また，良いメタファーが誰にでも効果があるかといえば，そうでもありません．また，トマトの苗木の話をエリクソン以外の人が同じ人にしても効果があるのかと言えばそうでもありません．

現代催眠の技法の話は，結局すべて同じ結論になりますが，技法が出来ても効くとは限りません．その技法が生きてくる，状況と関係をなしに，その技法は意味をなしません．