オリジナルキャラ・バトルロワイアル2nd(ver.2)まとめwiki

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板垣退助。
我々の歴史の教科書には、必ず出てくる偉人の一人。

自由民権運動の指導者の一人で、後の国会となる帝国議会の設立に貢献。
民衆からの人気は高く、没後の戦後には紙幣の肖像になったりとメジャーな人物の一人だ。

…そんな板垣退助が、どうやらこの殺し合いに訪れてしまったようだ。
随分と我々の思う姿とは変えて。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

夜。
夜風が静かに吹く、そんな草原に立ち尽くす男が一人。

しかしその風貌は中々異様なもの。
まず身長は2mをゆうに越す大男。
採寸があってないであろうスーツに、可愛らしい蝶ネクタイ。
Vの形になっている立派な白髭。
その目は獣の様に鋭く、常に一点を見つめている。
その姿は、まさに覇王。
そして、彼こそが先程述べた板垣退助である。



…分かっている。そんな板垣退助は我々が知っている『板垣退助』とは違っている事は。
ただ、彼は『板垣退助』であって、我々の思い描く『板垣退助』とは違う。

…話を変えるが、一度は歴史の『if』を考える方はいるはずだ。

―――もしも、伊達政宗がもっと早く生まれていれば、だとか。

―――もしも、ミッドウェー海戦で日本が負けなかったら、だとか。

その『if』は、過去の歴史を好む我々からすれば、いつもつきまとうものだ。

ただそれが事実になれば?
伊達政宗が早く生まれて、東北ではなくて関東にいれば、徳川幕府ではなくて伊達幕府が作られたなら。

山本五十六が名将でミッドウェー海戦で勝って、日本が怒涛の快進撃を見せたなら。

それが日本の教科書に書かれる事になったかもしれない。
つまり、何が言いたいのかというと、人々が作られた『if』は、必ず何処かの次元で、『史実』となりうるのだ。

この板垣退助は、ちょっと道を間違えただけ。



「自由を得る為に、我は力を手にいれた」

彼は話し合いや訴える事より、実力行使を選んだ。

「自由を得る為に、我は権力を得た」

彼は軍部を取り込んで、クーデターを起こし、成功した。

「自由を得る為に、我は唯一の王者となった」

彼は自由の為に国の名前まで変え、総統となった。

「自由を得る為に、我は国を侵す者達を迎え撃った」

彼はたった一人で日本を攻めてきたロシアと闘い、その危機を救った。

「我、板垣退助。自由を信じ、愛する者なり」

そうして彼は、自由主義国日本の、初代総統となった。

「我は分からぬ。何故あの者は我々の自由を奪うのか」

板垣にとって、『自由』は一番である。
差別の心を捨て、他人を愛する心こそ、『自由』を生む。
だからこそ、だからこそ板垣には理解出来なかった。

「人々の未来を奪い、夢を潰える。あの男はそれをしようとしておる」



板垣の顔は鬼の形相となっていた。
だがそれだけではない。
彼は涙を流していた。
唇を噛みしめ、眉間に皺を寄せながら、彼は怒り、悲しんだ。

「許せんッッ、許せんぞッ」

ゴオッ、と爽やかな夜風とは違う、突風が吹く。
板垣の心を現すような、豪風。
板垣の目に灯る、炎。

「我は行くぞ、あの男に、自由を奪う代償を教え抜く為にだ」

板垣の思いが募る。
血が猛る。
体が火照る。
怒り、決意が同居する感情。
それを抑えるには、あの男を粛清する事。

「では、出向こう。自由を教え抜く為に」

そう前を向いて、一歩踏み出したその時だった。
突然、後ろから殺気。

「…むッ!?」

板垣はその巨体をフワリと浮かせ、そこからゆうに1mは離れる程避けた。いやむしろ飛んだといったがいいか。

「後ろからとは…平等ではないな」



板垣はギロリと睨み付けながら言葉を吐き捨てる。
男は板垣程では無いが一目で分かる鍛えぬかれた筋肉。
警戒を強める板垣相手に、男は言い放つ。

「見たところよォ…おっさん強そうじゃないの…」
「だから何だ」
「楽しませてくれよ。おっさん…オレ、闘いてえんだよ…」
「そうか」
「だからよぉ…俺に殺られて死ねや!」

飛びかかる様に、板垣へと男は飛びかかる。
男の手には、何処から取り出したか分からない日本刀。
板垣は、そこを動かずただ立ったまま。
しかし…その右腕には力が込められている。

「そうか、貴様は我を殺す気か―――ならば、我も貴様を殺そう」
「何言ってんだテメェッ!」
「貴様には『殺意』しかない」

そう呟いて板垣から放たれた右腕は、いとも容易く男の胸を貫いた。
血ヘドを吐く男、徐々に白目を向く。
一目で分かる。男は死に近づいているのだと。
苦しむ男。睨まれる板垣。
板垣は何処か悲しい目で男を見る。

「…我に挑むなら、『愛』を持ち『平等』で挑む事だ」


「化け物か…テメェ…」
「自由の為なら、我は化け物にでもなる」
「ンだよ自由自由て…まぁおもしれえや…」
「名前」
「あ…?」
「名前を教えろ。頭の片隅にでも置いておこう」
「劉…厳…」

そう言われた板垣は腕を引き抜いた。
噴水の様に出る血。
崩れる様に倒れる男…いや、劉厳…。

「さらばだ。劉厳。貴様は自由を知らなさすぎた」

【一日目・深夜/C-5 草原】
【板垣 退助】
【状態】健康、決意
【装備】なし
【スキル】なし
【所持品】基本支給品、不明カード1枚、不明支給品1~2
【思考】
基本:自由を愛し、平等に生きる
1.闘いを挑む者には容赦しない
2.自由を奪う男(主催)を粛清する


【劉厳】死亡確定

07:日常への帰還 時系列順 09:騎士と姫
07:日常への帰還 投下順 09:騎士と姫
板垣退助 22:蛮勇引力
劉厳 死亡


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