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ASA 17-047-2007 北京五輪開発被害者=葉国強氏らに拷問、虐待、不公正裁判の恐れ

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UAナンバー:UA 255/07
国際事務局発信日:2007年10月4日
AI INDEX:ASA 17/047/2007
  • 国名:中華人民共和国
  • ケース:拷問、虐待、不公正な裁判の懸念


このページの内容一覧


対象者

  • 葉国強(葉國強、叶国強、ようこくきょう、Ye Guoqiang。男性, 47歳)
  • 葉明君(叶明君、ようめいくん、Ye Mingjun 。男性, 25歳)

事案の概要

葉明君と葉国強は、"[国家政権]転覆煽動"の容疑で、北京警察に拘禁されている。彼らは独房に入れられており、拷問その他の虐待を受ける危険がきわめて高い。彼らは、投獄中の居住権活動家=葉国柱の、それぞれ息子と弟である。葉国柱は、伝えられるところによると、殴打や他の手段による拷問にさらされている。

9月29日、葉明君は、いとこ、即ち、葉国強の息子と共に、自宅から北京市宣武区公安分局の警官に連行された。警官は二人を尋問のため、区の警察署に連れて行った。葉明君のいとこは、真夜中ごろに釈放されたが、葉明君の家族は、葉明君が"国家政権転覆煽動罪"の容疑で拘禁されている、と記載された通知を警察から受け取った。彼は、北京市宣武区公安分局看守所[留置場]に拘禁されている。

その日早く、葉国強は、手作りのプラカードを持って、北京西南部の景勝地である公園「大観園」に行った。2008年に行なわれるオリンピックの建設工事のために土地を整理するとのことでなされた強制立ち退きに対し、抗議するためだった。その場所で、彼は宣武区の警察によって拘禁され、どこかわからない場所へ連れ去られた。それから、警察は彼の自宅を捜索し、彼が書いた26篇の文章と2台のコンピューターを押収した。

2008年のオリンピックに向けた建設工事のため、北京市当局は、2003年、葉国柱と葉国強が経営するレストランと彼らの自宅を取り壊した。一家は、何の補償も受けず、このため彼らは、北京五輪準備のために強制立ち退きを余儀なくされる[人々の]苦境について、[社会に]注意を喚起しようと努めることとなった。

警察は、葉国強の家族に、彼がどこにいるか知らせなかったが、10月3日、"国家政權転覆煽動罪"の容疑で彼も拘禁されているという通知を、ようやく家族に与えた。[しかし、]依然として、拘禁場所については告げていない。

葉国柱は、北京の強制立ち退きに反対する公開のデモを催すために、当局に許可を申請したところ、2004年12月、"難癖をつけて騒動を起こした"[「尋釁滋事」]罪で、懲役4年の判決を受けた。信頼できる複数の報告によると、彼は、2006年の終わりにかけて、獄内で電気ショック棒を当てられたという。2005年、"厳管"[懲罰]期間中には、さらに殴打を受けた。その時には、長時間、硬い椅子に正座させられ、手錠や足かせをされた。北京の東城区公安分局看守所で裁判を待つ間は、繰り返し警官に殴打され、腕を天井から吊り下げられた。この扱いの結果もあり、彼の健康状態は悪いと確信されている。アムネスティは、彼を良心の囚人と認めている。

背景情報

北京での急激な再開発は、2008年の夏季五輪を迎えるなかで、加速している。家々は、市のいろいろな場所で、新しい建設計画のため取り壊されている。多数が、正当な手続きや充分な補償も無いまま、立ち退きさせられていると伝えられる。適切な法的保護がないまま実行される強制撤去は、適切な居住権を含む人権の侵害である。この権利は、『経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約』に定められており、中国は、同規約の締約国である。


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