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モナスラグ (夜1)

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匿名ユーザー

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         ~「追跡者と逃亡者」~
 マターリ街で複数の影がある一つの影を追っていた。その複数の影の正体は
八等身達だった。そしてもう一つの影は銀色の衣をまとう高級貴族の人間らしい。シラネーヨの皮から作った服は、とても高価で普通のAA達では買えない様な代物だ。
 だがその銀色の衣はいまや土などが付着してとてもじゃないが高級そうには見えない。
 その走っているのは、一人の少女AAだった。
そのAAは八頭身から逃げるために角を曲がり路地に入るが途中で廃材が積み上げられて通れなくなっていた。
 「どうしよう・・・・。」
そのAAが立ち往生しているうちに追いかけてきた八等身達がじりじりと迫ってくる。
 もう1メートルという所で突如後ろから銃声が続けざまに響いた。銃声の回数と共に八等身達が倒れていく。さらに複数の斬撃繰り出され八頭身たちが蹴散らされていく。
 そして次の視界には大剣を抱えたギコと漆黒のハンドガンを2丁構えるモナーが立っていた。
 「向かえに来たぜ。しぃ姫。」
ギコは静かに言い放った。   
          ~「私の王子様。」~
 ギコは静かにそう言い放った。私の前に現れたAA。それは私の付添い人ともいえるギコ君とモナー君。まるでどこかのアニメのヒーローみたいに私を助けに来てくれたの。とてもうれしかった。あっという間に追いかけてきた八頭身達を蹴散らして私の手をギコ君が引いてこのむせ返る臭いのする路地から連れ出して行くの。かっこよかったな、ギコ君は・・・・。そう彼は私の王子様みたい!!
とそんなことを考えながらしぃは、ギコに連れられて路地を出て行く。
 しぃは、笑顔の表情のまま暗いレンガの道を駆け抜けていく。
 「しぃ姫どうしたんだ?」
とギコは真顔でしぃに聞くがどうやら耳にはいらないらしい。
 「いったいどうしたモナ?」
ともモナーが聞くがさっきと同じで返答なし。ギコとモナーは目配せしてやれやれという素振りをした。
 やがてモナーが別の事を言い始めた。
 「気づいてるモナか?」
 「ああ、この無数の足音は・・・さっきの八頭身の仲間だな。」
 「ちょっと先行っててモナ。ここで奴らを足止めするモナ!」
 「頼んだぞモナー!」
一通りの会話を済ませるとモナーはギコの側から離れ地面を蹴りながら後ろへと走りそして闇の中へ消えた。
 「姫ちょっとごめんよ!」
にへら顔で笑う姫を持ち上げお姫様抱っこの状態でギコはさっきの走っていた
スピードよりも速く駆けていった。
 「行ったモナね。僕はこっちを相手するとしよう。掛かって来るモナ!八等身達。」モナーは、ハンドガンを抜き八等身達に標準を合わせた。

        ~「二人の夜」~
目の前には何匹もの八等身達の群れ。みな不気味にうなり声を上げていた。
 モナーは腰にぶら下げてある2丁のハンドガンを抜いた。
 「お前ら生きて帰れると思うなモナ。」
モナーは、一歩一歩八等身達の元へ近づいていった。
 突如駆け出したかと思うといきなり先頭の八頭身の足を撃った。
鮮血が散りながら八頭身はバランスを崩し地面に這いつくばった。
 それに躓き八等身達がドミノ倒しのように倒れていった。
カチリ、と言う音そしてその後連発して発砲音が響き渡った。
 後で空の薬莢が落ちる音も聞こえた。
 「死ねえぇぇぇぇぇええ!!」
一匹の八等身が落ちていたと思われる鉄パイプを掲げモナーの真横から襲い掛かった。
 「哀れモナ・・・・。」
モナーのハンドガンが火を噴き飛び出した銃弾は八頭身の脳内に埋まった。
 八頭身は一度ピクリと大きく体を震わしたかと思うとそのまま膝を突き土下座をする格好で地面に新しい模様を作った。
 モナーは、さらに倒れている八等身達の頭に一発ずつ撃ち込んだ。
これでもう動かないだろう・・・だがこんな僕の姿を見たら姫はなんと言うだろうか?
 モナーは、そう考えているうちに近づいてくる八等身に気づかずに攻撃をされた。モナーの身体は宙に舞うがその勢いを利用して八頭身の顔に強烈な蹴りを食らわした。
 八頭身は、まっすぐに路地の奥へと飛んで行き廃材の山にぶつかり激しい音
を立てて崩れていった。
 「油断したモナ。僕は、まだまだ修行が足りないモナね・・・。」
モナーは、血の混じった唾を吐きながらそう言った。
 「ギコは今頃どうしてるモナかね?」
 ちょうどそのころギコは、ある廃墟高層ビルの屋上にいた。
 「・・・奴らが狙っているのはあなたのそのペンダントでしょう。これからは俺達の側を離れないようにお願いします。」
 「・・・・うん。」
 「どうしたんですか?どこか体調でも悪いんですか?」
とギコは心配そうにしぃの顔を覗き込む。
 その瞬間にしぃの顔が真っ赤になりギコから顔を背けた。
背けた瞬間にしぃの首に下げている虹色の羽のペンダントがゆっくりと揺れた。
     ~「天使と堕天使」~
 その時だった。屋上に風が吹きつけ捨ててある廃棄物などが宙へ舞っていく。そして、閉じた瞼を開けた時の次の景色は黒い翼を羽ばたかせる一匹のAA。
 それは、ギコと顔が酷使した奴。
 「天使ギコエルか!!」
ギコエルが現れた瞬間にしぃに異変が起こった。
 「いやぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!あたまが、頭が割れる!」
しぃは謎の悶絶と共に身をよじりだした。
 「フフフフフ。見たまえギコ君。彼女のペンダントを・・・。」
ギコは、しぃのペンダントをすかさず見た。
 ペンダントが虹色の光を放っている。
 「これは、いったいなんなんだ・・・。」
 「おやおや、知らなかったのかい?それは、彼女を見ていたら分かるさ。」
ギコエルは、しぃが悶絶しながら身体をよじるのを笑顔で眺めていった。
 そして、彼女に変化は起きた。彼女の背中から虹色の翼が生えていく。
ソレと共に虹色の羽のペンダントも呼応するように輝きを増していく。
 「どういう事だギコエル!!」
疑問と怒り。両方を言葉にかえて荒々しくギコエルに言い放った。
 「・・・ソレは、君の扱えるモノではない。さっさと渡したほうが身のため
でもありますよ?」
 ギコエルは、淡々と言う。
 「何だと!しぃはモノなんかじゃねえ!! 俺の大事な奴だ!!」
 「フフフ、面白いことを言う。美しいですねAAの愛とやらは・・・・。
さて、私は警告しました。そろそろ自分の身が危なくなりそうなので消えます。あなたにソレが扱えますかね・・・楽しみです。」
 そう言い放つとギコエルは翼を羽ばたかせ闇夜へと消えた。
 「まあ、2度と会うことはないでしょうけどね。」
誰に言うまでもなくギコエルはボソリと呟いた。
 ギコエルが飛び去ったあとギコはしぃを抱えて覗き込む。
しぃの身体からは2つの羽が生え何か嫌な感じがする。
 そう思った瞬間に異変は起こった。空間が捻じ曲がっていき世界が歪んでいく。
 ビルの下で駆ける一つの影。それはモナーだった。
 (何か嫌なことが起こりそうな気がするモナ。)
 ちょうどそのころ隣のビルから見ていた二人のAA。
 「行くぞ兄者。」
 「ちょ、待て弟者。」
一つの影が引きずられるようにして部屋から出て行った。
         ~「闇の中」~
 突然現れそして去っていったギコエル。奴はいったい何をしに来たのか?
ギコは、頭が混乱してパニック寸前だった。だがそれ以上の事が今目の前で起きていた。空間は歪みしぃの近くにいると極度の重力がかかり周りのモノは全て潰れていく。
 ギコは重力に耐えながら必死にしぃの側へ立っていた。
 「おい、しぃ目覚ませよ! しぃ!!」
必死に何度も叫ぶがそれも虚しく効果は起きない。
 ギコは、ゆっくりとしぃの側に座りしぃの手を握った。
 「約束したんじゃないのか・・・俺達いつも一緒だって。しぃがそう言ってくれたから俺は君の盾になろうって決めたんだ。なのに約束破るなんてずるい
んじゃないのか。しぃ。」
 ギコは、しぃに語り掛ける様に言った。その時一際大きな光がペンダントから放たれ世界は光に包まれた。
 次に視界が開けた時にはしぃの翼は消えて重力も消えていた。
 「しぃ・・・良かった。戻ったんだな。」
 「おーい大丈夫モナか?」
 「遅いんだよ・・・馬鹿。」
ギコは、少しはっきりとしない声で言った。
 「あれ? ギコ泣いてるモナか?」
 「うるさいぞゴラァァァァァア!! 泣いてなんかね―ぞ!」
と無駄に大きな声で怒鳴りつけた。
 その時。
 「突然でスマンが?」
と目の前には緑色と青のAAが立っていた。
 「うお!お前ら誰だよ?」
 「兄者、いきなり過ぎだ。突然でスマン。さっきの君たちの様子を見さしてもらったぞ。」
 「で、何のようだ?ギコエルの仲間なら容赦はしない。」
 「OKOK時に落ち着け。とここは場所が悪い別のところで話そうか。君達
の追手が来たからな。あのビルに逃げろ。」
 弟者が指を指した方向には這い上がってくる八等身達がいた。
 「ここは、俺に任せろ。あいつらで新兵器の試し実験だ。その人たちをビルまで連れて行け! 弟者頼んだぞ!!」
 「死守頼む兄者。」
そう言って弟者はギコたちを引き連れビルへと向かった。
 「さ~て、こいつらを始末するかな?」
兄者の両手には鍵爪の付けられた鉄の武器が備え付けられていた。
 「今なら誰も見てないな。なら一瞬で終わらしてやろうか。」
兄者が地面を蹴って八等身達の横を一瞬で通った。
 「血桜舞。」
八等身達の身体から鮮血が沸きあがり辺りを紅に染めた。
 ちょうどその頃。
 「フフフフ。面白いことになりましたね。あのAA、しぃの暴走を止めたなんてね・・・。それに流石兄弟とも出会うとは。面白そうな事になってきました。」
 ギコエルは、水晶越しで不気味に高笑いしていた。
     ~「妹者さんじょう」~
 (・・・兄者。ほんとに。大丈夫なんだろうか?)
と珍しく弟者は自分の兄の事を心配していた。
 「おいゴラァァァァァァアア! いつまで走らせる気だ。」
ギコはしぃを背負って走っているので体力の消耗が人より二倍激しい。
 「OK、OKもう目の前だ。さあ入ってよし。」
しまっていたビルの玄関が自動的に開きギコたちはダイビングする形で入った。
 「お~い妹者。いるんだろう? この人たちの手当てをしてくれ。」
 「わかったのじゃ。」
という声が真上から聞こえてきた。
 そしてロープが降りてきてすべり降りてくる一人の女AA。
これが妹者なのだろう。なかなか愛らしい顔をしている。
 妹者も姿にモナーはしばらく見入っていた。
 「治療代10000AA円なのじゃ。」
一瞬みんな硬直した。まさかこんな愛らしい顔からそんな言葉が出てくるとは予想してなかったから。
 「コラ、妹者。金を人から取るなって母者から言われているだろう?」
 「は~いなのじゃ。  チッ金せっかくの金づるが。」
妹者は小さく舌打ちしてしぃの治療に取り掛かった。
つくづく恐ろしい妹だな。と弟者は関心と恐怖を覚えたのであった。

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