代償・・・
・他人に与えた損害の償いとして差し出す金品や労力
・代弁(本人に変わっての弁償、行動)
そして・・・
・何かを成し遂げるその代わりに犠牲になるもの
∧_∧
( ・∀・)
( つ
(_○___)
WORK1 理性60%
俺の名はモララー。歳は26歳。趣味は夜道の散歩。仕事は・・・・・・まあ、いいや。
いま俺は、街中のとあるバーにいる。そこのマスターとは、結構前からの付き合いだ。
「マスター。カシスソーダ1つ」
「あれ? めずらしいですね。いつもカミュしか飲まないのに・・・」
まあ、なじみマスターの反応は当然だね。いつもここでは、カミュしか飲まないからね。でも、頼んだカシスソーダは俺のじゃないんだけどね・・・。
カランコローン・・・
「いらっしゃいませ」
バーに入ってきたのは、20歳ぐらいの女性だった。
「お待たせしました、モララーさん」
「ありがとう、マスター。・・・・・・キミ!」
「? はい、なんでしょう?」
俺はさっき入ってきた女性に声をかけた。ナンパじゃないからな。
「ハイ、カシスソーダ。先に注文しておいたよ」
「あ、あの・・・モララーさん? ゴニョゴニョ・・・」
「え?? ちゅ、注文してませんけど・・・」
「でもこれから頼むつもりだったんだろ? で、死 ぬ つ も り なんだろ? レモナさん」
「ちょ・・・モ、モララーさん・・・! いきなりそれは・・・」
「!?! ど、どうして・・・」
「まあ、少しお話ししようか?」
「・・・・・・」
とりあえず俺らは、外に出た。あと、さっき言ったことは当てずっぽじゃないよ。ちゃんと分かってたことだからな。そして、レモナって女性がが今日ここに来ることも、知っていた・・・。
彼女に詳しい事情を聞かされたけど、彼女は、悪い男に金を500万円騙し取られたそうだ。もちろん、学生の彼女には払えない額だ。でも、土地を売って学費を出してくれた両親にも言えるはずがなく、その男と付き合うために身をひいてくれた友達にも言えず、死ぬことを考えていたそうだ。で、最後に思い出のカシスソーダを飲みに、ここに来たわけだ。なんの思い出だかは知ったことではないけどね。
「なるほどね・・・。そりゃいかん話だ」
「ええ・・・。だから、私に残された道はもう・・・」
死ぬこと、と言うつもりだろうけど、ここで死なせるわけにはいかない。商売にできるからな・・・。
「そんな男のために、死ぬ必要なんてない」
「え? で、でも私は・・・」
「・・・あれを見てみな」
「?」
ドサッ
彼女は何かが落ちた音と一緒に、俺が指をさす方向を向いた。
「こ・・・これは・・・?」
「金だけど、何か? 500万あるよ」
「借金と同じ額だわ・・・。でも、どうして?(しかも道端に・・・)」
レモナさん、いろんな意味で驚いてるな。そして、ものすごく欲しそうな眼だね・・・。
「フッ。これは俺が用意した金さ。・・・っと、手をつける前に説明するぞ」
さーて、ここからが俺の商売の見せ所だ。
「俺の職業は、代 償 屋 さ! 何かをしてやる代わりに、その代償を支払ってもらう! それを糧にしているわけだ・・・」
これが俺の仕事、代償屋さ。
「つまり、俺はあんたに金をやる代わりに、俺はあんたから代償をもらう」
「だ、代償・・・?」
「500万の代償か・・・。少し高くつくけど、どうするかな・・・。いっそのこと、彼女にしちゃうとかwww」
「あうう・・・・・・」
彼女も、少し迷ってるようだね。じゃ、これにしよう。
「よし、決めた! あんたの理性60%を1日分だけもらおう」
「り、理性・・・?」
「そう、理性。あんたがOKしてくれたら、あんたの理性を俺がもらい、あんたはその金を手に入れる。・・・OK?」
「・・・・・・」
少し沈黙があったけど、彼女はとっくに決心はついているようだ。
「OKよ」
「まいどありっ」
契約完了っ。でもあとは、彼女次第・・・。
ガバッ
私が気づいたときには、住んでいるマンションの布団の中だった。夢だったのかしらっと思った。けど・・・。
「夢じゃない・・・」
私の枕元には、500万円のお金があった。
「ふふ・・・あ・・・ひゃひゃひゃ・・・・・・」
とても嬉しかった。これで・・・これで・・・。
「あひゃー! これでお金も返せるし、学園生活に復帰できる!!」
本当に幸せな気持ちだった。でもそれは、ほんの一瞬で崩れ去った・・・。
私はすぐに、学校に行った。そして、見つけた。あの男を・・・。
「マールくん!」
お金を騙し取った男、マル君。そして、その隣にいたのは、私の友達のミケちゃんだった。
「レ、レモナ!! 何故学校に・・・」
「ふふふ・・・さーねっ」
許せない男・・・。でも、でも・・・何故か、諦めきれない・・・。
そんな昼休み、私はミケちゃんに屋上に呼ばれた。
「久しぶりね。ミケちゃん、どうしたの? こんな所に呼び出して?」
「・・・何故戻ってきたの? マル君は、今は私と付き合ってるのよ」
「そう・・・私がいない間に・・・。でも、マル君は私のもの・・・」
「? 何を言って・・・」
「だって、諦めがつかないもん・・・」
このとき、一瞬だったけど意識がなくなった。でも確かにわかっていることは、右手に誰かを殴った感覚があること・・・。
「マスター。金が入ったから、ツケが払えそうだよ」
「ホントでしょうね? 35万も払えるんでしょうね?」
「え!? ぃゃ・・・やっぱりもうちょっと待って・・・」
そんなにたまってたっけ? ツケ・・・。
「はい、足りないなら持ち金全部出してください」
「・・・・・・」
かなり困ったぞ・・・。ならば・・・。
「困ったことはないか? 少しの代償と引き換えn・・・」
「代償のお金はいりません。代金を払ってください」
交渉失敗。ホントに困ったぞ・・・。
「払わなければ、縄プレイしますよ」
「く、くっそぉ~」
縄プレイだけはゴメンだ。どうしようか迷ってたときだった。
「マ、マスター! 昨日来たレモナって女性のことが気になるから、ちょっと様子を見に行ってくるよ! んじゃっ!」
「あっ、ちょ・・・モララーさん!!」
カランコローン・・・
何とか逃げきれた。でも、あのレモナってヤツのことが気になったのは事実だ・・・。
今私は、病院の入り口前にいる。そこから出てきたのは、左頬が腫れ上がっているミケちゃんと、それを心配そうに見ているマル君だ。
どうやら私は、無意識のうちにミケちゃんを殴ってしまったみたい。私自身は憶えてないけど、ミケちゃんがそう言ったから・・・。
「殴りつけるなんて、何を考えてるんだキミは!?」
「・・・・・・」
返す言葉もない。
「レモナなんて・・・レモナなんて、戻ってこなければよかったんだ!!」
「!!!」
その時、私の中でものすごい勢いで怒りがこみ上げてきた。とても抑えられないような・・・。いえ、違う。その抑える力の方が弱かったのかな・・・。
・・・・・・数分ぐらい経った頃、私はあることに気がついた。それは、両頬が赤く腫れ上がって倒れているミケちゃんと、右頬が腫れ上がって同じ所に倒れているマル君と、殴った感覚がある私の両手・・・。
マル君もミケちゃんも、顔が腫れた程度だったから二ヶ月ぐらいで直るそうだ。でも、私は・・・もう私でないような気がする・・・。たった一日で・・・。とりあえず私は、自分を落ち着かせるために自分のマンションに戻った。でも、私の心は余計に荒んでいった。
「金は返したかい?」
聞き覚えのある声。そう、あのバーにいたモララーという男だ。
「モララー・・・・・・殺してやるわ・・・」
無意識のうちに出てしまった言葉。でも、正直本音でもある。
「おいおい、いきなりそれかよ?」
「アンタ、最初から分かっていたんでしょ? こうなること・・・」
「ん~~~。まあ、だいたいね」
まさにこの瞬間、私の中で何かが切れた。
「あひゃ・・・・・・あひゃひゃひゃ!! コロス! コロしてやる!!」
ダッ!!
何がなんだか、自分でも分からない。ただ、今ベランダの外を見ているモララーを殺してやりたい、それしか頭にない。けど・・・。
バリィィーン!!
たったこの音で正気に戻った私がいるところは、宙の上だった。そのまま、ゆっくりと落ちていった。
「おとなしく金を払うだけならよかったものを・・・。そうだ・・・。これはおまけだ! とっときな!!」
パチンッ
小さく指を鳴らす音が聞こえた瞬間、私のちょうど真下に、ストローを銜えたマル君が宙に現れた。
「な、なんだここは・・・!? ん? お、おい! う・・・うわああぁぁぁ!!」
これが、最後に見た光景と、最初にして最後に聞いたマル君の叫び声・・・。
ズンッ!! ぐしゃり・・・・・・
俺はまた、いつものようにあのバーでカミュを飲んでいる。そして今日は、あのことをマスターに話した。
「あの女は金を払い、だました恋人と別れ学園生活に復帰すればよかったんだよ」
「・・・ああ、なるほど。願い通りだしねぇ?」
「けど、理性を減らし悪い恋人を諦められず、結果俺に跳ね返ってきてあの様さ・・・」
(でも、理性をもらったのはあなたなんですよね・・・)
呟き声が聞こえてるよ、マスター・・・。
「・・・っと、お客さんが来るよ」
「あなたにですか?」
「まぁねwww」
カランコローン・・・
ほーら、来た。毒男さんがやって来た。生きるのに疲れてここに来たんだろうね。その証拠に、重い溜息なんかついちゃってる。
「・・・・・・あなた、お悩みのようだね?」
「エ? ド、ドウシテソレガ・・・?」
「この代償屋が、わずかな代償でキミの望みを叶えてあげるよ」
WORK2 寿命30年
殺してやりたい・・・。みんなみんな、目に映るやつは片っ端から・・・殺してやりたい・・・!
そんなことを、いま俺は思っている。
こんなにむかついてる理由は、数時間前にさかのぼる・・・。
「お前クビね」
「はっ!? い、いきなりそんな・・・」
「はよいなくなれや。お前の代わりなんて、いくらでもいるんだからよ」
いわゆる、リストラになったわけだ。
だから、みんな殺してやりたい・・・。何かでストレスを発散しないと・・・。
そんなことを考えている間に、とあるバーに着いた。
「いらっしゃいませ」
「・・・生をくれ」
「ハイ、生1つ」
生1つで発散されるストレスじゃないが、飲んでないとダメだ・・・。
カラーン・・・カラーン・・・
隣のやつがウザイ・・・。氷を見て不気味に笑ってやがるし、その氷をペロペロ舐めてやがる・・・!
「モララーさん。氷舐めないでおかわりしませんか?」
「いや、いい」
「はい」
あのマスターもマスターだ。あんな客をほっときやがって。こっちがいい迷惑なんだよ・・・!
全く、どいつもこいつも・・・!!
(ああ・・・・・・もう・・・・・・シ ン ジ マ エ !!)
隣で氷を舐めてるやつにコップで殴ろうとしたその時だった。
「・・・たった1人だけでいいんですか?」
「・・・何?」
「もっとたくさん、殺りたいんでしょう?」
「・・・・・・」
こいつ、俺の心が分かるのか・・・?
さっき俺を殴り殺そうとしたAAは、お皿ーって奴だ。ホントに、口がお皿そっくりだねw。っと、無駄話はここまでだ。そのお皿ーってヤツに、俺は自分の職業のことなどを話した。
「代償屋? そうか・・・。」
「で、あなたの悩みは?」
「ああ。私は今日リストラされてね、まだ40なのに・・・・・・。この怒りを何かにぶつけたい! おまえのいう、代償を支払ってもな!!」
つまり、何かでストレスを発散させたいわけか。だったら・・・。
「じゃ、あなたの残りの寿命30年分を支払ってもらいましょう」
「え!? さ・・・30年?」
「あなたは70歳までいきますからね」
「なっ・・・ぴったりの計算じゃないか! そのまま死ぬんじゃないのか!?」
「いえいえ。ストレス解消と、引き換えの寿命です」
この言葉で、彼に納得の表情が見えた。多分心の中で、代償の見返りはそれなりのようだな・・・って思ってるだろう。
「・・・・・・いいだろう」
ほら、来た。
気がつけば俺は、全く知らないところで倒れていた。
「う・・・。?? どこだ、ここは? 森・・・か? ・・・・・・このダンボールは?」
ふと横を見ると、そこには大きなダンボール箱があった。
「何が入って・・・・・・。!!! こ、これは・・・」
好奇心で覗いたダンボールの中には、あるものが入っていたんだ。それに手を触れようとしたときだ。
「ア! ソコノオサラグチ!! ワタシノイエニナニシテンノヨ!?」
後ろから声が聞こえた。・・・・・・私の家? これが? それよりも気になったのは、どうしてこんなものがこの箱の中にあるってことだ。・・・・・・一応訊いてみるか。
「この箱の中身はなんだ?」
「シィノモウフヨ!!ソレガドウシタノ!?」
・・・・・・確かに毛布は入っている。その言葉に迷いはない。と言うことは、これのことは知らないということだ。
(・・・となると、やはりあのモララーって奴が後になって用意したんだな。この・・・・・・)
「チョット!!」
「・・・武 器 を !!」
「・・・よし! 行ってくるよ、マスター」
「おや? 早いですね?」
「なにいってんだよ。大もうけのチャンスさ! ・・・死の間際ってゆーものは、代償を取りやすいものさ」
「はぁ・・・」
・・・死の間際・・・。この言葉に、モララーさんが何をしようとしているのかを、私はすぐにわかりましたよ。
「んじゃ、行ってくるよ。あと、コレもつけといて」
そういうって行ってしまった。彼のお仕事の開始ですね・・・。
すごい快感だ・・・。殺しがこんなに楽しいものだったなんて・・・。これが寿命30年と引き換えなら安いものだ・・・。しかも、道を通るたびにいろんな武器が落ちてるとは・・・・・・あのモララーに感謝しないとな。
ふと、俺は、ある駐在所のところで止まった。
マイアヒー♪ マイアフー♪
イライラさせる音楽だ。何かすっきりさせる武器はないものか。そんなことを考えてると、近くにあるものを見つけた。
それは・・・・・・バズーカ砲だ。俺はすぐに手にかけ、トリガーを引いた。
何人もの死体がごろついている。多分あいつがやりまっくてるんだろうね。
「・・・おや?」
そんな中で、何人かだけ生きていたようだ。俺としては、手遅れになる前で助かったけどな。
「・・・なぁ、あんた。死ぬ前に俺と取引しねぇか?」
「・・・・・・エ?・・・・・・」
その中で、最も怪我がひどい人に声をかけた。女の人のようだ。
「あんたの望みを何でもかなえてやるぜ。・・・あんたがそれに応じた代償を払ったらな」
「・・・・・・」
ちょっとの沈黙。でも、彼女はすぐに口を開いた。
「コウミエテワタシハトシデス・・・。コドモモオオキクナッテハタライテマス・・・」
「お子さん、ですか?」
「ハイ。ナニカヲダイショウニシテネガイガカナウナラ・・・タマシイヲダイショウニシテケッコウデス・・・。ダカラ、ワタシノムスコニアワセテホシイノデス・・・。オネガイシマス・・・・・・」
「・・・なるほど。最後に一目みたい・・・と」
断れない状況かな。いや、むしろ断らないね。魂は結構高いから。
「魂か・・・。いいだろう」
そういった瞬間。
ドカァーーーーン!!
でっかい爆発音がした。おそらく、あいつだろう。確かあのあたりは・・・。
「今の爆発は、駐在所が爆発した音だね」
「エ・・・アノ・・・ワタシのムスコハ、チュウザイジョデハタライテルンデスガ・・・」
「ぎゃああぁぁぁぁ!?!」
ちょうどその瞬間に、一人の男が飛んできた。ずいぶん吹き飛ばされたなぁ。
その男を見て、さっき契約した女が驚いた顔をしてたよ。多分、吹っ飛んできた男があの人の息子だろうね。そして、そのまま息絶えた。
「・・・さぁ、逝こうか」
俺も早いとこ、逃げたほうがいいかもな。・・・商売をして。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・。やったぞ・・・。この村の奴ら・・・、全員殺してやったぞ・・・」
とてもすがすがしい気分だった。もう、死んでも構わない、と思っていたときだった。
バシュッ!!
俺の胸に、何か硬いものが貫いた。そして、俺は倒れた。
「や・・・・・・ぞ!! よう・・・・・・しゃ・・・・・・だ!!」
声が聞こえる。おそらく警察だろう。そいつらの持っている銃で、俺は撃たれたんだ。
「ぐふ・・・・・・。そ、そう言うことか・・・。ここで死んで・・・・・・契約完了だ・・・」
納得はしていた。これで死ねるなら、構わないと。だが、現実はそんなにあまくはなかった。
「やったよ、マスター!! 魂が4柱手に入ったうえに、寿命30年! 今度こそツケが払えるよ!!」
大喜びでモララーさんが入ってきました。正直、私も少し喜びの声を上げたかったですよ。やっとモララーさんがツケを払ってくれるのだから・・・。
しかし、それは私らしくないので抑えました。
「それは良かった。では早速、払ってくださいな」
「ツケ払う前に、カミュ1つ下さいなw」
「かしこまりました」
頼まれたことは断れない主義でしてね。先に注文の方を聞いてしまいました。まぁ、モララーさんがツケを払ってくれるならそれでイイでしょう。
「お待たせしました」
「ありがとーw」
そう言うと、一気にグラス半分を飲んでしまいました。
その後の口元は、不気味ににやついていました。
俺は死んだ。あの警察共の銃で。だけど、それはそれでいいんだ。
・・・・・・その考えがあますぎた。
ガバッ
「おっ。気が付いたか!」
何故か俺は、ベッドの中にいた。
「・・・・・・ここは?」
「ここは警察病院だ。あの村でお前は撃たれたんだぞ。まぁ傷が浅くて良かったけどな・・・」
・・・他にもこの看護士はアーダコーダいっていたが、そんなものは耳に入っちゃいない。
ただ疑問が一つ。・・・・・・なんで俺は生きているんだ?
傷が完全に治った後、すぐに俺の裁判が行われた。
「間違いなく、被告人が村を全滅させた!!」
「ぐっ・・・さすがに、異議なし」
案外その裁判は、スムーズに行われたようだ。
(・・・そうか。コレで死刑判決・・・・・・ってことか?)
そう思っていた。が、実際は・・・。
「判決を言い渡す! 被告人は無期懲役!! 執行猶予無し!!」
(・・・・・・あ、あれ? おかしいぞ、おい・・・)
(中断・・・)
・他人に与えた損害の償いとして差し出す金品や労力
・代弁(本人に変わっての弁償、行動)
そして・・・
・何かを成し遂げるその代わりに犠牲になるもの
∧_∧
( ・∀・)
( つ
(_○___)
WORK1 理性60%
俺の名はモララー。歳は26歳。趣味は夜道の散歩。仕事は・・・・・・まあ、いいや。
いま俺は、街中のとあるバーにいる。そこのマスターとは、結構前からの付き合いだ。
「マスター。カシスソーダ1つ」
「あれ? めずらしいですね。いつもカミュしか飲まないのに・・・」
まあ、なじみマスターの反応は当然だね。いつもここでは、カミュしか飲まないからね。でも、頼んだカシスソーダは俺のじゃないんだけどね・・・。
カランコローン・・・
「いらっしゃいませ」
バーに入ってきたのは、20歳ぐらいの女性だった。
「お待たせしました、モララーさん」
「ありがとう、マスター。・・・・・・キミ!」
「? はい、なんでしょう?」
俺はさっき入ってきた女性に声をかけた。ナンパじゃないからな。
「ハイ、カシスソーダ。先に注文しておいたよ」
「あ、あの・・・モララーさん? ゴニョゴニョ・・・」
「え?? ちゅ、注文してませんけど・・・」
「でもこれから頼むつもりだったんだろ? で、死 ぬ つ も り なんだろ? レモナさん」
「ちょ・・・モ、モララーさん・・・! いきなりそれは・・・」
「!?! ど、どうして・・・」
「まあ、少しお話ししようか?」
「・・・・・・」
とりあえず俺らは、外に出た。あと、さっき言ったことは当てずっぽじゃないよ。ちゃんと分かってたことだからな。そして、レモナって女性がが今日ここに来ることも、知っていた・・・。
彼女に詳しい事情を聞かされたけど、彼女は、悪い男に金を500万円騙し取られたそうだ。もちろん、学生の彼女には払えない額だ。でも、土地を売って学費を出してくれた両親にも言えるはずがなく、その男と付き合うために身をひいてくれた友達にも言えず、死ぬことを考えていたそうだ。で、最後に思い出のカシスソーダを飲みに、ここに来たわけだ。なんの思い出だかは知ったことではないけどね。
「なるほどね・・・。そりゃいかん話だ」
「ええ・・・。だから、私に残された道はもう・・・」
死ぬこと、と言うつもりだろうけど、ここで死なせるわけにはいかない。商売にできるからな・・・。
「そんな男のために、死ぬ必要なんてない」
「え? で、でも私は・・・」
「・・・あれを見てみな」
「?」
ドサッ
彼女は何かが落ちた音と一緒に、俺が指をさす方向を向いた。
「こ・・・これは・・・?」
「金だけど、何か? 500万あるよ」
「借金と同じ額だわ・・・。でも、どうして?(しかも道端に・・・)」
レモナさん、いろんな意味で驚いてるな。そして、ものすごく欲しそうな眼だね・・・。
「フッ。これは俺が用意した金さ。・・・っと、手をつける前に説明するぞ」
さーて、ここからが俺の商売の見せ所だ。
「俺の職業は、代 償 屋 さ! 何かをしてやる代わりに、その代償を支払ってもらう! それを糧にしているわけだ・・・」
これが俺の仕事、代償屋さ。
「つまり、俺はあんたに金をやる代わりに、俺はあんたから代償をもらう」
「だ、代償・・・?」
「500万の代償か・・・。少し高くつくけど、どうするかな・・・。いっそのこと、彼女にしちゃうとかwww」
「あうう・・・・・・」
彼女も、少し迷ってるようだね。じゃ、これにしよう。
「よし、決めた! あんたの理性60%を1日分だけもらおう」
「り、理性・・・?」
「そう、理性。あんたがOKしてくれたら、あんたの理性を俺がもらい、あんたはその金を手に入れる。・・・OK?」
「・・・・・・」
少し沈黙があったけど、彼女はとっくに決心はついているようだ。
「OKよ」
「まいどありっ」
契約完了っ。でもあとは、彼女次第・・・。
ガバッ
私が気づいたときには、住んでいるマンションの布団の中だった。夢だったのかしらっと思った。けど・・・。
「夢じゃない・・・」
私の枕元には、500万円のお金があった。
「ふふ・・・あ・・・ひゃひゃひゃ・・・・・・」
とても嬉しかった。これで・・・これで・・・。
「あひゃー! これでお金も返せるし、学園生活に復帰できる!!」
本当に幸せな気持ちだった。でもそれは、ほんの一瞬で崩れ去った・・・。
私はすぐに、学校に行った。そして、見つけた。あの男を・・・。
「マールくん!」
お金を騙し取った男、マル君。そして、その隣にいたのは、私の友達のミケちゃんだった。
「レ、レモナ!! 何故学校に・・・」
「ふふふ・・・さーねっ」
許せない男・・・。でも、でも・・・何故か、諦めきれない・・・。
そんな昼休み、私はミケちゃんに屋上に呼ばれた。
「久しぶりね。ミケちゃん、どうしたの? こんな所に呼び出して?」
「・・・何故戻ってきたの? マル君は、今は私と付き合ってるのよ」
「そう・・・私がいない間に・・・。でも、マル君は私のもの・・・」
「? 何を言って・・・」
「だって、諦めがつかないもん・・・」
このとき、一瞬だったけど意識がなくなった。でも確かにわかっていることは、右手に誰かを殴った感覚があること・・・。
「マスター。金が入ったから、ツケが払えそうだよ」
「ホントでしょうね? 35万も払えるんでしょうね?」
「え!? ぃゃ・・・やっぱりもうちょっと待って・・・」
そんなにたまってたっけ? ツケ・・・。
「はい、足りないなら持ち金全部出してください」
「・・・・・・」
かなり困ったぞ・・・。ならば・・・。
「困ったことはないか? 少しの代償と引き換えn・・・」
「代償のお金はいりません。代金を払ってください」
交渉失敗。ホントに困ったぞ・・・。
「払わなければ、縄プレイしますよ」
「く、くっそぉ~」
縄プレイだけはゴメンだ。どうしようか迷ってたときだった。
「マ、マスター! 昨日来たレモナって女性のことが気になるから、ちょっと様子を見に行ってくるよ! んじゃっ!」
「あっ、ちょ・・・モララーさん!!」
カランコローン・・・
何とか逃げきれた。でも、あのレモナってヤツのことが気になったのは事実だ・・・。
今私は、病院の入り口前にいる。そこから出てきたのは、左頬が腫れ上がっているミケちゃんと、それを心配そうに見ているマル君だ。
どうやら私は、無意識のうちにミケちゃんを殴ってしまったみたい。私自身は憶えてないけど、ミケちゃんがそう言ったから・・・。
「殴りつけるなんて、何を考えてるんだキミは!?」
「・・・・・・」
返す言葉もない。
「レモナなんて・・・レモナなんて、戻ってこなければよかったんだ!!」
「!!!」
その時、私の中でものすごい勢いで怒りがこみ上げてきた。とても抑えられないような・・・。いえ、違う。その抑える力の方が弱かったのかな・・・。
・・・・・・数分ぐらい経った頃、私はあることに気がついた。それは、両頬が赤く腫れ上がって倒れているミケちゃんと、右頬が腫れ上がって同じ所に倒れているマル君と、殴った感覚がある私の両手・・・。
マル君もミケちゃんも、顔が腫れた程度だったから二ヶ月ぐらいで直るそうだ。でも、私は・・・もう私でないような気がする・・・。たった一日で・・・。とりあえず私は、自分を落ち着かせるために自分のマンションに戻った。でも、私の心は余計に荒んでいった。
「金は返したかい?」
聞き覚えのある声。そう、あのバーにいたモララーという男だ。
「モララー・・・・・・殺してやるわ・・・」
無意識のうちに出てしまった言葉。でも、正直本音でもある。
「おいおい、いきなりそれかよ?」
「アンタ、最初から分かっていたんでしょ? こうなること・・・」
「ん~~~。まあ、だいたいね」
まさにこの瞬間、私の中で何かが切れた。
「あひゃ・・・・・・あひゃひゃひゃ!! コロス! コロしてやる!!」
ダッ!!
何がなんだか、自分でも分からない。ただ、今ベランダの外を見ているモララーを殺してやりたい、それしか頭にない。けど・・・。
バリィィーン!!
たったこの音で正気に戻った私がいるところは、宙の上だった。そのまま、ゆっくりと落ちていった。
「おとなしく金を払うだけならよかったものを・・・。そうだ・・・。これはおまけだ! とっときな!!」
パチンッ
小さく指を鳴らす音が聞こえた瞬間、私のちょうど真下に、ストローを銜えたマル君が宙に現れた。
「な、なんだここは・・・!? ん? お、おい! う・・・うわああぁぁぁ!!」
これが、最後に見た光景と、最初にして最後に聞いたマル君の叫び声・・・。
ズンッ!! ぐしゃり・・・・・・
俺はまた、いつものようにあのバーでカミュを飲んでいる。そして今日は、あのことをマスターに話した。
「あの女は金を払い、だました恋人と別れ学園生活に復帰すればよかったんだよ」
「・・・ああ、なるほど。願い通りだしねぇ?」
「けど、理性を減らし悪い恋人を諦められず、結果俺に跳ね返ってきてあの様さ・・・」
(でも、理性をもらったのはあなたなんですよね・・・)
呟き声が聞こえてるよ、マスター・・・。
「・・・っと、お客さんが来るよ」
「あなたにですか?」
「まぁねwww」
カランコローン・・・
ほーら、来た。毒男さんがやって来た。生きるのに疲れてここに来たんだろうね。その証拠に、重い溜息なんかついちゃってる。
「・・・・・・あなた、お悩みのようだね?」
「エ? ド、ドウシテソレガ・・・?」
「この代償屋が、わずかな代償でキミの望みを叶えてあげるよ」
WORK2 寿命30年
殺してやりたい・・・。みんなみんな、目に映るやつは片っ端から・・・殺してやりたい・・・!
そんなことを、いま俺は思っている。
こんなにむかついてる理由は、数時間前にさかのぼる・・・。
「お前クビね」
「はっ!? い、いきなりそんな・・・」
「はよいなくなれや。お前の代わりなんて、いくらでもいるんだからよ」
いわゆる、リストラになったわけだ。
だから、みんな殺してやりたい・・・。何かでストレスを発散しないと・・・。
そんなことを考えている間に、とあるバーに着いた。
「いらっしゃいませ」
「・・・生をくれ」
「ハイ、生1つ」
生1つで発散されるストレスじゃないが、飲んでないとダメだ・・・。
カラーン・・・カラーン・・・
隣のやつがウザイ・・・。氷を見て不気味に笑ってやがるし、その氷をペロペロ舐めてやがる・・・!
「モララーさん。氷舐めないでおかわりしませんか?」
「いや、いい」
「はい」
あのマスターもマスターだ。あんな客をほっときやがって。こっちがいい迷惑なんだよ・・・!
全く、どいつもこいつも・・・!!
(ああ・・・・・・もう・・・・・・シ ン ジ マ エ !!)
隣で氷を舐めてるやつにコップで殴ろうとしたその時だった。
「・・・たった1人だけでいいんですか?」
「・・・何?」
「もっとたくさん、殺りたいんでしょう?」
「・・・・・・」
こいつ、俺の心が分かるのか・・・?
さっき俺を殴り殺そうとしたAAは、お皿ーって奴だ。ホントに、口がお皿そっくりだねw。っと、無駄話はここまでだ。そのお皿ーってヤツに、俺は自分の職業のことなどを話した。
「代償屋? そうか・・・。」
「で、あなたの悩みは?」
「ああ。私は今日リストラされてね、まだ40なのに・・・・・・。この怒りを何かにぶつけたい! おまえのいう、代償を支払ってもな!!」
つまり、何かでストレスを発散させたいわけか。だったら・・・。
「じゃ、あなたの残りの寿命30年分を支払ってもらいましょう」
「え!? さ・・・30年?」
「あなたは70歳までいきますからね」
「なっ・・・ぴったりの計算じゃないか! そのまま死ぬんじゃないのか!?」
「いえいえ。ストレス解消と、引き換えの寿命です」
この言葉で、彼に納得の表情が見えた。多分心の中で、代償の見返りはそれなりのようだな・・・って思ってるだろう。
「・・・・・・いいだろう」
ほら、来た。
気がつけば俺は、全く知らないところで倒れていた。
「う・・・。?? どこだ、ここは? 森・・・か? ・・・・・・このダンボールは?」
ふと横を見ると、そこには大きなダンボール箱があった。
「何が入って・・・・・・。!!! こ、これは・・・」
好奇心で覗いたダンボールの中には、あるものが入っていたんだ。それに手を触れようとしたときだ。
「ア! ソコノオサラグチ!! ワタシノイエニナニシテンノヨ!?」
後ろから声が聞こえた。・・・・・・私の家? これが? それよりも気になったのは、どうしてこんなものがこの箱の中にあるってことだ。・・・・・・一応訊いてみるか。
「この箱の中身はなんだ?」
「シィノモウフヨ!!ソレガドウシタノ!?」
・・・・・・確かに毛布は入っている。その言葉に迷いはない。と言うことは、これのことは知らないということだ。
(・・・となると、やはりあのモララーって奴が後になって用意したんだな。この・・・・・・)
「チョット!!」
「・・・武 器 を !!」
「・・・よし! 行ってくるよ、マスター」
「おや? 早いですね?」
「なにいってんだよ。大もうけのチャンスさ! ・・・死の間際ってゆーものは、代償を取りやすいものさ」
「はぁ・・・」
・・・死の間際・・・。この言葉に、モララーさんが何をしようとしているのかを、私はすぐにわかりましたよ。
「んじゃ、行ってくるよ。あと、コレもつけといて」
そういうって行ってしまった。彼のお仕事の開始ですね・・・。
すごい快感だ・・・。殺しがこんなに楽しいものだったなんて・・・。これが寿命30年と引き換えなら安いものだ・・・。しかも、道を通るたびにいろんな武器が落ちてるとは・・・・・・あのモララーに感謝しないとな。
ふと、俺は、ある駐在所のところで止まった。
マイアヒー♪ マイアフー♪
イライラさせる音楽だ。何かすっきりさせる武器はないものか。そんなことを考えてると、近くにあるものを見つけた。
それは・・・・・・バズーカ砲だ。俺はすぐに手にかけ、トリガーを引いた。
何人もの死体がごろついている。多分あいつがやりまっくてるんだろうね。
「・・・おや?」
そんな中で、何人かだけ生きていたようだ。俺としては、手遅れになる前で助かったけどな。
「・・・なぁ、あんた。死ぬ前に俺と取引しねぇか?」
「・・・・・・エ?・・・・・・」
その中で、最も怪我がひどい人に声をかけた。女の人のようだ。
「あんたの望みを何でもかなえてやるぜ。・・・あんたがそれに応じた代償を払ったらな」
「・・・・・・」
ちょっとの沈黙。でも、彼女はすぐに口を開いた。
「コウミエテワタシハトシデス・・・。コドモモオオキクナッテハタライテマス・・・」
「お子さん、ですか?」
「ハイ。ナニカヲダイショウニシテネガイガカナウナラ・・・タマシイヲダイショウニシテケッコウデス・・・。ダカラ、ワタシノムスコニアワセテホシイノデス・・・。オネガイシマス・・・・・・」
「・・・なるほど。最後に一目みたい・・・と」
断れない状況かな。いや、むしろ断らないね。魂は結構高いから。
「魂か・・・。いいだろう」
そういった瞬間。
ドカァーーーーン!!
でっかい爆発音がした。おそらく、あいつだろう。確かあのあたりは・・・。
「今の爆発は、駐在所が爆発した音だね」
「エ・・・アノ・・・ワタシのムスコハ、チュウザイジョデハタライテルンデスガ・・・」
「ぎゃああぁぁぁぁ!?!」
ちょうどその瞬間に、一人の男が飛んできた。ずいぶん吹き飛ばされたなぁ。
その男を見て、さっき契約した女が驚いた顔をしてたよ。多分、吹っ飛んできた男があの人の息子だろうね。そして、そのまま息絶えた。
「・・・さぁ、逝こうか」
俺も早いとこ、逃げたほうがいいかもな。・・・商売をして。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・。やったぞ・・・。この村の奴ら・・・、全員殺してやったぞ・・・」
とてもすがすがしい気分だった。もう、死んでも構わない、と思っていたときだった。
バシュッ!!
俺の胸に、何か硬いものが貫いた。そして、俺は倒れた。
「や・・・・・・ぞ!! よう・・・・・・しゃ・・・・・・だ!!」
声が聞こえる。おそらく警察だろう。そいつらの持っている銃で、俺は撃たれたんだ。
「ぐふ・・・・・・。そ、そう言うことか・・・。ここで死んで・・・・・・契約完了だ・・・」
納得はしていた。これで死ねるなら、構わないと。だが、現実はそんなにあまくはなかった。
「やったよ、マスター!! 魂が4柱手に入ったうえに、寿命30年! 今度こそツケが払えるよ!!」
大喜びでモララーさんが入ってきました。正直、私も少し喜びの声を上げたかったですよ。やっとモララーさんがツケを払ってくれるのだから・・・。
しかし、それは私らしくないので抑えました。
「それは良かった。では早速、払ってくださいな」
「ツケ払う前に、カミュ1つ下さいなw」
「かしこまりました」
頼まれたことは断れない主義でしてね。先に注文の方を聞いてしまいました。まぁ、モララーさんがツケを払ってくれるならそれでイイでしょう。
「お待たせしました」
「ありがとーw」
そう言うと、一気にグラス半分を飲んでしまいました。
その後の口元は、不気味ににやついていました。
俺は死んだ。あの警察共の銃で。だけど、それはそれでいいんだ。
・・・・・・その考えがあますぎた。
ガバッ
「おっ。気が付いたか!」
何故か俺は、ベッドの中にいた。
「・・・・・・ここは?」
「ここは警察病院だ。あの村でお前は撃たれたんだぞ。まぁ傷が浅くて良かったけどな・・・」
・・・他にもこの看護士はアーダコーダいっていたが、そんなものは耳に入っちゃいない。
ただ疑問が一つ。・・・・・・なんで俺は生きているんだ?
傷が完全に治った後、すぐに俺の裁判が行われた。
「間違いなく、被告人が村を全滅させた!!」
「ぐっ・・・さすがに、異議なし」
案外その裁判は、スムーズに行われたようだ。
(・・・そうか。コレで死刑判決・・・・・・ってことか?)
そう思っていた。が、実際は・・・。
「判決を言い渡す! 被告人は無期懲役!! 執行猶予無し!!」
(・・・・・・あ、あれ? おかしいぞ、おい・・・)
(中断・・・)