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NIGHTMARE CITY~現実世界~ (閃峨砲翁)

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匿名ユーザー

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              少年は振り返る。

             彼女と一緒に逃げよう。

            約束、したから・・・・・・

            『必ず君を護るから・・・』

           ◆ ◆NIGHTMARE CITY◆ ◆

―――さぁ、早く行こう

 少年は振り返る。瞳は眩しく、輝いている。そのままでは、飲み込まれそうな、純粋な光。

 少女は好きだった。彼のあどけなく笑ったあの瞬間。ずっと一緒に、いたかった。

―――ありがとう・・・。けど、私は行けない

 けれど、少女は悲しく告げる。自分の、真実。全て分かってしまう前に。

 彼の、笑顔を失いたくない。自分のために笑ってくれた、あの笑顔を自分のせいで無くすのは・・・、嫌だった。

―――何を・・・・・・

 少年は戻ろうとする。少女の傍へまた・・・。

 だが、それは叶わない。少女自ら別れを告げる。少年は、少女の俯いていた理由が今分かっただろう。

―――来ないで!!

 突然、少女は叫ぶ。

 そして、少年が驚くよりも早く、お互いの姿は見えなくなる。

 それは、少女の力で繰り出された、永遠の別れを告げる、高く、高く、只管に大きい巨大な壁によってだった。壁は左右にも広がり、少女との繋がりは一気に途絶えた。

 自分たちの離れたほんの数メートルの間に出来た、巨大な壁。それは二人を引き裂くかのような、悲しい壁だった。

―――・・・・・・・・・

 少年は、驚愕のあまり、声も出ない。ただ、巨大な壁のてっぺん、高く聳える壁を見上げるだけだ。

―――・・・早く、行きなさい

 壁の向こうから聞こえる、少女の声。

 少年には分かる。少女の声は、震えていた。それは、泣いていたからだと、連想は可能だろう。

 その内容はまだ理解できない。行きたくは、ない。

 しかし、別れは強制的なのだ。

―――・・・!?

 地面が消えていく。今、自分の目の前にあったはずの地面がパネルのように変わり、消えて行った。

 それは、少年の立つ地面までも巻き込む、予想はつく。

 少年は走り出す。別れは惜しい。だが、僅かな希望にかけて、少年は走り出した。

(中断)

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