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サン 陽陰SS・イラスト

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~「魔人」陽陰の誕生日・1~


「すっ…凄い世界ですなあ…。」

陽向陽陰(ひなた ひかげ)は、友人のBL同人誌に目を通してそう言った。交友関係の広い彼女には様々な友人がいるが、その中の一人、いわゆる腐女子の友人の家に今来ているのだ。本の中では彼女も知っているようなメジャーなキャラクターが男同士で肌を重ねている。こういう趣味の人間がいることは知っていたが、実際見たのは初めてだ。

「こっこれなんか性別が入れ替わってるし…。」

いわゆるTSモノというジャンルであり、その手の業界では定番ジャンルの一つらしい。
「同じキャラの組み合わせでも、二人の性別を入れ替えるとまた別モノになるんだよ。」と友人は言う。
そのときは正直自分にはよくわからないモノだと思っていた。しかし、このことは彼女の人生を大きく変えることになる。
それが起こったのは数日後の話である。

「んっ…」

陽陰が目を覚ましたとき、時間帯はまだ夜中だった。隣には恋人のサン=ライズ(以下サンライズ)が眠っている。今日は彼の家に泊りに来ていて、いつものように肌を重ねた後ベッドで一緒に眠りについたのだが、自分だけ目を覚ましてしまった。

「寝汗気持ち悪い…」

季節は夏。今日も熱帯夜で、目を覚ました彼女のパジャマは寝汗でベッタリだった。
太陽のようだと形容される彼女は、夏の蒼空に浮かぶ太陽が好きだったが、暑さまで好きかと言われれば話は別である。
特にこういうじっとりとした蒸し暑さは。

「ライ君、シャワー借りるね。」

自分の寝相の悪さで随分乱れてしまったタオルケットを彼にかけ直してから、バスルームに向かう。



鏡に映し出される幼い裸体。自分と歩いているとサンライズが職務質問を受けることもある。

「う~ん…男の子みたいな体だにゃあ。」

ツルペタの体を幼女と言われることは多々あって、だから当然自覚はあったのだけれど、
何故かそのときに限っては「男の子みたい」と思ってしまった。
幼女と少年、性が未分化な年代の体は確かによく似ている。

「私の体-アソコがおちんちんになれば完全に男じゃないかな?」

後は髪か-彼女の容姿で数少ない女性的な要素であるロングヘアを撫でてみる。男体化-あの日、友人の家で見た同人誌の如く、鏡に写った自分の裸体を脳内で短髪の少年のそれに変換してみる。

「私とライ君の…BL…」

普段の交際も、自分を男に変換してみるとどんなモノになるのだか想像がつかない。
さっきまでしていたSEXも。普段は自分が騎乗位で攻めているが、男になった自分はサンライズのアナルをガンガン犯すのだろうか。
男になったら逆に受けになるかも知れない。

「ライ君が女の子にってのもアリか…」

自分と女体化サンライズのレズプレイ。男体化した自分との性別逆転SEX。
妄想は膨らんでいく。そして、妄想を始めてから数十分が経ったときであった。
突然、変化は起こった。

「あれ…っ?えっ…?」

鏡の中の自分が男になっている。
妄想の中の男体化した自分が、脳内変換でなく確かに目に映っている。

「…!」

視線を下に向けると、そこにはいつも見慣れた割れ目ではなく、幼く愛らしいペニスがぶら下がっていた。
胸に申し訳程度にあった脂肪も完全に無い。髪も短い。

「私、男に、ていうか、」

事実に遅れて「認識」を認識した。

「魔人になったんだ…。」



「すっげえええええええええええええええええええええ魔人だああああああああああ
魔人になったあああああああああああああああああああ」

夜中だと言うのに興奮して大声を上げる陽陰。世間からは差別の対象となる魔人だが、
陽陰にはむしろ憧れであった。自分が魔人になったらどんな能力がいいかなあなんて妄想したこともある。
妄想内での自分の能力に比べて何かしょっぱい気がしないでもないが。

「何叫んでんだよ夜中に。隣の部屋に迷惑だろ。」

「あっ…ライ君…。」

ガラリとバスルームの扉が開いて、サンライズが顔を出す。
眠気と不機嫌さが入り混じった彼の表情は、そこにいる人物を見て驚愕へと変わる。

「だ…誰…?」

「すっげえええええええええええええええええええええ魔人になったの?」

「ライ君大声」

「あっ悪い」

陽陰が魔人になったことを伝え、女に戻り、また男になるところを見せるとサンライズは
目を輝かせてさっきの陽陰のように興奮して叫んだ。

「魔人かあ…。いいなあ。でも魔人って力強いんだろ?膣圧でちんこ潰れたりしないかな…。」

馬鹿な心配をするサンライズを見て、陽陰は安心した。魔人になった自分を彼が拒絶したりしないか
という不安もほんの少しあったのだ。所詮他人の魔人を差別しないと主張することと、
自身のパートナーが魔人であることを受け入れるのはまるで別次元の問題である。


「何か力が強くなった感じはしないし、大丈夫」

かんらかんらと陽陰は笑う。

「そっか…良かった。」

そう言いながら、彼はズボンの股間にテントを張っていた。言うまでもなく、
目の前の陽陰の裸体を見てのことである。

「2回戦…しちゃう…?」

いたずらっぽく陽陰は笑い、「でも…」と付け加えた。

「せっかくだから能力いっぱい試したいじゃん?」

「えっ…うわっ何だこれ…?体が…。」

体が突然熱くなる。胸と尻に脂肪が集まり、腰が括れ、股間がムズムズする。
数秒後、そこには女体化したサンライズの姿があった。

「自分以外の性別も変えられるんだ…。そして私…女だとこんななんだ…。」

鏡に写った女体化した自分を見て、アルトの声で呟く。

「女のときはボクが攻めだからさ…今度はライズさんに攻めて欲しいな…。」

頬を染め、自分を上目づかいで見ながらそう言う幼い少年を見てサンライズはゴクリと唾を飲んだ。

就職した2人が籍を入れ、陽向陽陰がサン陽陰になるのはそれからまた数年先の話である。

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