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NIGHTMARE CITY~幻の夢~ (兄貴さん。)

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一人の科学者が言った。
「人は夢を求める。だから私はあの計画を実行しようと思う」
そしてもう一人の科学者が言った。
「だが、夢は悪夢と同じ。場合によっては見たくないものが夢になる」
「しかし!・・・」
反論を許さずに、言い続けた。
「村上。もう、あきらめよう。そして、現実に楽園を作ればいい」
その者はさめた瞳で言い、手に持っていたボールペンを一回転させた。
「四葉!楽園と夢の価値は違うと思うぞ!私達は青春をこれにかけた!今頃・・・何をやるんだ!?」
村上は必死に説明したが、四葉は瞳の色を変えなかった。変えようとしなかった。そして四葉は「フッ。」と笑い、人差し指と親指でボールペンを折った。
「村上よ。その考えは古い。俺は一歩先に行かせてもらう。おい!警備員!
こいつをつまみ出せ。」
村上と四葉は研究友達だった。あの時の四葉の言葉がよみがえる。
「ぜってぇ、夢を現実にしような!村上!」
しかし、文明の進歩が彼を変えた。
村上は夢を現実にするため、一つの書類にまとめた。
後世の人々のために・・・。

それから、210年・・・・

「さぁ!来い!来い!当たりよ来い!」
ギコという少年がポストの前でへんな念仏を唱えていた。
「うぉぉぉ!もうちょっとだ!さぁ!来い!来い!」
「・・・何やってんだ?ギコ?」
聞いてきたのは友達のフサギコだった。
片手にハガキを持っている。
「何やってたんだよ?」
ギコはきょとんとした顔になり、変な顔で聞いた。
「あれー?フサさん。そのハガキ、『dream city』に応募するんですかぁ?
奇遇ですね、実は俺もなんだよ。ま、ハズレたらくやしがってくれたまえ」
普段、使わない敬語だったのであいまいだ。
まぁ、フサはそんなの気にしてなかったが・・・。
どっちも負けず嫌いなので、口喧嘩だ。普通の出来事。
「ギコだって、当たらないね。あひゃひゃひゃひゃ!」
「その笑い方、やめやがれっ!」
あははははは。と、町中に響くぐらいの笑い声。
二人は気づかなかった。ドリームがナイトメアに変わることに・・・。

         1週間後
ギコは首にカードをかけ、『国際2ch会社』の前にいた。
「・・・。と、当選するなんて・・・」
ギコの足はガクガク震えていて、もう、放心状態だ。
何分かして、ギコはニコニコ笑いながら言った。
「フサがかわいそうだからなぁ。言わないでよかったよ」
「何言ってんだよ。ギコ!俺も当選したんだよ」
ギコの後ろにはフサが立っていた。
「ふ、フサ。いけないなぁ。ハズレてくやしいかもしれんが・・・」
「ふん!俺の胸を見てみろよ。」
フサの胸にカードがかけられていた。
ちぇ、とギコがつぶやいたが、今のフサには聞こえない。
「実験参加者の方は、お早めに中へお入りくださーい!」
係員が2ch会社前の公園に叫んだ。
「なぁ、ギコ。どっちが先に着くか、競争しないか?」
「あん?まぁいいぜ。負けないけどな!」
結局、勝ったのはいなくて引き分けだったけど。
                   続く・・・

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