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The opening of wars ~ Till life is disappear it ~
             ~PROLOG~


これは一人の陸軍兵と一人の少女の物語。

友・・・貴方には、命を懸けてもいいと思える友、仲間がいますか?

貴方は自分の命が尽きるまで突き通す事の出きる信念がありますか?

・・・・・貴方には護るべき人が居ますか?

これは戦争の話。 一人の陸軍兵士の仲間達。

・・・そして裏切り・・・


The opening of wars ~ Till life is disappear it ~



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第一話・・・始まり


まだ太陽が昇りきらない薄暗い朝。

ここは軍の施設。 

ここでは陸・海・空の中の陸軍の練習場。

「おいギコ!いつまで寝てるんだ!!? 朝の集合がかかったぞ! また上官に殴られてもしらないからな」

狭い部屋に声が響いた。

狭い部屋には三段ベットが二つある。

あまった隙間は六人がギリギリ立てれるくらいしかない。

今叫んだ茶色の毛が沢山生えているAAの名前はフサ。

「お・・・おう」

起こされた青色のAAの名前はギコ。

この二人は同じ部屋で過ごしている。

と言っても部屋に戻れるのは夜、眠る時だけだが。

ギコは急いで軍服を着てフサと一緒に集合場所に急いだ。


この施設は周りを森で囲まれている。

森でサバイバル形式の訓練をするのは珍しくない。

施設の前に広いトラックがあった。

ここが集合場所だ。

ギコとフサがつく頃には殆どが集合していた。

ここで訓練を受けている陸軍兵士はざっと六百人。

こんな施設が国には沢山ある。もちろん、海軍や空軍の施設もある。

「あ、ギコ。今日は寝坊しなかったみたいモナね」

ギコが自分の場所で整列していると白いAAが話しかけてきた。

この白いAAの名前はモナー。

彼もギコと同じ部屋だ。

「二度もあのムカつく上官に殴られてたまるかよ!」

ギコは思わずムッとして叫んだ。

すると・・・

「そこ! 何をごちゃごちゃと喋っている!!!」

巡回中の上官に見つかった。

「また御前か・・・後で俺の部屋に来い! 昨日、あれほど言ったのにまだ身にしみてないようだな」

そう言って上官の偉そうな格好をした人は去っていった。

ギコはその上官の後姿に向かって舌を突き出した。

「ベー! くそっ 昨日殴られた痣、まだ消えてないんだぜ・・・」

ギコがまだ上官の後姿を睨みながら言った。


数分後、 毎朝おなじみの偉い人のお話が始まった。

「・・・あの毎日話してる人って何か偉そうだよな・・・・・・階級って何なんだ?」

ギコがぼやいた。

「ああ。 あの人の階級は少将だよ。 結構偉いみたいだよ。 ちなみにさっきギコを叱った仏頂面の人の階級は准将だってさ。なんかお偉いさんが多いんだよな。。。ここ」

ギコの後ろで整列していた緑色のAAが声を潜めて言った。

彼の名前はモララー。

やはりギコと同じ部屋だ。

「それってどれくらい偉いんだ?」

ギコも声を潜めて聴いた。

「多分、言ってもピンと来ないと思うよ。 ギコ 一 等 兵 くんww」

モララーが面白そうに言った。

「うるせぇ。 モララーだって上等兵って言ってるけど、実際俺と階級一つしか違わないだろ!!」

またギコは叫んでしまった。

「貴様!! 何度言ったらわかる!!!!! もう我慢できん!! 今すぐ俺の部屋に来い!! その根性、叩きなおしてやる!!!」

さっきの准将に見つかった。。。

「いでででででで」

ギコは耳を引っ張られながら連れて行かれた。

「あの馬鹿・・・」

フサはモララーの後ろで溜め息をついた。

「馬鹿は氏ななきゃ直らないモナww」

モナーが面白そうに言った。

その時、話をしている少将の話の一言がフサ達の耳に入ってきた。


『もうすぐ、この国は戦争が始まります・・・ 相手はあの大帝国です』


この国の名前は2ch

話によれば昨日、隣国が今膨大に勢力を広げている大帝国に侵略されたらしい。

どうやらその大帝国の次の標的はこの国だと言う。

上官の部屋で殴られているギコにはまだ事の重大さが伝わっていなかった。





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第二話・・・嵐の前の静けさ 



解散の号令がかかり、兵士達が部屋に戻った数分後にギコも上官の部屋から開放された。

「いてててて・・・・・・くそ、あの忌々しい野郎め・・・」

ギコは小声で悪態をつきながら体中を摩っている。

軍服で隠れてはいるが全身痣だらけなのだろう。



ギコが部屋に戻ると既にフサ達は戻っていた。

全員暗い顔をしている。

「どうしたんだ? 早朝訓練はなしか? 」

ギコが怪訝な顔で聞いた。

「ああ。 無い。 お偉いさん方は臨時の会議だとさ・・・」

フサがギコの方を見ずに言った。

物思いに耽っている。

「何かあったのか?」

ギコがまだ納得のいかない様子で聞いた。

「皆表情暗いぞ?」

「何故だか教えてあげるよ。 でも、聞いた後でやっぱり聞かないほうが良かった、と思っても遅いからな。 ま、すぐにでも知ることになると思うけど・・・」

モララーが溜め息をつきながら言った。

「・・・もうすぐこの国は戦争になる。しかも相手はあの大帝国だ。 昨日、隣国が侵略されたらしい・・・・・・俺たちに勝ち目は無いさ」

「大帝国って・・・あの・・・」

ギコは絶句した。

今どんどん国を支配している大帝国の魔の手がこの国にも訪れたらしい。

「でも今回はあの帝国もうかつに手を出せないと思うモナ。 この2chrepublic は他の国を五つ合わせて比べても話にならないほどの巨大な国モナ。それに国の周りには難攻不落の城壁が張り巡らされているモナ。 あの城壁はそこ等のミサイル如きではビクともしないはずモナ・・・」

モナーが自分の考えを言った。

「いや・・・あの帝国の事だ。 きっと何か仕掛けてくるに決まってる。 何たってあの国の攻撃を受けて一日でも耐えた国は一つもないと聞く・・・」

フサも考えを述べた。

「おいおい; 皆、こんな会話してたらまるで俺たちには勝ち目が無いみたいに聞こえるぞ」

ギコが半ば呆れて半ば恐怖の色を浮かべながら言った。

「そう言えば、あの帝国には謎が沢山あるんだ。 まず、誰が指導者なのか分からないんだ・・・普通、侵略して領土を広める帝国主義な考えを持った奴が指導者なら堂々と自分を曝け出すと思うんだ。 だって、そう言う香具師は自分が世界で一番なんだと世間に見せびらかしたいはずだから・・・
それともう一つ。 あの国の軍隊は皆、同じ顔と体なんだって・・・」

モララーが低い声で言った。

「同じ顔と体?」

ギコがオウム返しに聞いた。

「確か軍隊の名前は・・・<STORM>モナ!」

「storm? 嵐?  <荒らし>?」

ギコが訳が分からん、と言う様な顔で言った。

「シャレた名前だな・・・」

「名前のとおり、その軍隊の通った後は草一本も残らないらしい・・・」

モララーがフサに言った。

「でも・・・」

ギコが何か言いかけたが部屋に付いているスピーカーの音によってかき消された。


    
     『全員、トラックに集合せよ!』




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第三話・・・ギコの秘密


『いいか! 戦争は目の前まで迫っている! もう悠長にしている余裕は無い!! 気合入れて逝け!!!』

ギコ達がトラックに集合すると拡声器で最大化された上官の声が轟いた。

「今日は予想以上に厳しくなりそうだな・・・」

ギコの予想通り昼からの訓練はまさに地獄だった。

ギコ達は休む間もなく銃の訓練から密林サバイバル戦までやった。

「・・・・・・・・・・・・・」

部屋に戻れた時には空には満月が上っていた。

皆無言だった。

「・・・・・・・・・・・・・ヤ バ イ・・・・・・シニソウ・・・・・・・・」

ギコはぐったりとベットに倒れこんだ。

「この調子じゃ、敵軍と殺り合う前に氏んじまいそうだな」

フサが溜め息混じりに言った。



真夜中、ギコはこっそりベットから起き上がった。

ギコの寝床は三段ベットの一番下なので起き上がっても上で寝ているモララーには気づかれなかった。


グォオオォォォォォ    


モララーは鼾をかいている。


ギコはソッと軍服に着替えて時計を見た。

「・・・そろそろだな。 逝くか・・・・・・」


ギコは部屋から出ようとドアノブに手をかけた。

「・・・・・・今日も逝くのかモナ?」

ギコはドアノブに手をかけたまま凍りついた。

振り向くとモナーが両目を開けてギコを見つめていた。

「・・・モナー。 起きてたのか・・・・・・ ちょっとトイレに逝くだけだ」

ギコは必死に誤魔化そうとした。 

顔中汗だくだ。

幸い部屋が暗いのでギコの顔が汗だくなのはモナーには分からなかった。


「隠しても無駄モナ。 しぃちゃんに会いに逝くつもりなのは分かってるモナ」

「い、いつからそれを???」

「ずっと前からモナ。 毎週、日曜にコソーリしぃちゃんに会いに出かけているのも知ってたモナ」

「軍人が男女交際をしてるなんて。 上官に見つかったらただじゃすまないモナよ!」

「う・・・その・・・・・・」

「早く逝かないと巡回中の上官に見つかってしまうモナ」

「え?」

ギコはモナーの顔を見た。

暗くて見えないが・・・


「大丈夫、上官には黙っててあげるモナw」

「モナー・・・いいのか? 知っていて黙って、もしも見つかったら・・・」

「大丈夫モナ。 それよりもギコの方こそ見つからないように気をつけるモナよ」

「すまねえ」

「さ、早く逝くモナ。 モナーはもう少し眠るモナ」

「ああ」


ギコはドアを少し開けて耳をすました。

「・・・・・・大丈夫だ。 足音はしない」

ギコはそっと部屋から出て行った。




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第四話・・・彼女の正体



「・・・・・・・・よし」

ギコはこっそり真っ暗のトラックを横切り、森の中に来ていた。

「なんとか見つからずに出てこれたな・・・ いつもの場所までもうそろそろかな」

ギコは森の奥までどんどん歩いた。

数分歩くと少し拓けた場所に出た。

「ふー。 やっと着いた。 しぃはまだ来てないのかな?」

ギコは立ち止まって一本の木に寄りかかった。

額の汗を手の甲で拭った。

ギコは一息つこうとその場にしゃがみ込もうとした。


「わ!!!」


「ぎゃああああああああぁぁぁ」

突然後ろで大きな声が聞こえたのでギコは驚いて思わず叫び声を上げてしまった。

「クスクス ギコ君、声が大きいよw 何もそんなに驚かなくてもいいじゃないww それでも軍人なの?」

ギコがもたれ掛かっていた木の後ろからピンク色のAAが現れた。

背はギコと大差ない。 

ピンク色のAAはギコを見ながら笑っていた。

「し、しぃ! もう・・・脅かすなよ・・・ 心臓が止まるかと思った」

ギコは尻餅をついていた。

顔中冷や汗を流している。

「ゴメンw」

しぃは笑いながら悪戯っぽく謝った。

「それよりギコ君、どうして今日はこんなに遅かったの?」

「ああ。 えっと・・・ 実は毎週しぃに逢ってるって事がモナーにばれちゃってて・・・・・・」

「え? モナー君にバレたの? もう、しっかりしてよね」

「ごめん;」

「じゃあ、他の人にもばれたの?」

「いや・・・モナーが黙っててくれるって」

「なーんだ。 良かったw もうギコ君に会えないかと思った」

しぃが安心したらしく胸を撫で下ろした。


「しぃ・・・・・・その事なんだけど・・・・・・・・・」

ギコが言い辛そうな顔をした。

「え?」

「もうすぐこの国・・・戦争に巻き込まれるんだ。 俺も戦いに参戦しなきゃならない。 陸軍の端くれとして・・・」

「だから・・・だから、しぃ、おまえは何処かへ非難した方がいい。 明日にも戦争が始まるかもしれない・・・・・・だから一刻も早く」


「嫌よ。 戦争が始まるのは知ってるよ。 相手があの巨大帝国だって事も・・・ でも、ギコ君が命を懸けて戦ってるのに、私一人だけ安全な所に避難なんて出来ないわ」

「で、でも、しぃ」

「大丈夫よ。 だって・・・ギコ君が護ってくれるんでしょ?」

しぃは真直ぐギコの瞳を見た。

ギコは何か反論しようとしたが



  

ウ━ウ━━━━ウ━━━━!!





軍施設の方からサイレンが聴こえて来た。

「!! 緊急事態の合図だ!!! でも・・・・・・いったい何が・・・ ごめん、しぃ。 行かなきゃ・・・ ごめん」

そう言うとギコは全力疾走で元来た道を戻っていった。

「ギコ君・・・氏なないでね」

しぃはギコの背中に向かって祈るように言った。


「ヒャヒャヒャ☆ 泣ケルネェ! 」

しぃの後ろで突然声がした。

「!!? 誰?」

しぃは振り向いた。

そこには残酷な笑みを浮かべた赤色のAAが立っていた。

腰に巻いたベルトには四本のナイフがさしてあった。

「つー、何しに来たの?」

しぃは冷たく言いはなった。

「ツレナイネェ・・・・ セッカク会イニ来テヤッタノニ」

つーは相変わらず笑みを浮かべながら言った。

「・・・・・・」

何も言わないしぃを見てつーは詰まらなさそうな顔をして言った。

「あの方カラノ命令ダヨ。 アタイハ、本当ハコンナ伝書鳩ミタイナ仕事ハシタクナイノニ・・・・ アタイハ、殺ス仕事ガ好キナノニ」

「で・・・何なの?」

「『計画の実行は明後日。 日の出と共に実行せよ』 ダッテサ」

「・・・明後日・・・また・・・血が流れるのね・・・・・・」

しぃは暗い顔で俯いた。

それを見てつーの顔に再び残酷な笑みが広がった。

「ソウソウ、モウ一ツ。 『命令に従わなければ・・・・・・・・ギコの命は無い』 ッテ言ッテタヨ☆」

「分かってるわ」

「ヒャヒャヒャヒャヒャ★」

声高く笑った後につーは闇へと消えた。




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第五話・・・宣戦布告



密林の中を木から木へ飛び移りながら猛スピードで移動するつーの姿があった。

「オット、報告シナキャ」

つーは腰に吊るしてあった無線をとって電源を入れた。

「命令ドオリ、アイツニ伝エタヨ」

『そうか・・・ご苦労。 で、しぃはどんな表情をしてたんだ?』

無線から声が返ってきた。 

「裏切リソウナ表情ダッタ。 アイツ、近イウチニ裏切ルツモリダ」

『大丈夫だ。 愛する男の命を握られている女は絶対に裏切らない。』

「ソノ、ぎこッテ奴、コノ国ヲ侵略シ終ワッタ後デ、アタイガ頃シテモイイ?」

『ふはははは、そうはいかん。 あいつは渡せんな』

「チェッ しぃノ悲シミニ歪ム顔ガ見タカッタノニ」

『つー、今から仕事を頼んでもいいか?』

「誰カニ伝言ヲ届ケル伝書鳩ミタイナ仕事ハ嫌ダカラネ」

『今から南方司令部まで行けるか?』

「南方司令部? ナンデ? アソコハ大シタ事ハヤッテナイヨ」

『侵略には関係ない。 少し、花火が見たくなっただけだ』

「ワカッタ。 四十分ッテトコダナ」

つーは無線をきった。

「ヒャヒャヒャ☆ ヤッパリ殺シハイイネェ」



その頃ギコはトラックを横切っていた。

「いったい何があったんだ・・・」

サイレンはまだ鳴り響いている。

ギコが自分の部屋に戻るとフサ達はもう軍服に着替えていた。

「おいギコ! 今までどこをほっつき歩いてたんだ!?」

フサがいきなり怒鳴った。

「いや・・・ その・・・ それより、何があったんだ?」

「知らないのか? 奴らが宣戦布告してきた・・・ 戦闘開始予定時刻はちょうど明後日だ」

「マジかよ・・・」

「ギコも早く準備した方がいいぞ。 もうすぐお偉いさん方の話が始まる」

モララーが銃の点検をしながら言った。

「お・・・おう」


ギコが銃の整備や服装の乱れを整えているとモナーが近づいてきた。

「しぃちゃんにはちゃんと逢えたかモナ?」

ギコだけに聞こえる声で聞いてきた。

「おう。 黙っててくれてありがとな」

「構わないモナ。 そんな事よりギコはしぃちゃんの為にも勝利して生きて帰ってこなくちゃモナ」

「ああ。 もちろんだ」

「モナーは恋人か誰かいるのか?」

「・・・妻と子供が一人居たけど・・・・・・もう別れたモナ。 モナーの帰りを待ってくるてる人なんて居ないモナ」

「あ・・・すまねぇ。 俺・・・」

「気にしなくてイイモナ」

「モナー、この戦い絶対勝てるよな?」

「勿論モナ。 そんなの決まってるモナ」

「安心したw」

ギコとモナーが二人で笑っているとスピーカーから声が聞こえた。


『帝国との戦争開始予定時間は明後日。 ついさっき本部から連絡があった。  よって、臨時に決定した事であるが、明日は休みとする。 各自、故郷に戻ってもう一度、自分が背負っている物の大きさを実感してくるように! 以上』


「明日が休み? 軍人が臨時休業!!? そんなの聞いたことねぇぞゴルァ!!」

「戦争が迫ってるのに、連中はどう言う神経してんだあ???」

ギコとフサがあっけにとられて叫んだ。

「せめて氏ぬ前に家族に逢わしてあげよう、とでも考えたんじゃねえのか?
この戦争に勝つ気あんのか?」

モララーが心底呆れた様に言った。

「ケッ 御袋と親父なんてとっくに他界しちまったぞゴルァ」



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第六話・・・『家族』



・・・・・・・・・翌日

「あれ? ギコはどうした?」

寝ぼけ眼でフサが聞いた。

「どうせコレだろ」

モララーが小指を立てたw

「あ~ そう言や、今日は故郷へ帰れ・・・か」

「フサは家族とかいんの?」

「いや・・・俺の故郷はここだ。 俺を待ってる家族なんて、もういねぇよ。 妻は七年前に亡くした。 一人娘も家を出て行っちまった・・・『あたいは絶対に暗殺者になる』なんてバカな事を言ってたが、どうなったのやら」

「あ、そう。 じゃあボクと同じだね。 今日は一緒に飲みに行かない?」

「お、いいなw モナーはどうだ?」

「え? いや、遠慮しとくモナ」

「あ、そう。 じゃ、二人で割勘ね」

「モナー、何処かに行くのか? 家はもうねえんじゃ・・・」

「お酒はあまり好きじゃない、ただそれだけだモナ」

「そっか」

二人は深聞きせずに部屋を出た。

「・・・・・・」







街中の道をギコは走っていた。

「ここを曲がると公園だな」

公園はブランコと滑り台だけと言うシンプルな所で狭い。

今はシーンとしている。

皆、避難した後なのだろう。

「しぃ、待った?」

しぃが座っているブランコに近づきながらギコは話しかけた。

「ううん。 今来たところ*」 







・・・・・・・・・・・・・・・・会議室・・・・・・・・・・・・・・・・


兵の居なくなった陸軍施設の最上階の会議室では会議が行われてた。

「准将、よろしいのですか? 元帥の許可も得ずにあのような命令を下されて・・・」

「今にも攻めてくるかも知れんのですぞ!」

「まあ、落ち着け。 准将にも御自分の考えがあっての事でしょう」

「いや、しかし・・・」

『私は・・・家族に何もしてやれなかった・・・・・・』

「「え?」」

『当時、青二才だった私はただ只管上を目指した。 「偉くなろう。 偉くなってこの国を変えるんだ」そう思っていた。 家に帰ることなんて殆ど無かった。 母の葬儀の時でさえも・・・ その頃偉くなる事が全てだった私は家族の事など考えても居なかった。 大事な物ってのは亡くしてから気づく物だな・・・ 私は、自分の同類を作りたくない、それだけだ。 戦場と言ういつ命を落としてもおかしくないこの場所でな』


「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」







・・・・・・・・・・・・・・・・・夕方・・・・・・・・・・・・・・・・


「ここも変わったモナ」

田舎のデコボコ道をモナーは歩いていた。

辺りは平地だ。

所々にしか家は無い。

モナーの進む方向には一軒の一階建ての家があった。



モナーがその家の前で立ち止まって家を眺めていると中から一人の女性が出てきた。

黄色の髪に薄いオレンジのAAだ。


その女性はモナーを冷たい瞳で見ると口を開いた。

「何しに来たの?」

「いや・・・その、ちょっと近くを通りかかって・・・それで」


「ぶーん」

モナーが口ごもっていると子供のAAが車のオモチャを片手に持って家から出てきた。

母親に遊んでもらおうとしたのだろう。

女性のAAは屈んで頭をなでた。

その子供のAAの色は白く、目は女性のAAにそっくりで、口元は何処かモナーに似ていた。

その子供はモナーを見つけると不思議そうな目で見た。

モナーは子供を嬉しそうに、しかし何処か悲しそうな瞳で眺めた。

「この人誰?」

「この人はセールス・マン。 お家に入って」

子供の質問に女性のAAがすばやく答え、家の中へ促した。

子供が家に入るのを見届けたモナーが口を開いた。

「・・・大きくなったモナ」

そんなモナーを見て女性は溜め息混じりに口を開いた。

「来ちゃいけないはずよ。 裁判で決まったでしょ。 あの子が混乱するし・・・」

「それは・・・分かってるモナ。 ただ・・・」

「ただレモナに・・・君に、言いたかったんだモナ」

「モナーが悪かったモナ。 何もかも謝るモナ・・・」

「今度の仕事は・・・でかい仕事なんだ・・・君も誇りに思ってくれると思うモナ」

モナーは懐に手を入れた。

「君に一つ頼みがあるモナ・・・誰の贈り物か言わずに、あの子に渡してほしいモナ・・・・・・これを」

      ___
     /|  |\
    .\| 兵.|/
      .| 長.|
      .|  .|
      .. ̄ ̄ ̄

そう言ってモナーは階級バッジを自分の足元に置いた。

モナーは回れ右をして元来た道を歩み始めた。

「待って、貴方の仕事・・・まだ一年前と同じ、石油採掘業をやってるのよね?」

レモナが階級バッチを不振に思いながら聞いた。

モナーは答える変わりにニッコリ笑って言葉を付け加えた。

「あの子の胸に着けてあげてほしいんだ。 ただのオモチャだモナ」


モナーはその場を去った。


レモナはモナーの姿が見えなくなるとバッジを拾った。

そのバッジはズシリと重たかった。



モナーの顔は夕日に照らされてオレンジ色に光っていた。

その頬に夕日に照らされてオレンジ色をした水滴が流れ落ちた。

「さようなら レモナ 」

モナーは歩いてきた道を振り返らずに戻っていった。




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第七話・・・『護る物』



「だからぁ、しぃ! 今すぐでも遅くはないから! 避難しなくちゃ!!」

公園に二人の声が響いている。

「嫌よ。 絶対に嫌!」

ブランコ二つにギコとしぃが座り、言い争っている。

街は殆どの人が避難しているのでシーンとしているが、もし普段ならいったい何の騒ぎかと、少なくとも二、三人は窓から首を突き出したことだろう。

「なんでだよしぃ・・・ここじゃ危険なのに、なんで避難しないんだ?」

しぃが少し表情を曇らせた。

しかし、ギコに表情の変化を読まれる前にしぃはとっさに答えた。

「ギコ君が危険と戦っている時に私ひとりだけ安全な所になんて逃げられないわ」

これも本音だった。

「で・・・でも・・・・・・」

「大丈夫よ。 だって、ギコ君が護ってくれるんでしょ?」

「う・・・それは・・・そうだけど・・・・・・」

「なら、何も心配する事ないじゃない? ギコ君が私に嘘をついた事、無いもんねw」

しぃは悪戯っぽく笑うとブランコを降りて公園の外へ歩き出した。

「ちょ、しぃ。 まだ話は・・・」

「もうそろそろ戻ったほうがいいんじゃないの? またコワーイ上官に怒られるわよww」

しぃは自分をひき止めようとしたギコに向かって悪戯っぽく笑って最後の言葉を付け足した。

「え?  ・・・・・・・・・ゲ!  ヤバ・・・」

時計を見たギコが悲鳴に近い声をageた。

反対の出口に向かっていくギコに向かってしぃは声を張り上げた。


「絶対に、生きて帰ってきてね!」


  「おう!」




しぃは複雑な表情でギコを見送った後、街の中心に向かって歩き始めた。

五分ほど歩いて、さしかかった交差点で止まった。

辺りの建物に人の気配は無い。


「いつまで付いて来る気なの?」

「アヒャ☆ 気ヅイテタノカ・・・」

しぃの目の前に何処からとも無くつーが現れた。

「何時カラ気ヅイテタ?」

「何の用なの?」

しぃはつーの質問を無視して聞いた。

「別ニ頃シニ来タ訳ジャナイ・・・ダカラ、ソノ左手デ構エテイル銃ヲ下ロシテモラエルカナ?」

「あなたがその短剣にかけている手を退けたらね」

「チッ ワカッタヨ」

つーは腰のベルトに挟んだ短刀にかけていた手をのけた。

しぃも左手で構えていた銃を腰になおした。



「それで? 何の用なの」

「アタイノ嫌イナ仕事サ  ・・・・・・アノ方カラノ伝言ダヨ」

「・・・それで?  なんて言ってるの?」

「今回ハアノ方カラ直々ニ話スンダッテサ」

そう言うとつーはベルトに付けていたポケットから無線機を取り出し、スイッチを入れた。


『ザーザーザー  やあ。元気かいしぃ?』

「用件は何なの?」

しぃの表情が強張った。

『ふん 相変わらず無愛想だな  まぁ、いい  用件は言わずとも分かっているだろう? 明日の作戦を伝えに来た』

「・・・いったい後いくつの国を襲って、どれだけの人を悲しませるつもりなの?」

『・・・・・・・・・』

「?」

『明日で最後だ。 つまり、この国で最後、と言う事だ』

「どう言う事?」

「ソノ話、初耳ダネ?」

『この国は一度、滅んだほうがいいのさ・・・今までの悪行・・・いや、虐殺の数々は明日のためにあったのさ』

「え?」

「?」

『いいじゃねぇか・・・襲う理由なんてな・・・それに、この国は俺達の故郷でもあるしな・・・』

「俺たち、って! 貴方達も、この国の人間だったの!?」

「昔ノ話ダヨ。 小サイ頃二、家出シタカラネ」

つーが方をすくませた。

『チッ 少し話しすぎたな・・・ どうもこの国はおちつかねぇ。 感情的になっちまう』

「ちょ、ちょっと待って! まだ話は済んでないわ!」


『ザー ザー  ザー』

「電源ヲ切ッタヨウダネ」


「どうなってんの・・・」


「サアネ」





「糞親父・・・マダ生キテンンノカナ」






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第八話・・・『弟』




ギコはまっすぐには帰らなかった。

陸軍の訓練施設には戻らず、公園から三㌔ほど離れたところにあるマンションをたずねた。

もちろん、みんな避難しているので事務のおじさんもいない。

このマンションは六階建てだ。

「・・・・・・・・・」

ギコは無言でエレベーターに乗った。

「5」とかかれたボタンを押す。

   ・
   ・
   ・
   ・
   ・

『五階です』



エレベーターを降りると長い廊下が続いている。

ギコは右から三番目の扉のチャイムを押した。


 ピンポーン♪



「あーい。 押し売りお断り~  泥棒と暗殺者と・・・あと警察も出来れば来てほしくないー  軍からの指令状を持ってきた奴はぶっ殺す!!」

チャイムをおして数秒後いきなり怒鳴り声が聞こえた。

「かつての兄弟もお断りか?」

「え・・??」


足音が扉に近づいてくる。

ガチャッ

小さな音がして扉が開いた。

中から出てきたAAはギコとうり二つだった。

一つ違うといえば、目が細いところか。。。

目は開いているのか開いていないのか分からないくらい細い。


「お! ギコじゃんかよ!!  どした? 陸軍の訓練が厳しくて逃げ出してきたのか?  ま、いいさ。 入れよ! 何もないがヴェノアティー位なら入れてやるよw」

「・・・おまえどんなにリッチな暮らししてんだよ・・・」

「まぁ、いいから入れよw」

ギコは促されるままに部屋に入った。

流石は高級マンション・・・中は広々としていて一流品がズラリと並んでいる。

「・・・すげぇな・・・・・・あー、何か真面目に頑張るのが馬鹿らしくなってくる」

ギコは呟いた。

「何か言ったか?」

「いや・・・なんでもない」



「で、わざわざ俺を訪ねてきたのはどう言う訳だ?」

「あぁ。。。 ただ、ちょっとな。 戦争が始まる前に一目あいたくなってよ・・・」

「あ、そっか。 確か、陸軍に所属してるんだっけ? ところで、どうやって俺の住所を調べたんだ??」

「三年前、亡くなった御袋の遺言状に住所が書いてあった」

「え!! 御袋、亡くなったのか!!? なんで連絡の一つもいれてくれなぇんだよ!!」

「わりぃ・・・連絡しようと思ったんだけどさ・・・・・・親父がガンとして首を立てに振らなくて・・・・・・」

「くそっ あの糞野郎! ぶっ殺してやる!!」

「もう死んだよ・・・二年まえにな」

「え・・・そうか」

「ああ」

「けっ 笑えてくるよな・・・一時期随分とぐれちまってさ・・・・・・人を殺めちまってよ・・・挙句の果てに勘当されて・・・葬式にも行けねぇで。。。 おまけに元親だった二人が死んだ事すら知らなかった・・・ホント、笑えるよな」

「笑える訳、ねぇだろ」

ギコが思いつめた顔で溜め息をついた。


「さて、暗い話題は此処までにしようぜ」

「そうだな」

「しかし、何年ぶりかなぁ~兄貴とこうして向かい合うのは・・・」

「そうだな・・・実に五年ぶりだな~ 不肖の弟よw」

「うるせぇ」


それから二人は思い出話に花を咲かせた。





「じゃあ、そろそろ御暇するとするか」

「そうだな。 もうこんな時間か・・・」

ギコは玄関の外に出た。

「今日、お前に会えてよかったよ」

「いや、俺もよー、避難しようかなぁと思ったんだけどさぁ・・・何か気が進まなくてな・・・なぁに、近くの核シェルターにでも避難するさ。 こんな時のために買って置いたんだw」

「お前・・・何の仕事してるんだ? そんなにもうけやがって!!」

「お、そうだ。 兄貴に贈り物があったんだった」


ギコの弟は部屋の奥から野球ボールくらいの丸い何かを持ってきた。

「ほれ。 餞別だ」

ギコはそれを受け取った。

「なんだコレ? もしかしてグレネードか? グレネードなら軍至急の奴があるけど」

「さっすが兄貴。 勘がいいなぁw  でもな、ただのグレネードじゃないんだなw 」

「は?」

「中身はプロトニュームさ」

「俺はウランを扱ってるんだ。 プロトニュームなんていくらでも手に入るさ」

「え?は?え?」

「いざって時に使ってくれ。 それを兄貴が使わなくてもいいように祈ってるよ」

「いいか、兄貴! 誰も信じるんじゃないぞ!! 奴等はそんなに甘くない。 じゃあな。 幸運を祈ってるぜ」


ギコが何かを言う前にギコの弟はドアをピシャリと閉めてしまった。

ギコはしばらくそれを眺めていたがポケットにしまって元来た道を戻り始めた。

エレベーターに乗るときギコは一度だけ振り向いた。

「じゃあな、我が弟・・・タカラ」

ギコは敬礼をした。

そしてエレベーターに乗り「1」のボタンを押した。

エレベーターの扉が閉まっていく。

「もう一度逢えた時はワインでも飲んではしゃごうぜ・・・」

ポツリとギコは呟いた。







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第九話・・・『countdown start』


ここは田舎。

田んぼが広がっていて人家も少ない。

都会からはかけ離れている。

しかし、ここ数日、ちらほら疎開してくる人もいた。

そんな田舎の家の一つ。

二階建ての少し古そうな石造りの家から声が聞こえる。


「兄者、いい加減FMVから目を離してテレビでも見ないか?」

ここは流石家。

二階の部屋の一つの部屋では二人の青年がNOTE・PCに噛付いている。

「いや、これは間違いなくソニアタンの画像だ・・・漏れの心の羅針盤が反応している!!」

椅子に座ってPCをしている兄者と呼ばれた者が言った。

「・・・だったらその羅針盤は取り替えたほうがいいぞ兄者・・・・・・URLを見ると一目瞭然だろ・・・[http://nun~]この時点で怪しいだろ! って・・・あーあ」

兄者の後ろに立っていた青年が溜め息をついた。



  FMV:ガガガガガガガガガガガガガ


「OK,ブラクラGETだ、弟者よ」

弟者と呼ばれた者はまた一つ溜め息をついた。

この二人は双子だろうか? 顔も身長もそっくりだ。

目と口は似ているが鼻が少し違った。 弟者のほうが少し高い。

「今まで兄者が踏んだブラクラの種類をまとめると、立派な『ブラクラ図鑑』が書けるぞ・・・」

「時に弟者よ、さっき<とある掲示板>で戦争が間もなく始まる、と言う話で持ちきりだった訳だが・・・」

「今更何を言い出すかと思えば・・・ま、兵役義務を免れた漏れたちが気にしてもどうもならないがな・・・」

「くっくっく 弟者よ、漏れは知ってるんだぞ。 軍隊に行くのが嫌だから健康診断の前日にヤケ酒を飲んで血糖値の異常とアルコール障害で兵役義務をパスしたって事はな」

兄者がニアニアしながら弟者を見た。

「よく言うよ。 兄者だって兵役に付くと<ソニアタンの画像探し>が出来なくなるからって言って、一日中PCをやり続けて<視力標準以下>って事で兵役義務をパスした癖に!」

弟者はくってかかった。

二人はしばらく睨み合った。

「ま、お互い様と言う事にしておこう・・・ところで、知っているか? 戦争が長期戦になりそうだから兵役に付かなくてもよかった者達まで駆り立てられているらしいぞ・・・そろそろ漏れ達の所にも軍の連中が来るんじゃないのか?」

「ああ。 それならもう何回も来ているが? 兄者」

「???  時に弟者よ、それはどう言う事だ?」

「しっ!」

弟者が口に手をやって兄者を黙らせた。


「・・・・・・・・・つこ・・・き・・・・・・だよ!」

一階の玄関から声が聞こえてくる・・・

「母者の声だな・・・誰か来てるのか?」

「いいから黙って耳を済ませって!」

再び弟者が兄者を黙らせた。



「いや、だから奥さん。 これは2ch総司令部で決まった事ですから・・・ お宅のお子さんも戦争に参戦しなければ行けくなりましたから。 いい加減、お子さんを呼んできてください!」

「あんた、しつこいよ! 家には娘しか居ないっていってるだろ!」

「いや、隠しても無駄ですから・・・ 民間の情報くらい、すぐに割れますから。 お宅に双子さんが居るのは分かってるんですよ」

「家に双子なんて居ませんよ! 不肖の息子が二人居るだけですが何か!!?」

 ・
 ・
 ・

「なるほど・・・今まで漏れ達を軍に連れて行こうとした香具師はみんな母者に軽くあしらわれたんだな・・・」

「そう言う事だ兄者。 母者に勝てる者なんてこの世にいないしな」

「しかし、不肖の息子ねぇ・・・いい響きはしないよな弟者よ」

「まったくだ。 ・・・おかしいな・・・・・・今日の人はやけにしつこいな・・・そろそろ母者が切れるかも・・・」


  ・
  ・
  ・
  ・
  ・

「だからぁ~、お宅に息子さんがいるのは分かってるんですよ! 」

「しまいに、しばくぞ! 何度もしゃしゃりでてきやがって! 講義する!!」

「はい? 講義しに来たのはこっちのほうですよ!」

「帰れ! 帰れ! さっさと帰れ!!  軍の! 回し者!! さっさと帰れ!!! しばくぞ!!!!」


  ボコッ!!

人を殴ったような音が響く・・・

「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁ、う・・・腕が折れあqwsでrftgyふじこlp!!」

続いてドタバタと逃げて行く足音・・・・・・

   ・  
   ・
   ・

「あーあ、母者を切れさしてしまうとは・・・」

「触らぬ神に祟りなし とはこの事だな」

「なるほど。 つまりこう言う事か弟者よ。 母者が居る限り、漏れ達は軍とは一切関わりを持たなくていいと」

「そう言う事になるな」

「そうか・・・では、引き続き画像探しを(*´_ゝ`)」

「やっぱり兄者は軍隊にでも行って根性を鍛えなおしてもらった方がいいかも♯」



バタンッ


部屋の扉が開いて一人の女の子のAAが入ってきた。

背丈は兄者の半分くらい。

髪は青色だ。

「どうした妹者よ?」

「また兄者達をつれさろうとする輩がきておったのじゃー」

「ああ、そうらしいな」

「で、他に用は何だ?」

「え~と・・・あ、そうそう。 すぐにテレビをつけるのじゃ」

「ん? TVを? 漏れはPCの方が・・・」

「おい、兄者;」

「分かったよ」

兄者は名残惜しそうにPCの画面を見つめてからテレビのスイッチを押した。


どの番組も明日開戦する戦争のことしかやってない・・・

妹者が勝手にチャンネルを回した。

妹者は2チャンネル目に手を止めた。

「母者が、この番組を見て置くように言っていたのじゃ」

「なに? 母者が? いったい何が始まるというんだ? 戦争の事なんてどうでもいい様な気がするが・・・」

「おい! 兄者!!」

弟者の二度目のつっこみ。

「はい、はい」


画面には2ch総司令部が映っていた。

入り口は武装した警備員が護っていて、その周りをテレビ局のレポーターや野次馬が集まっていた。

「やれやれ。 野次馬もよくやるよ・・・」


『明日開戦される帝国との戦いについて、総司令部はノーコメント。 それだけに、事態の深刻さがうかがわれます』


「ノーコメントか。 民衆は何も知らなくていいってか?」

弟者がぼやく。


『あ!中で何か動きがあったようです。 外務大臣が出て気ました!!』

『「ヒロユキ大総統は一時間後、全国の住民に向けて演説します」』

そのまま中へ戻ろうとする外務大臣に各局のレポーターがマイクを突き出し、我先にとインタビューしようとする。 それを警備員が抑える。

「ヒロユキ大総統が出てくるのか・・・戦争について、どう思う? 兄者」

「カウントダウン開始、っと言ったところかな?」




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第十話・・・「・・・・・・・」




「あれ? ギコ、おそかったな~ 」

日が暮れてから軍の施設に戻ってきたギコ。

ギコが部屋に帰るとすぐに、モララーが話しかけてきた。

でろんでろんに酔っている。

「どうしたんだ? 何かあったのか??」

ベットの上で軽く唸っているフサを見つけてギコがモナーに聞いた。

「飲みすぎたみたいモナ」

「え? そんなに飲んだのか? 敵がすぐそこに迫っているって言うのに??」

ギコはあぜんとするしかなかった。

「う~・・・うえッ  キモチワルイ・・・」

フサが口を押さえた。

「い、いやさ~ 本当は一杯だけにしようと思ってたんだけどさ・・・ その、飲み屋の亭主が・・・・・・どんどんすすめて来るからついつい。。。 オエッ」

モララーはそういい残すと、トイレに入ってしまった。

中から聞こえてくる嫌な液体の落下音を三人は無視した。

「普通、そんなに飲む?」

「いや、最初は俺たちも断ったが・・・なんか、そこの亭主が。。。うっ ・・・何か、曲をかけてさ・・・・・・なんかノリノリの曲で・・・気がついたら。。。このありさま・・・オエッ」

フサが苦しそうに言った。 

「・・・どんな曲だよ・・・・・・」

ギコは呟いた。

「あの曲には魔力があるな・・・酒を人に飲ます魔力が・・・オエッ おまけに、米酒とかなんとか言う酒を飲まされて・・・」

「三時間もすればおさまるモナ」

モナーの返事はそっけなかった。 何故だかモナーはこの話にのりきではないみたいだ。

ギコは面白いとおもっているようだが・・・

「はー。 すっきりした。 もう、絶対にあの酒屋にはいかないからな♯」

モララーがトイレから出てきた。

ギコはモララーに聞いてみる事にした。

「なあ、なんかモナーはこの話はあまりしたくないみたいだけど何でだ?」

「ああ、その事か。 あの酒場の亭主となんかあったみたいだ。 詳しい事は知らないけど・・・」

「ふーん」

この会話は急いでトイレに入ったフサの吐く音で打ち切られた。



『全員、直ちにトラックに集合! 格小隊の隊長は人数報告にくるように!!』

「おーい、モナー。 隊長は人数報告にといだってさ」

「わかったモナ」

そう答えるとモナーは出て行った。

「さあ、集合、集合。 おい、フサ! 本当に大丈夫なのか???」

「うえっ ああ。 心配ない!  うえ」









トラックには既に半数が集合していた。

そこへ、スピーカーから声が流れた。


「もうすぐ、大総統の演説が始まる。 この演説終了と同時に貴様らはあの大帝国と戦争が始まる。 いいか! 我々の命など問題ではない。 何があってもこの国を護るのだ!!」


会議室ではたったいま激励を終えた准将が他の数人とともに椅子に座った。




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第十一話・・・「決意」


今、この国のどの家庭のどのTVにも大総統の演説台が映っていた。

そこへ、一人の人物が歩いてきた。

少し白髪混じりで顔に深くしわを刻んだ中年代後半の男だ。

彼こそが、この国の指導者。 

ヒロユキ大総統だ。

彼は昔、ある巨大掲示板の管理人だった。

うまい棒が大好物の・・・ しかし、それは昔の話だ。


彼が演説台に上り、カメラに向かったところで沢山のフラッシュがきらめいた。

そのまばゆいフラッシュをものともせず、彼は重い口調で話し出した。 

全国民に向けて。

その声は、この国すべてのラジオ、テレビ、スピーカーから流れた。

ギコ達、軍人の耳にも勿論、届いていた。


「今夜、私は2chrepublicの大総統として、この国の指導者として、国民の皆さんに語るつもりです。 我々は、非常に重大な危機に直面しています。周りの国々を攻撃し、侵略し、資源を奪いつくし勢力をつけてきた、あの軍事国家が宣戦布告をしてきたのです。
しかし、あの帝国に敗れていった同盟国の小国とは違い、我々にはあの帝国に打ち勝つための叡智があります!
明日の無事を、友の、自分の、家族の無事を祈っている皆さんに申し上げましょう。この危機を乗り越えるため、あの帝国に打ち勝つために、ありとあらゆる手段と男達の激戦が繰り広げられると言う事を。我々はこれまで絶え間なく行動を続け、身を護る手段を得、科学の進歩を一歩一歩積み重ねてきました。
我々のこの国の混沌とした歴史を通して、多くの間違いや、争いや、苦しみがありましたが・・・その中で変わることなく、真実の礎となって来たのは我々の勇気です。皆さん、今、この瞬間にも奴等は迫ってきています。あなた方を護るべく我々の国は戦います。陸・海・空軍人の幸運を祈ります」

ヒロユキ大総統が演説台から離れると、すさまじい数の報道人が質問を浴びせてきた。

さらに、フラッシュの嵐。




「諸君に言う事は、ここまで来たらもう、何もない」

ギコの耳にスピーカーから聞こえてくる声が響く。

「大統領の言葉を心に刻んでおけ。 諸君は、今夜、自分のためでなく一国の為に戦う。 格小隊の隊長は作戦通りに支持をだせ。  出撃!」






並んでいた軍人は一斉に敬礼した。


      ザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザ


森の中に何千人と言う軍人の足音が響く。



「なあ、モナー。 俺たちの配置って何処だ?」

ギコが移動の途中に聞いた。

「B-西丸区域   森を出てすぐそこモナ」

「って事は、あの難攻不落の壁・・・FIRE WALL の近くか・・・」

ギコの気持ちは沈んだ。

もし、敵が侵入してきたら間違いなく真っ先に先頭に巻き込まれるだろう。

生きて帰れる確立は低い。


「そうか。 と言う事は、俺たちが最初にあの帝国軍に鉛玉をお見舞いできるって訳だ!」

フサがギコの横で叫んだ。

フサの周りに居た同志はニヤリと笑った。

「おう! 言う時は言うじゃネーかフサ!!」

隣を走っていた別小隊のネーノが声をかけてきた。

「まーな」

フサも笑って答えた。

ギコは少し希望がわいた様な気がした。

少なくとも、こんな仲間達と死ねるなら・・・


ギコは頭を振った。

「何を考えてるんだ。」

『死んだら・・・』なんて考えてどうする・・・

しぃにもう一度生きて逢うと誓った。

俺は、絶対に死ねない!




      ★     ★     ★






「もしもし、俺だ」

「ああ、聞こえてる」

「おまえ、今日あいつと会ったな?」

「ああ」

「なぜ報告しない?」

「・・・」

「ふん、まあいい」

「なぜ、そこまで警戒する?」

「当たり前だ。 ここは貴様の故郷。 そして、あいつはおまえの実の兄! 警戒して当然だ。 裏切る理由なら腐るほど転がっているではないか」

「俺は裏切ったりしない! ずっとあんた達、帝国に協力してきただろ?」

「そうだったな。 俺の故郷も実はここでな・・・ 少し感情的になってるんだ」

「どうも、分からない。 何故、自分の故郷を攻撃する?」

「前にも言っただろ。 復讐のためだ。 俺はそれだけの為にいままで生きてきた。 この長かった日々とももうすぐお別れだ。 もうすぐな・・・」

「・・・そうか。 それで、どうするつもりなのか作戦を教えてくれないか? 俺も被害は受けたくないしな」

「そうだったな。 いいだろう。 まず、難攻不落だ!などとほざく壁を破壊し、国へ侵入。 と同時に東方司令部と、南方司令部と、北方司令部の三箇所に設置したお前の作ってくれた爆弾が爆発し、デカイ花火が上がる。 後は中央総司令部を武力制圧する。 以上だ お前の作ってくれた爆弾はつーが設置してくれた」

「わかった。 明日、そっちへ合流する」

「おまえ、本当にあいつに何も話してないだろうな?」

「本当だ。 あんたこそ、本当に兄に指一本触れないんだろうな?」

「俺は嘘は言わない」

「わかった」

「国の為に戦う男の弟は兄の敵の国へ加担する裏切り者・・・この筋書きは笑えるぜ」

「・・・だまれ!」

「ふんッ」

「ツーツーツーツーツー」








    続く

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