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明日に向かって・・・ (Gummy!)

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匿名ユーザー

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 何をやってもつまらない毎日だ・・・
俺なんて生きていても意味がない・・・そう思っていた・・・
でも俺は変わった・・・あの出来事がきっかけで・・・

 ちょうど今から十年前・・・俺が高校生の時だ。
夏の暖かい風も秋の涼しい風に変わり、まもなく十月になる。そんな時だった・・・
毎日がつまらなくなり、ただ無償に死にたくなった。なにもやってもダメで失敗ばかりの毎日に嫌気がさしていたんだ・・・
屋上への階段を上り、立ち入り禁止の扉を開ける。幸い鍵は閉まっていなかった。
屋上には爽やかな秋の風が吹いており、不思議と心地よい気分になる。
そしてフェンスをこえて死を決意する・・・

「死のう・・・」

だがそのとき、後ろから俺を呼びとめる声が聞こえた。


「やめときなよ・・・無意味だよ・・・」


フェンス御しに立つ一人の男。彼の一言が俺の運命を変える事になるなんて、この時の俺には知るよしもなかった。
とにかく死にたかったのだ・・・
俺は構わず飛びこもうとした。だが、その時すでに彼の手が俺の腕をガッシリと掴んでいてそれが出来なかった。
「放せ!俺は死ぬんだ!!」
「死んだって・・・なにも解決できない・・・」
無理やり腕を振りほどこうとするが、どうしてもできない・・・
俺はやむなくフェンスの中に戻り、屋上を後にした。明日またこの場所に来ようと・・・

 しかし、彼はその日も屋上に居た。昨日と同じように一人、フェンス御しに立っていたのだ。
俺は無性に腹が立って、彼を怒鳴りつけた。
「なんで邪魔をするんだよ!俺は死ぬんだ!邪魔をするな!!」
すると彼は寂しそうにうつむき、俺に向かってこう言った。

「僕もちょっと前まで死のうと思っていたんだ・・・」

俺はこの言葉にハッとして彼の言う事に耳を傾ける。
「毎日がつまらなくなってね、ただ無償に死にたくなったんだ・・・何をやってもダメだったから・・・」
「俺と同じだ・・・」
俺は思わず声が出た。そう、まったく同じだったのだ。自殺を試みた理由がまったく・・・
やがて彼は名前を尋ねてきた。
「僕は緋月・・・君は?」
「毒男だ・・・」
「毒男君か・・・君とは気が合いそうだよ・・・」

 こうして俺と緋月の毎日は始まった。
俺は昼休みになると毎日屋上へ向かった。だが、別に自殺をしに来たわけではない。彼と話しに来たのだ・・・
彼とは色々な事を話した。家族のこと、学校生活の事、ペットの犬のこと・・・
俺は彼と話す時間が自然と待ち遠しくなった。
こうした日が一週間、二週間と続き、やがて十ニ月になろうとしていた。

 そんなある日のことだった。彼が俺にある事を話しかけてきた・・・
「ねえ・・・生きてるってつらいよね・・・でもさ、死ぬと絶対後悔すると思うんだ」
「はい?なんだよ急に・・・」
「生きてる者は皆、明日に向かって歩いていくんだ・・・でも死んでしまったらもう歩くことはできない・・・もう前に進めない・・・そんなの悲しいよ・・・」
「そうだな・・・明日に向かって歩いて行く事は、困難の連続だ。だけど、途中で諦めては駄目だ・・・ちゃんとゴールまで進まないと・・・な・・・」
「でも君は諦めようとしたよね・・・」
俺は軽く笑って彼に言い放った。
「もうあんな事しないよ。俺はおまえと出会って思ったんだ。世の中には楽しい事があるんだな・・・ああ、生きなくちゃな・・・って」
「じゃあ、約束する?もう、諦めないって・・・」
「ああ、約束だ。ただし、おまえもだからな・・・」
俺は彼と硬く約束をした。

 だが次の日、彼は屋上に来なかった・・・次の日も、そのまた次の日も・・・
俺は心配になって担任の先生に聞いた。
「先生・・・聞きたい事があるんですが・・・」
「なんだい?毒男君」
「緋月という人を知っていますか・・・」
「・・・ああ、緋月君ね。よく知ってるよ・・・」
「え?何組ですか!教えてください!!」



「死んだよ・・・ちょうど一年前、この学校で・・・・・・飛び降り自殺だった・・・」



「・・・・・・へ?」



秋の風も冷たくなり、まもなく冬になろうとしている時の事だった・・・




     ('A`)ノシ
二||二||二||二||
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