冷たい風が吹いて焚き火がゆらゆらと揺れた。焚き火の周りにいるみんなは悲しい顔をしていた。夕日がきれいだった。だけどどこか寂しい感じだった。夜が来てしまう。出発の時が来る。ついにいい案が浮かばなかった。
もしこの世に神がいるというのなら、どうか愛する彼女を救ってくれ!!
これが彼女の運命なのだろうか?。これが彼女の物語の終焉なのだろうか?
====第一章・物語の始まり……=======================
俺はこの世界が嫌いだった……。何故嫌いなのかは、よく分からない。
なんで嫌いなのだろうか、この世界は平和で機械技術がかなり発達していて、それほど苦労はしない楽な世界なのだが……。
……考えててもしかたないか。早く待ち合わせ場所に行かないとノールのおっちゃんにまた子ども扱いされるのはごめんだ……。
ここは平和な世界。そんな平和な世界が消えたことがいまだに信じられなかった……。
俺の名前はディス、特に変わったところのない普通の男だ……。
「早く噴水公園に行かなくちゃ!。」
ディスは愛用のホバーボード(注;スケートボードの車輪がなく、磁力で宙を浮いている物)に乗って一般道を大急ぎで駆け抜けている。
視界に一瞬見えた背景がすぐ消えていく。とても速いスピードが出ているようだ。
「ノールの野郎!なんでこんな早い時間に待ち合わせすんだよ!」
ディスは悪態を吐きながら自分の腕時計で今の時刻を確認する。
『只今ノ時刻ハ午前6時12分デス。待チ合ワセ時刻ハ午前6時15分デス。急イデ下サイ。』
「まずいまずいまずい、絶対間に合わない!!!。」
焦っているのかディスの額から汗が出始めていた。
噴水公園まであと3km。
どんなに速いホバーボードでも今からでは5分は掛かってしまうだろう。ディスのボードもかなり速い物だが1番速いわけではない。
遅刻決定……