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ドーン・オブ・リビングデッドを夢見て

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ドーン・オブ・リビングデッドを夢見て ◆ORI/A.SOic


【早朝:逆井運河】
 死んでいる。
 どこをどう見たところで、既に死んでいる。
 ぎょろりと見開かれた目に、弛緩した舌がだらしなく開いた口から覗き、乾いた涎の跡が白み始めた空の下に見えている。
 今ここに倒れている少女は、間違いなく死んでいるのだ。
 どこをどうしたところで、この事実は覆らない。

 さて。まさにこれこそが自分の運命だ。
「誰か別の人間と会いたい」 と願った結果、真っ先に「死体と巡り逢う」 ということ。
 運命に弄ばれし男、逆井運河にとっては、予定調和ともいえる展開。

「…はぁ~…。死にたい…」
 思わずそう声に出す。
 特にこれという意識も意図も無く、ただただ息を吐くが如く出されたその言葉。
 その言葉に反応があったのも、まさしく逆井の不運の成せる業だろう。
 何より、少女の死体の前に佇んでいるところほど、誰かに見られたくない場面というものは無い。

「話せば分かる」という言葉は、逆井の辞書にはない。
 あったとしても、そこの意味には、「徒労」としか書いてないのだ。
 話せば話すほど怪訝に思われ、説明すればするほど信じて貰えない。
 経験から、逆井は即座に逃げ出すことを選んだ。
 とはいえ逃げたところで、たいていは捕まる。
 それでも、何かしらの弁明をして信じられず、人殺し呼ばわりされてエライ目に遭うよりは、逃げている最中に転んで頭を打って死んでしまう方が、まだマシな様に思えた。
 そうだ。やってもいない殺人の汚名を着せられるのは、なんとしても避けたい。
 そう考えてから、ああしまった、今、俺、「なんとしても避けたい」と思っちまった、と後悔する。
 糞。
 せめて、少しはマシな方に陥って欲しい。

 背後で誰かの声が聞こえる。
 しかしもう足を止めるわけにはいかない。
 走る。逆井は走る。走り続けて逃げ続けて、背後を見ている暇もない。
 せめてこんなときくらいは…と思った瞬間、足元の石に蹴躓く。
 無様に倒れて這い蹲るが、それでもばたばたと藻掻いては、まだなんとか立ち上がろうとする。
 死にたがりのわりには、諦めが悪い。何せ諦めてどうにでもなれと思ったところで、むしろそうなるほどにどうにもならないのだ。
 緩い斜面にころりと半回転する。
 半回転して視線が背後を向くと、そこには球体そのものに見える丸まるとした男。
 男は走っているのか歩いているのか。いや、むしろ転がっているんじゃないかという態で、これならば普通に走っていて追いつかれる心配は無いのだが…。
 逆井が先程足を取られた石に、その丸い男までもが足を取られた。
 さて、今ここは緩やかな斜面になっている。
 自分は転んで、その緩やかな斜面を転がった。
 追ってきた丸まるとした男も、自分同様に転がった。
 その結果、どうなるか?

 おむすびころりんすっこんこーん♪

 逆井の頭の中で、昔話の中の一節がこだました。


【早朝:田崎紀夫】

「もしかしたら、友達かもしれないし…」
 そう言って少しうつむいた電波系女子中学生ファンガールの言葉に、紀夫はいささかどぎまぎとした。
 紀夫はまだ彼が会っても居ない某バスケ部員などと違い、小中学生に欲情するタイプではない。
 巨乳好きだし、どちらかというと「年上のお姉様に優しく手ほどきをして貰いたい」なんていう願望があったりする。
 しかしだからといって、目の前で哀しげに目を伏せた女の子を無碍に出来るわけもないし、そもそも年下だろうと年上だろうと、女性という存在にまるで免疫がない。
 紀夫はそれまでの浮かれたテンションから一転。
 自分達が先程見た、見も知らぬ少女の死体について話した後のファンの様子に、思わず息を呑む。
 曰く、ここに連れてこられる前に、友達と一緒にいたのだ、という。
 そして、紀夫達が見た少女の特徴は、どうにもその友達と似ているように思える、という。
 だから、そこに案内してくれないか、と。
 共にその死体を見ていた猪目は、しかしそれには難色を示す。
「良く言うだろ? "犯人は現場に戻る"って。
 ヘタに戻ってバッタリ、ってのは、僕ぁ御免被りたいんだけどなぁ…」
 そんな風に言われると、たしかにそうかもしれないとも思う。
 しかし、ちらりとファンガールの顔を見てしまうと、なんとかしてあげたいとも思う。
「あの、俺…」
 意を決して、紀夫は声に出す。
「俺、こう見えても、柔道3段なンすよ!
 もし怪しい奴が現れたら、ズバーンと、ぶん投げちゃいますから! や、マジでマジで!」
 果たしてその宣言通りに、怪しい奴は、居たのだ。死体の直ぐ側に。

 柔道が得意、という人間は、得てして足が短いことが多い。
 足が短いというのは、重心が低いと言うことだ。そして重心が低いというのは、相手を投げるのにも、投げられないようにするのにも向いている。
 馬鹿でお人好しの田崎紀夫は、様々な面で柔道の神にだけは愛されていた。
 小柄な癖に体重があり、何よりその重心の低さは見事なほどだ。
 勿論、柔道の神以外には、そっぽを向かれてもいる。
 特に、徒競走の神(なんてのがもし存在するのなら)からの嫌われぶりと来たらたいしたものだ。
 とにかく、「走る」という行為に、これほど適さない体型の人間も居ないだろう、と言うほどに。

 すぐに見失うだろう。誰もがそう思う。何せ、必死で追いかけている紀夫自身、そう思っているのだ。
 しかし、慌てているからか本気じゃないのか、紀夫からすれば羨ましいほどにスマートな(というか、中肉中背でごく普通な)体型の怪しい男は、よろよろと巧く走れていない。
 走るのはヘタでもスタミナはバツグンな紀夫は、なんとか結構な距離を追い続け、終いに男が転んだ。
 しめた!
 そう思ったのも束の間、紀夫は男と同じ場所で躓いて、同じように緩やかな斜面を転がり落ちた。

 紀夫にダメージがないのは勿論、男の身体がクッションになったからだ。
 そして当然、男はその分さらにダメージを負っている。
 絡み合う二つの肉体は、どちらも荒く息をしている。
「こ、この…ハァ、ハァ…あや……あやし…ハァ…ハァ…」
 この、怪しい奴め、捕まえたぞ。
 紀夫が言いたいことは、こうだ。
 実際に口にしているのは、ほぼ言葉にはなっていない。
 逃げていた男の方も同様で、何かをもごもごと口にしているつもりのようだが、それは殆ど言葉になっていない。
 まだ白み始めたばかりの薄暗い空の下、荒い息と言葉にならぬ呻きだけが周囲にこだまする。

 ぬるり。
 何かが、紀夫の手を滑らせた。
 何だろうかと考える暇もなく、今度はそれが、身体を滑らせる。
 再び男の身体の上にのしかかる格好になった、と思ったが、それも違った。
 先程まで組んずほぐれつ絡んでいた男の身体からは、脈打つ血流と、呼吸の動き。そして何より、ほてった体温が感じられていた。
 しかし、違う。
 今、紀夫がのしかかる形になった身体からは、何も感じない。
 いや、冷たく、そして妙に強ばった感触と、鉄錆びた臭気が感じられている。
「ふあぁあああぁ~~~」
 逃げていた男が、息とも悲鳴とも取れぬ声を漏らす。
 紀夫も又、ほぼ同時に、同じ様な息とも悲鳴ともつかぬ声を漏らしている。
 そこにあったのは、首を切り落とされ、血の海に浸かった、筋骨隆々の大男の死体であった。

【早朝:ファンガール・J(本名:金山純子)】

 これは良いチャンスだ。
 デブの紀夫と、にやけエロ親父猪目の話を聞いて、私こと、類い希なる時空戦士であるファンガール・Jはピンと閃いたワケさ。
 彼ら2人が既に見ていたという少女の死体。
 もしその死体にスキルカードが残っていれば、自分が手に入れた【ネクロマンサー】のスキルを試せるかもしれない。
 死体を蘇生して従わせる、なんて、素晴らしくウットリするようなスキルではあるが、いざ実戦という場で突然使ってみて、どれほどの威力を発揮できるかは心許ない。
 蘇生した死者が、昔の古典的ゾンビムービーの様な、うーあーうーがー言うだけの、ノロノロ動く死体であったりしたら、それこそ何の役にも立たない。
 それに、カードにあった但し書きによれば、使えるのは放送があるまでの間に1回のみ。
 だとしたら、早朝にあるはずのそれの前に、その1回分を使っておきたい。
 この素晴らしい閃きを実行するため、私は一芝居打つことにした。
 適当な話をでっちあげ、もしかしたらその死体は友人かも知れないなどと嘯く。
 言葉少なげにそう言ったのは、でっち上げられるネタがあまり思い浮かばなかったからなのだが、それがむしろ、不安に苛まれる美少女という雰囲気を醸し出した……と、我ながらにそう思う。
 にやけエロ親父は難色を示したが(ったく、いけすかないオヤジだ!)、見事なまでに単純馬鹿であるおデブの紀夫は大いに同情し、自分が守るから一緒に行こう、等と息巻いてきた。
 その勢いに押されてか、渋々ながらの態でにやけエロ親父もそれに従う。
 これで、死体探しパーティーの結成だ。
 あー、ヤバイ。
 頬が緩む。
 なんかオラ、ワックワクしてきたぞ! 
 生の死体(ん? 今何か変なこと言った?)をまた見れるってのもそうだけど、やっぱりこのスキルカードの力を確認出来るのがたまらない。
 なんてったって、最初にあたしに支給されてていたのは、【ものまね】のカード。
 要するに、それだけじゃ何の役にも立たないカードだったのだから! (ほんと、ヨグスってマジ信じられない!)
 にやけそうになる顔を見られぬように、うつむき気味に顔を伏せながら、前後をおデブと親父に挟まれて歩く。
 おデブは盛んにこちらの様子をうかがい、何とも益体もないことを喋っている。何だよ俺の心のカレーBest5って、しらねーよ。
(ってか、もしかしてこいつ、私のこと元気づけようとしているつもりなのか? それ、けっこう笑えるけど)
 まあ、こいつはそこそこ趣味も良いし、お人好しで便利そうだから、少しは相手をしてやっても良いだろう。
 気に障るのは、後ろにいるエロ親父だ。
 こいつは、確かに会ったときから一貫して、「もっとも」な事しか言わない。
「みんなで協力して助け合おう」だの、「困難に立ち向かおう」だの…。
 要するに、胡散臭い。
 俗物も俗物、俗から生まれた俗太郎、みたいな顔をしているくせに、こんなときこんなに場所で、何言ってやがる?
 美少女相手に浮かれまくっているおデブ紀夫の方が、遙かにマシだ。
 だいたい顔からしてエロ親父のくせに、美少女相手に何の反応も示さないのも怪しい。
(勿論反応されてもキモいだけだけどね)
 何れにせよ、このにやけ親父の猪目という奴は、なんだか妙に、気に入らない。

 そんな事を考えていると、急に生暖かい壁にぶつかった。
 それは文字通りに肉の壁で、要するに立ち止まったおデブ紀夫の背中だった。
(うわ、じっとり汗ばんでる。キモっ!)
 顔を上げ、前を見ると、白み始めた空の下に、ぽつんと立ち竦む男が一人。
 些か、焦る。ちょっと、なんだよこの想定通りの展開!?
「…はぁ~…。死にたい…」
 突然、男がそう呟いた。また自殺志願者かよっ! どんだけ死にたがりがいるんだよ!?
 そう心の中で突っ込むより早く、おデブ紀夫が走り出した。
 あとはもう、無様な追いかけっこの始まりだ。 
 おいおい、俺が守るよ、的な事言ってたけど、そのもったらもったらは何なのよ。
「おい、紀夫くん!」
 うしろでにやけ親父が名前を呼んでるようだったが、聞こえちゃいない。
 おデブの頭の中はもう、この男が殺人犯で、そいつを捕まえてやらねば、という事にでもなっているのだろうか。
 あっけにとられている私たちを置いて、鈍足のくせに早速と姿が見えなくなっていった。

 さて、どうしたものか。
 一応、この死体を確認しなきゃならない。
 友達、なワケは当然無い。けどそういう建前でここまで来たのだから、まあ近づいても不審な事はあるまい。
 ちらと後ろを見る。
 ニヤケ親父は、走っていってしまったおデブ紀夫達の方へと、追いかけるでもなく歩いていってる。
 追うべきか、ここに残って待つべきか、判断しかねているというところだろうか。
 だとしたら、今がチャンスかもしれない。
 距離を確認する。けっこう離れているし、小声なら聞こえもしまい。
「……ネクロマンサー」
 どうやら首を絞められたと思われる女の子の死体の脇に座り込んで、小さくそう呟いた。
 ―――反応、無し。
 チッ! なんだよもう!
 これ、カードが使えないのか、それとも、この死体がカードを持ってないのか…。
 考えてみる。
 たしか、最初に会った自殺女は、死んだ直後に身体の上にカードが浮かび上がってきた。
 つまり、死ぬと一旦、カードは外に出る、ということか。
 で、この死体の上にはカードはない。
 何故かと言えば、こいつを殺した奴が持ち去った、という事…だよな、やっぱ。
 となると…だ。
 やっぱりこのカードの力を発揮するためには、直接自分で殺してから、カードを奪わずに【ネクロマンサー】のスキルを使う、というのが正しい、という事になるのか…?
 自殺女から奪った拳銃に意識をやる。
 けどなあ…。銃なんて撃った事無いし、巧くできるかなあ。

「駄目だなぁ、もっと巧く隠さなきゃあ」

 思案していたところに、丁度耳の後ろから、そう声がした。


【早朝:猪目道司】

「何よッ…!?」
 慌ててバッグの中の銃に手を伸ばそうとするが、猪目の手がそれを押しとどめる。
「い…痛ッ…何すんのよ!?」
 怒気をはらんだ声。しかしそれ以上に、混乱と不安が現れている。
「いやね。だってお嬢ちゃんさ。
 全ッ…然、隠せて無いんだもんさ!
 嬉しそうにニヤニヤしてるし、死体見てるときだってどー見ても友達かどうかなんて気にしてる風じゃないしさ。
 その点僕なんかね。元から顔がニヤケ面! むしろ逆に怪しまれない、なーんつってね! なははは」
 笑っている。
 酒でも飲みながら冗談を言い合うときの中年そのものの口調で、饒舌にそう話している。
「ただ死体を見てみたいだけ、ってんなら、まあ分かるよ。うん。
 でも、違うよね。それにしちゃあ大げさな嘘だ。
 だから、お嬢ちゃんは死体そのものに用があった。
 そして多分それは、さっき呟いていた【ネクロマンサー】とかって言葉と関係がある…だよね?」
 苦々しい、とでもいわんばかりの顔をするファンガール。
「だ…だッたら何だっていうの…よッ!?」
「僕もね。スキルカードってのに、本当に不可思議な力がある、って事、もう知ってるの。
 使ったからね。【未来予知】だってさ。スゴイよねぇ。だって、本当に未来の様子が、見えちゃったんだもん! は、ははっ!」
 猪目の声音は、次第に躁病じみたものに変わっていく。
「だから、この娘も簡単に殺せちゃった」

 息を、飲んだ。
 叫び出しそうに開かれた口を、猪目がもう片方の手で塞ぐ。
「めっ! 駄目でしょ、おっきい声だしちゃあ。誰かに聞こえちゃうでしょ?
 おじさんね。大人でも子どもでもイケる口なんだけどね。
 ま、今は残念ながらタイミングが悪いよね。
 急がないと、紀夫くん帰ってきちゃうかもしれないし…って、こんな事話しているのも、よくないな、うん!
 善は急げ、って、言うじゃない?
 それじゃーばいばい! 元気でなー!」


【早朝:二階堂永遠】 

 溜息をつく。
 いや、実際には溜息なんてつけることはない。私は現時点で、意識だけの存在だからだ。
 それでも、私は溜息をついた。少なくともその意識の上では、だが。
 考え得る中でも、最悪な状況に物事が進んでいる。
 ゲーム開始から出会った中で、最も自分を所持して欲しくない相手が、私の本体である、【ネクロマンサー】のカードを所持してしまっているのだ。
 猪目道司。連続殺人犯。見るからに風貌も冴えない、どこにでもいるようなニヤケ面の親父ながら、平然と、日常的に人を殺せるサイコパス…。
 ああ、いやだ。
 私が最初に取り憑いた相手、未来から来た厨二病電波少女のファンガール・Jは、うかつにもこの男と2人きりになり、そして背後から組み付かれ、首を絞めて殺された。
 ファンガール自体、たしかに浮かれていたし注意力不足でもあったけれど、それでもこの男の観察力は侮れない。
 嘘をついて死体まで案内させたことに何か裏の意図があると見抜いて、さらには【ネクロマンサー】という呟きから、スキルカードを使って死体に何かをするつもりだとまで見当を付けた。
 猪目は、その言葉が死霊使いを意味する言葉だと言うことは知っていたらしい。
 死者蘇生、とまでは想像していなかっただろうが、所謂降霊術とか、イタコの口寄せみたいなもので、そこから自分の殺人が発覚するかもしれないと考え、即座に口封じの決断をしたようだった。
 私からすれば、たまったものではない。

 ただ。
 少しだけ、楽しい事もあった。
 猪目は【ネクロマンサー】のカードを手に入れて、すぐさまたった今殺したばかりのファンガールにそのスキルを使ったのだ。
 そう、念願のゾンビ少女第一号の誕生である。
 ゾンビ化の効果には相当面食らってはいたが、この男そういう点ではやけに適応力がある。
 こりゃ死体を始末する手間も掛からなければ、ファンガールが居なくなった言い訳をしなくても済む、ということで、意外にアッサリそれを受け入れた。
 まあ言うなれば今いるのは、【ファンガール・M・J】 というところか。
 M、は、【ものまね】、のM。
 【ネクロマンサー】が疑似人格を与えるのは、厳密には死体ではなく、死体が持っていたスキルカードだ。
 ファンガールだった死体を、ファンガールの人格をベースに、【ネクロマンサー】カード所持者への忠誠心を加えた、【ものまね】のカードが動かしている…。
 要するに、そういう事だ。

 ああ、まったく猪目の奴、楽しそうにしている。
 それに引き替え、こっちはだんだん意識すらぼやけてきた。
 所持者の自我が揺らいでいけば、【ネクロマンサー】のカードである私は、所持者の意識を浸食して、最終的には支配することも出来る。
 しかしこの男、ファンガールなどとは比べものにならないほど、強固で強烈な自我を持っているのだ。
 むしろ今、その猪目の自我の強さに圧されて、自分自身の意識体としての自我を保ち続けるのも難しい。
 仕方ない、しばらくは眠っていよう。
 生ける死者達の世の夜明けを思いつつ、早いところ誰か、出来れば可愛らしい少女が、このイカレ殺人鬼を殺して、私を所持してくれることを願いながら……。

【ファンガール・J:死亡→ゾンビ化】


【一日目・早朝/C-5 劉厳の死体の近く】

【逆井運河】
【状態】健康、疲労
【装備】なし
【スキル】なし
【所持品】基本支給品、スキルカード『二分の一』、不明支給品1~2
【思考】
1.死体だし、追っかけられるし、また死体だし、もう死にたい…。

【田崎紀夫】
【状態】健康、疲労
【装備】なし
【スキル】なし
【所持品】基本支給品、不明スキルカード、不明支給品1~2
【思考】
1.うわ、これ、死体っスか!? またスか!? また死体スか!?

【一日目・早朝/C-6 林】

【猪目道司】
【状態】健康
【装備】S&W M10(5/6)
【スキル】『未来予知』 『ネクロマンサー』(浸食率0%)
【所持品】基本支給品、不明スキルカード、不明支給品2~4 、予備弾薬(48/48)
【思考】
1.生き残って自由になる。
2.ゾンビのファンガールと共に、紀夫でも捜すかな。

※以下、【ネクロマンサー】によって生み出されたゾンビ
【ファンガール・M・J】
【状態】外的損傷無し
【装備】果物ナイフ
【スキル】『ものまね』
【所持品】基本支給品、
【思考】
1.【ネクロマンサー】所持者に従う。

25:騎士と騎士 時系列順 24:僕たちの失敗
22:蛮勇引力 投下順 24:僕たちの失敗
21:少女観察記 ファンガール・J 37:スリラー
21:少女観察記 田崎紀夫 35:Do you struggle against trouble?
21:少女観察記 猪目道司 37:スリラー
01:逆さまの運命 逆井運河 35:Do you struggle against trouble?

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